2022.11.11

【F速プレミアム】
タイトルだけでなく様々な事柄が決定した濃密な1カ月/スペイン人ライターのF1コラム


(c)XPB Images
 日本GPでマックス・フェルスタッペン(レッドブル)のタイトルが決定。残り2戦でいよいよシーズンも終了となる。しかし、すでに2023年に向けた動きも出ており各チームの動向に目が離せない状況だ。スペイン在住のフリーライター、アレックス・ガルシアが10月の出来事を振り返る。
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 10月は、7月と同様にグランプリの週末が4回あるので、非常に活動的な月だった。シーズンを通して22レースが行われるので、チャンピオンシップを11月に終わらせたければ、どこかしらレースを配置しなければならない!それにも関わらずF1はコース外でも忙しくしており、あらゆるニュースが現在や近い将来に影響を与えている。そしてマックス・フェルスタッペンが新たにドライバーズタイトルを、レッドブルがコンストラクターズタイトルを獲得してもいる。

 おそらく最も重要なのは、2026年からのザウバーとアウディの提携だろう。この話は公然の秘密だった。彼らは将来に向けてカルロス・サインツとミック・シューマッハーに関心を持っているかもしれないといううわさがあるが、2026年はまだ先の話だ。一方、FIAは最近になって、ポルシェがF1復帰を諦めていないことを明らかにした。そこでふたつの選択肢が生まれる。ひとつはウイリアムズを50%買収することであり、もうひとつはアンドレッティ・オートスポートとの参入を試みることだ。この2者のパートナーシップは2023年のフォーミュラEで目にすることになる。
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 ドライバーについても確認が取れた。アルピーヌとアルファタウリに関する状況全体が最終的に解決されたのだ。ピエール・ガスリーはアルピーヌへ移籍し、ニック・デ・フリースはアルファタウリへ加入する。誰もが満足する結果だが、例外はおそらく“気の毒な”コルトン・ハータだろう。ハータはF1入りできなかったが、それでもインディカーで2027年までの非常に有利な契約を締結した。

 なお、FIA F2のローガン・サージェントがF2選手権を5位でフィニッシュして、スーパーライセンスに十分なポイントを確保したら、ウイリアムズに加入し2023年シーズンのF1にアメリカ人ドライバーが誕生するかもしれない。彼はそのことを期待されているが、それが分かるのはアブダビに行ってからのことだ。

 その間にも、一連の予算制限の話が決着している。FIAはレッドブルとアストンマーティン双方と合意に達した。アストンマーティンのケースはより「手続き的」なものだったが、特にレッドブルの罰金はレギュレーションの軽微な違反にしてはかなり高額だった。いずれにせよ、レッドブルにとって最も影響があるのはマシン開発時間の短縮だ。コンストラクターズ選手権のチャンピオンチームは70%の開発時間を割り当てられるが、罰則により今後10カ月の間、レッドブルの開発時間が63%に削減されることになる。

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 そんななか、マックス・フェルスタッペンが日本で、レッドブルがアメリカで、それぞれ世界タイトルを獲得した。フェルスタッペンにとっては2年連続の王座だが、チームがコンストラクターズタイトルを獲得したのは2013年以来のことだ。興味深いことに、我々はホンダ製パワープラントを使用した、レッドブルパワートレインズへとブランド名を変えたエンジンがタイトルを獲得したところも目にしたことになる。これはマクラーレンとニキ・ラウダおよびアラン・プロストが使用して成功した、80年代のポルシェ製のTAGエンジン以来のこととなる。

 そうしたことすべてに加えて、最近のフェルスタッペンによる1シーズンあたりの最多勝利記録更新もあり、F1はやり残したことを大方片付けたように見える。少々期待外れだったメキシコGPの後、我々は常に楽しめるインテルラゴスへ向かう。そこではグリッド順を決定する、今年最後のスプリントレースが行われる。そうしてアブダビでの最終戦を迎える。特にタイトルが確定したことで、誰もがリスクを冒すことをいとわなくなることを考えると、レースが面白いものになる可能性は十分にある。

 個人的に言いたいのは、アレックス・パロウがオースティンでマクラーレンのマシンをドライブするところを見て、私がどれだけうれしかったかということだ。それが“ただの”フリー走行1回目でもだ。パロウがインディカーに参戦する前の、ヨーロッパでのユーロフォーミュラ・オープン時代から、その後の日本での全日本F3選手権とスーパーフォーミュラまで、綿密に彼を追いかけてきた私にとっては、非常に特別な瞬間だった。なお、このことには興味深い意味合いがある。パロウは今年のレースウイークでチームのために走行を行った最初のルーキーだったので、彼はマクラーレンの将来の見込みリストのかなり上の方にいるようなのだ……。

 どちらにしても、このことは後に証明されるだろう。極端にペースの速いF1の世界では、誰もが最高の結果を出すことに集中する必要がある。将来のことはいつでもすべての人々の心のなかにある。チーム、ドライバー、スポンサーは常に2歩先を見ている。そしてメディアはすべてのニュースに追いついていくが、舞台裏でいくつかの秘密ごとが起きていることは間違いない。だから、パドックで人々の話を聞くのはいつも楽しいのだ。真実ではなく、根拠のないうわさはたくさんある。だが時には興味深い真実がある。たとえば、2023年シーズンに唯一残っているハースのシートについて、私はいくつかのことを聞いた。これからの数週間は間違いなく面白くなるだろう。

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 そしてニュースと言えば、フェルナンド・アロンソがアストンマーティンのマシンをオフシーズンテストでドライブするのを許可される見込みであることは、非常に興味深い。そこでアロンソは、ピレリのテストに割り当てられたマシンをドライブするという。アロンソにとっても、彼の新しいチームにとっても、“何もない”日の走行を役立てるにはいいチャンスだ。しかしその前に今シーズン最後の2レースがある。誰かがマックス・フェルスタッペンを打ち負かすか、それともフェルスタッペンが16勝目を挙げるか。2023年はあと2カ月もしないうちに来ると、人は言うだろう。代わりに私は言おう。ある意味では、すでに次のシーズンが来ていると!

(Alex Garcia Translation: AKARAG)

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