2023.07.20

【F速プレミアム】
王者フェルスタッペンの戦い:予選でマックスが犯した珍しいミス「僕のキャリアを通じて、最高に恥ずかしかった瞬間」


(c)XPB Images
 F1第11戦イギリスGPでも勝利し、6連勝となったマックス・フェルスタッペン(レッドブル)。今シーズンはライバルと呼ばれる存在は現れるのだろうか。スイス在住のF1ジャーナリスト、マチアス・ブルナーがレースの週末を振り返る。
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 マックス・フェルスタッペンの『ドリームシーズン』はとどまるところを知らない。シルバーストンで開かれたイギリスGPで、彼はマイアミ、モナコ、スペイン、カナダ、オーストリアに続く6連勝を達成した。シーズン序盤のバーレーンとオーストラリアも含めるとシーズン8勝目。F1世界選手権でのポディウムフィニッシュは通算87回となった。

 また、レッドブル・レーシングとしては11戦連続の勝利(通算102勝目)をあげ、1988年にアイルトン・セナとアラン・プロストを擁するマクラーレンが打ち立てたF1記録と肩を並べている。

 イギリスGPの週末に明らかになったのは、もはやマックス・フェルスタッペンを止められるのはマックス・フェルスタッペンだけ、ということだ。彼は右手に包帯をした姿でシルバーストンに現れた。いったい何が起きたのだろうか。マックスは言う。「(レースの週の)木曜に手に痛みを感じたんだ。特に捻ったりした覚えはなくて、理由はよくわからないんだけどね。プラクティス初日の金曜にはまだだいぶ痛みがあったけど、土曜にはずいぶん良くなった。そして、グランプリの当日には、もうまったく気にならなかった。自分でも予想していたことだけど、レースになってアドレナリンが出始めると、そんなことは全部忘れてしまうんだ」
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 フェルスタッペンにとって、このグランプリ43勝目はイギリスGPでの初優勝でもあった。2020年にシルバーストンで開催された『70周年記念レース』や、2021年のF1スプリントで勝ったことはあるものの、イギリスGPのウィナーに与えられる有名な黄金のトロフィーを手にするのは、今回が初めてだったのだ。

(c)XPB Images

「とはいえ、楽に勝てたわけではなかった」と、マックスはレースを終えた日曜の夜に語っている。「まずスタートが本当にひどかった。どうしてあれほどのホイールスピンが起きたのか、まったく見当もつかないよ。結果としてランド(ノリス)がトップに立ち、僕はオーバーテイクのチャンスが訪れるまで、しばらく我慢を強いられた」

 その後、セーフティカーの出動に伴って、ひとつの疑問が生じた。残りのレース距離を走りきるタイヤとして、ソフトとハードのどちらを選ぶべきかという問題だ。「過去に戻って選び直すことができるなら、ハードにするだろうね。そうすれば、もっとプッシュできたと思うから。ソフトを選んだ結果として、リスタートではランドよりグリップが良かったのは確かだ。でも、フィニッシュまでソフトをいたわりながら走るのは、とても難しかった」

 手のケガとスタートの失敗を別とすれば、マックスがシルバーストンの週末に犯したミスはひとつだけだった。予選中にガレージから出ようとして、ピットレーンの壁にフロントウイングを当てて壊してしまったのだ! 「僕のキャリアを通じて、最高に恥ずかしかった瞬間のひとつだね。理由は単純で、ガレージを出る時に、クルマがあれほどの勢いで前に進むとは思わなかったんだ」。ともあれ、ウイングはただちに交換され、貴重な時間を失うことはなかった。

 シルバーストンのほんの一週間前に、フェルスタッペンはオーストリアのレッドブル・リンクでも圧倒的なパフォーマンスを見せていた。ポールポジション、スプリントでの勝利、グランプリでの優勝、さらには最速ラップも獲得したのである。

 そして、次のハンガリーに関して、マックスはこうコメントしている。「最大のライバルは誰なのかについて、状況が複雑になってきたようだ。一時はフェラーリが僕らを追っていたけど、それがメルセデスになり、アストンマーティンになり、今度はマクラーレンが来た。ハンガロリンクでは誰と戦うことになるのか、まるで予想がつかないよ」

(Mathias Brunner/Translation:Kenji Mizugaki)

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