【】日本GP:かつてのセナとダブるアロンソの「GP2エンジン」発言

9月30日

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 シンガポールでは不調だったメルセデスが、やっぱり復活しましたね。あのクルマはダウンフォースが強くて空力重視。ヘアピンでルイス・ハミルトンがミスしたのを見ると、アンジェレーションに弱いのかな。ダニール・クビアトがクラッシュしたのは、110Rを大外から回って、ヘアピンの進入はアウトぎりぎりから入りたかったのでしょうね。僕らはF1とは違い110Rをナメて走り、ヘアピンは真ん中あたりからアプローチするのがセオリーです。

 F1マシンが鈴鹿を走ると国内カテゴリーとはまったく違うラインに驚きます。まずS字の2個目のラインが違います。僕らは3つ目を重視して走るので2個目は犠牲にしてアウトまではらまない。でもF1はぎりぎりまでいく。逆バンも違うけど、一番違うのはヘアピンですね。僕らが「雨ライン」と呼ぶアウト・アウト・アウトがF1のドライのセオリーです。

 意外だったのはバルテリ・ボッタスが予選3番手に入ったこと。ウイリアムズにとって苦手サーキットだと思っていたのに。逆にフェラーリはやっぱりダメだった。曲がらないんでしょうね。S字はつらそうでした。

 ハミルトンが鈴鹿でPP獲れないなのは、突っ込むドライビングの攻めの姿勢が裏目なのかもしれませんね。鈴鹿はリズミカルにいくコースなので。クビアトのクラッシュ赤旗が無ければ獲れた可能性はあるけど、彼はそういう運命なのかもしれませんね(笑)。

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 スタート直後の2コーナーは、ハミルトンは1車身は残すべきだろうとは思います。ゴール後、ニコ・ロズベルグは口を聞いてなかったし、ハミルトンに対してむかついていたでしょう。最近、ハミルトンがロズベルグをなめてかかっているような気がします……。

 フェルナンド・アロンソのシケインの走りには巧さが見えました。2個目をわざとゆっくり走ってマックス・フェルスタッペンを引きつけておいて、そこから加速。一瞬タイムラグを作ることで立ち上がりのタイミングを遅らせる。フェルスタッペンは追いつくけど抜くに至らない。最終的にはそのやり方に気付いて、対応したフェルスタッペンも見事でした。フェルスタッペンとカルロス・サインツJr.は将来はトップチームに行くと思うくらいいいドライバーです。

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 アロンソの「GP2エンジン」発言は、ドライバーの本心だと思います。かつてアイルトン・セナがメディアを使って、ホンダに奮起を促したことと僕はダブって見えました。

 テレビでは終盤は上位はほとんど映らず12番手争いばかりでしたが、僕はクルマの違いや心理戦も見ることができておもしろかったです。セルジオ・ペレスは明らかにストレート重視で、クビアトはコーナー重視。ポイント圏外なんだから無理して抑えなくてもいいのにと思いつつも、彼らはバトルを楽しんでいたのではないでしょうか。

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 ところで今回すごく残念だったのがフェラーリでのデモランが中止になったことです。日本GPの予選日は僕はもてぎでGTのテストだったんですが、「トラブルが」という連絡が入りまして。最初はクルマが壊れたかのと思ったら、「元F1ドライバーしか乗れない」というお知らせで。はあ〜、ヘルメットをはじめ装備関係も送っていたのに。ま、でもまた別の機会にチャンスは来るでしょ、ね? 鈴鹿サーキットさん!

(松田次生)