【】ホンダF1田辺TD初日会見:「それなりにいい滑り出し」高速化された新レイアウトでは回生エネルギーの使い方が重要
12月11日
2021年F1第22戦アブダビGP初日フリー走行は、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン、セルジオ・ペレスが4、5番手、アルファタウリ・ホンダの角田裕毅が7番手、ピエール・ガスリー10番手という結果になった。
この日最速だったルイス・ハミルトン(メルセデス)とフェルスタッペンのタイム差が0.6秒以上あるのは気になるところだが、ホンダF1の田辺豊治テクニカルディレクターは「それなりにいい滑り出しだった」という評価だった。
また、一気に10秒以上ラップタイムの縮まった新コースレイアウトについても、「(事前シミュレーションと)ほぼ合っていた」とした一方で、よりパワーサーキットになったことで「回生エネルギーの使い方は、うまく考える必要がある」という認識を示している。
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──改修されたヤス・マリーナ・サーキット初走行の感触はいかがでしたか?
田辺豊治テクニカルディレクター(以下、田辺TD):高速化され、ラップタイムも10秒以上速くなりました。それに伴いエンジン全開時間も増えています。ただ、ラップタイムの伸びが大きいわりには、スロットル全開時間はびっくりするほどではなかったですね。予選、レースに向けては、エネルギーマネジメント関連を中心に最適化を進めていきます。
──まだ初日ですが、ホンダ勢4台は比較的いい位置につけたのでは?
田辺TD:そう思います。それなりにいい滑り出しでした。特にアルファタウリはこのところの好調を今回も維持している印象です。なかでも角田選手は、終始ガスリーを凌ぐタイムを出していましたね。
──事前のシミュレーションでも、このラップタイムはほぼ想定内でしたか?
田辺TD:大体合っていました。
──レッドブルは2台で空力セッティングをかなり変えていました。その部分はパワーユニット側を合わせるのに苦労しましたか?
田辺TD:いえ。そもそもふたりのドライバーの運転、スロットルやブレーキの踏み方が違いますので、特に大変だったということはないです。
──以前のコースレイアウトでは、セクター3の短い加速でエネルギー回生などが比較的容易だったかと思いますが、改修後はパワー区間になってしまいました。そこは難しい点ですか?
田辺TD:バランス的には(エネルギーを)使う方が大きくなっていることは確かです。その部分は使い方をうまく考える必要があります。
──距離あたりの燃費は昨年よりも楽になっているのでしょうか?
田辺TD:もともと、相対的に燃費に厳しいサーキットなので、楽になったといっても左うちわではない。そういったレベルです。むしろ、あまり変わっていないという方が正確かもしれません。
──前戦のサウジアラビアは特殊なサーキットで、新しくわかったことがあると以前言っていました。具体的にどんなことですか?
田辺TD:全開頻度の高いコースでのエネルギーマネジメントなど、その使い方です。
──回生エネルギーの使い方ですか。
田辺TD:(回生エネルギーを)取るのと出るのはバランスですし、取る場所は決まっていますので、むしろ使う場所ですね。それと予選で一発タイムを出すとき、レースで他車を追いかける、追いかけられる、そのときの使い方です。大きく括れば、その部分はどのサーキットも同じですが、サウジアラビアは経験したことのない高速サーキットだったので、その意味で特殊でした。
──サウジアラビアは今回のアブダビとはコース特性も大きく違いますが、新たに得た知見を活かせる部分はありますか?
田辺TD:はい。アブダビに限らず、毎回、改善のなかに取り込んでいます。
(取材・まとめ 柴田久仁夫)
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