
【】ホンダF1田辺TD予選後会見:「短時間で最適化作業をきちんと進められた」FP2では出力を落としてレースに向けた調整へ
7月17日
『スプリント予選』が導入された2021年F1第10戦イギリスGP初日、フリー走行ではマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が2番手以下に0.7秒以上の差をつける圧倒的な速さを見せた。しかし夕方からの予選では、地元ファンの大歓声を受けたルイス・ハミルトン(メルセデス)に0.172秒及ばず2番手にとどまった。
初代スピードキングの称号は獲得できなかったものの、ホンダF1の田辺豊治テクニカルディレクターは「パワーユニットに関してはトラブルもなく、短い時間のなかで最適化作業はきちんと進められた」と、自信を見せた。
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──初めて『スプリント予選』が導入されたイギリスGPの初日が終わりました。
田辺豊治テクニカルディレクター(以下、田辺TD):初日はフリー走行と、これまでと同じ形式の予選が行われたわけですが、レッドブル・ホンダは(マックス・)フェルスタッペンが2番手、(セルジオ・)ペレスは5番手という結果でした。ペレスは最後に4番手タイムを出していたのですが、トラックリミットで抹消されてしまった。アルファタウリ・ホンダの2台は、(ピエール・)ガスリー12番手、角田(裕毅)16番手と、これまでの予選一発の速さがちょっと鳴りを潜めた印象です。
──2日目以降は、車体もパワーユニットも大きく変更を加えることができません。
田辺TD:はい。その状態で、土曜日のスプリント予選、そして日曜日の決勝レースに臨むわけです。ただ土曜日のFP2に関しては、エンジンモード自体はステアリング上のスイッチをいじって変えられます。パワーユニットに関しては、初日に特にトラブルはありませんでした。FP1終了後の短い時間のなかで、最適化作業はきちんと進められたと思っています。2日目以降も、いろいろな課題に対処できるよう、やっていきたいです。
──フリー走行終盤に、フェルスタッペンが「最終セクターでパワーがない」と言っていました。それに対し担当エンジニアが「エンジンモードを変えてくれ」と言っていましたので、トラブルというより、フリー走行時の調整ということですか。
田辺TD:はい。その通りです。特に問題ではなく、セッティングを変えることで対応できるレベルのものでした。
──初日にパルクフェルメが始まることで、車体、パワーユニットともに大きく作業できなくなります。その状況で行われる2日目のFP2は、どういう位置付けのセッションなのでしょう?
田辺TD:エンジンパワーに関しては予選、レース同一モードなのですが、FP2はあくまで練習走行ですので、そこでいくつか違うモードを走らせることは可能です。
──初日のフリー走行、予選と、パワーユニットは限界に近い状態で使い続けていたと思います。さらに2日目のスプリント予選、日曜の決勝レースと控えています。その分FP2は、やや落とし気味に使うということでしょうか。
田辺TD:基本的にはいつものFP2と同じですが、いわゆる予選はすでに前日に終わっている。なので長短のレースに向けた調整、エネルギーマネージメント含めてですが、そういうことになると思います。使い方に関しては、質問されたように(出力は落とし気味に)なるでしょうね。
(取材・まとめ 柴田久仁夫)
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