2022.07.09
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成績不振に苦しむリカルド、マクラーレンF1のチーム内でも孤立を深める
(c)XPB Images
マクラーレンF1のダニエル・リカルドにとって、チーム内での形勢ははっきりと不利になりつつある。彼は、なぜ自分がランド・ノリスのペースに近づくことすらできないのか理解に苦しんでいる。チームは、長年不振が続いていたザク・ブラウン率いるチームをもう一度フィールドのトップへ引き上げるべく2021年の初めにマクラーレンに加わったベテランドライバーへの信頼を、徐々に失いつつある。
年末までに何が起ころうとも、リカルドは昨年のF1第14戦イタリアGPで見事な1-2フィニッシュを飾り、2012年シーズン最終戦以来の優勝をチームにもたらしたドライバーであり続けるだろう。しかし“ツバメが1羽来ただけで春にはならない”のと同様、これまで30戦以上を戦って1勝の彼が、2023年も契約が残っているとはいえ、必ずしもシートを維持できるとは限らないだろう。バクーとモントリオールではそこそこ期待が持てるペースを見せたリカルドだったが、シルバーストンでは下位に低迷し、原因を説明することができなかった。予選では、ノリスがウエットトラックで見事に6番手を獲得した一方、リカルドはQ2でチームメイトより2.5秒も遅く、14番手に終わった。
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決勝でも事態が好転することはなかった。リカルドはタイヤ交換のためのピットインが最後からふたり目だったためにトップ10に入ったが、ハードコンパウンドでスタートしたその後はDRSの問題もあり、再び順位争いに加わることはできなかった。予選終了の数時間後に行われた記者会見は、リカルドにとって居心地の悪いものだった。彼は、パフォーマンスが良くなかったことは認めたものの、その原因を説明できず、隣に座っていたチーム代表のアンドレアス・ザイドルは、その間まったく助け舟を出さなかった。
決勝レース終了後のリカルドは、さらに説明に窮したようだった。「グリップも、ペースも、何もなかった。タイヤコンパウンドがどう、ということじゃない。とにかくそこら中を滑りまくったし、DRSが機能しなくなってからは、セーフティカーが終わった後ですら、誰にもアタックをかけられなかった。マシンの何かがおかしいと感じた。なにかが壊れているとね。まったくいい感覚がなかった」
マクラーレンにおける一般的な受け止めは、さまざまな問題に直面したリカルドがモチベーションを失い、さらに期待するようなサポートを得られていないと感じたため、自分なりのやり方で物事を成し遂げようとすることをやめて、戦うことをあきらめてしまった、技術チームとの協働作業に頼らないで走っている、というものだ。グランプリのたびに彼の様子がおかしくなっていき、明らかにやる気を損ねているように見えるのはそのためだろう。彼は自分が置かれた状況に困惑している。
マクラーレンの経営幹部は、リカルドが2000万ドル(約27億2100万円)のサラリーのうちわずかな額を補償として払い、今年一杯での契約終了を申し出ることを期待しているように見える。しかし、チームには他に素晴らしい選択肢が存在していないのが実情だ。マクラーレン・レーシングCEOのザク・ブラウンは、インディカードライバーのコルトン・ハータとパト・オワードを強く支持してきたが、まったく新しい世界に投げこまれることは、どちらにとっても大きなリスクだと言える。
シャシー、パワーユニット、タイヤ、コース、スケジュール、ライバルたち、すべてが彼らにとって新しい体験なのだ。そしてヨーロッパのレースでは、ウイリアムズ移籍を目指すオスカー・ピアストリを除き、唯一妥当な選択肢は、アレックス・アルボンの1年間レンタル移籍をレッドブルに受け入れてもらうことだ。しかし、アルボンのウイリアムズ残留に満足しているヘルムート・マルコがこれを承諾する可能性は低い。
チームにもドライバーにも良い解決策が存在しないように見える状況下で、リカルドが2023年末まで契約を続けると考える人は、パドックにはほとんどいない。彼は契約を途中解除する気持ちになっているかもしれない。あるいは、少なくとも1年間休暇を取ってF1から離れるのか、最悪の場合、グランプリレースの最後4年間を期待外れの成績で過ごしたまま、早期の引退を決めるかもしれない。
(Grandprix.com/Translation: AKARAG)
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