2023.06.15
【F速プレミアム】
王者フェルスタッペンの戦い:7戦中5勝を達成も「チームに慢心はまったく感じられない」
(c)XPB Images
F1第7戦モナコGP、F1第8戦スペインGPを制したマックス・フェルスタッペン(レッドブル)。過去の偉大なチャンピオンたちと同様に3連覇を達成することができるだろうか。スイス在住のF1ジャーナリスト、マチアス・ブルナーがレースの週末を振り返る。
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まったく対照的なレースでありながら、結果は同じだった。マックス・フェルスタッペンがモナコとスペインの両グランプリを制して、自身3度目のタイトルに向けて大きく前進したのだ。
モンテカルロの市街地レースは雨の影響を受けたのに対し、バルセロナでのレースは上空に黒雲や積乱雲が見られながらも、完全なドライコンディションで争われた。
マックスは振り返って言う。「どちらのレースも、コンディションはとても難しかった。モナコでは路面が信じられないほどグリージー(注:ヌルヌルと滑りやすいこと)で、実際に何度かガードレールにクルマを当ててしまった!」
レッドブルのモーターレーシングコンサルタント、ヘルムート・マルコはこう語っている。「ガードレールへの軽い接触こそあったものの、マックスはどんなコース状況であろうと、しっかりクルマをコントロールできているという印象を受けた。ドライでもダンプでもウェットでも、あらゆる条件を克服して見事なドライブを見せてくれた。マックスが一貫して落ち着いていて、完全に集中していたことに驚かされた」
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さらにフェルスタッペンは続けた。「スペインでは、ハードタイヤを履いた時のクルマの挙動に悩まされた。とても奇妙な動きで、クルマがスライドしすぎていたんだ」
(c)XPB Images
カタルニアでは、勝負の流れを左右しかねない局面が2度ほどあった。「ポールポジションを生かして、最初のコーナーをトップで通過することがとても重要だった。僕よりソフトなタイヤを履いたカルロス・サインツが背後に迫ってきて、リーダーの座を守るには、こちらも絶対に譲らないという姿勢を見せて戦う必要があった」
もうひとつは、マックスがトラックリミットの白線を何度か踏み越えて、スチュワードから警告を受けたことだ。あと一度違反を犯せば、5秒のタイムペナルティを科せられるところだったのである。マックスはニヤリと笑いながら語った。
「ああ、先ほども言ったように、ハードタイヤではクルマがスライドしまくっていたから、どうしても白線を越えてしまいがちでね。だけど、警告の黒白旗を受けてからは、白線には近寄らないようにしていた。終盤にソフトタイヤに交換したあとは、クルマもずっとコントロールしやすくなっていたしね」
これでフェルスタッペンは、2023年シーズンの7戦で5勝をあげたことになる。今後の展開について、彼自身はどう考えているのだろうか。「ここまでの成績を誇りに思っていいだろうね。でも、チームに慢心はまったく感じられない。メルセデスが手強くなってきているし、僕らの仕事がさらに難しくなるレースも増えると思う。だけど、僕は何の心配もしていないよ。チームは週末ごとにクルマのパフォーマンスを最大限に引き出すこと、そして効率の良い開発プログラムによってクルマを速くすることだけに専念している。他のチームがしていることには影響を及ぼせないからだ」
この調子が維持されるとすれば、最大のライバルとなるのが誰であれ、マックスの3年連続タイトル獲得を阻止するのは容易なことではなさそうだ。過去に3連覇以上を達成したドライバーは、ファン・マヌエル・ファンジオ(4連覇)、ミハエル・シューマッハー(5連覇)、セバスチャン・ベッテル(4連覇)、ルイス・ハミルトン(4連覇)と片手で足りるほどしかいない。マックスは、こうした歴史上最も偉大なドライバーたちと肩を並べようとしている。
元グランプリドライバーのラルフ・シューマッハーはこう語った。「傑出したチャンピオンだけが持つ一種特別なものが、マックスにはある。彼が素晴らしいクルマを手にしているのは事実だが、モナコとスペインでは、クルマの差だけで速いわけではないことを証明してみせた。同じクルマに乗るセルジオ・ペレスの成績を見るといい。その違いこそが、フェルスタッペンはいかに優れたドライバーであるかを物語っている」
(c)XPB Images
(Mathias Brunner/Translation:Kenji Mizugaki)
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