2015.10.26
F速分析:ロズベルグ、逆風だった2度のSC
ロズベルグのペースはハミルトンよりも明らかに速く、順位が入れ替わるのも時間の問題と思われましたが、レースはさらに荒れ、ハミルトンにチャンスをもたらします。42周目にクビアトが最終コーナー手前でクラッシュし、この日4回目(VSC含む)のSCが出動。ハミルトンはこの隙にピットインしたことで、本来ならば6番手まで落ちてしまう可能性もあったところ、2番手でコースに復帰することができ、そして再びロズベルグに挑んでいきます。
とはいえ、ロズベルグの方が若干ペースは良く、47周目を終了した時点でふたりの差は1.6秒差となり、そのまま凌ぎ切るかと思われましたが、48周目に冒頭で述べたミスでハミルトンに首位を奪われ、その後ロズベルグは勢いを失ってベッテルにも迫られる状況。結果、ハミルトンが優勝、ロズベルグ2位、ベッテル3位で、ハミルトンが3回目の王座を決定したのです。
勝負を決した最大のシーンが、48周目のロズベルグのミスにあったのは間違いありません。しかし、大きなリードを築いた直後のセーフティカー出動など、ロズベルグにとっては逆風とも言えるレース展開でした。逆を言えば、ハミルトンにとってはいくつもかの幸運が舞い降りたレースだったとも言えるでしょう。もちろん、レースに“タラレバ”はありませんが。またベッテルは、13番手スタートながらしっかりと戦略を組み立て、成功させ、マシンを3位でゴールさせることに成功しました。最強マシンではありませんでしたが、その勝負強さを見せつけたレースだったと言えるでしょう。
さて次回のレースは今週末、23年ぶりのメキシコGPです。標高2000m以上という高地にあるサーキットで、エンジンには非常に厳しくなることが考えられます。さて、どんなレースになりますか。今季のチャンピオンは決まりましたが、見応えあるレースになることを期待したいものです。特に、レース後に非常に悔しそうな表情を見せたロズベルグの奮起を、見せて欲しいと思います。また、今回浮上の兆しを見せ、ダブル入賞寸前の所まで行ったマクラーレン・ホンダが、来季に向けてどんな戦いをするのかという点も、非常に興味深いところです。
(F1速報)
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