2022.11.11

【F速プレミアム】
王者フェルスタッペンの戦い:シーズン最多勝樹立も「まだ終わりじゃない。あと2レースあるからね」とニヤリ


(c)XPB Images
 F1第19戦アメリカGPと第20戦メキシコGPの2連戦で優勝を飾ったマックス・フェルスタッペン(レッドブル)。14勝をあげたことで年間最多勝記録も樹立、そして残り2レースでも記録の更新をする可能性が高いだろう。スイス在住のF1ジャーナリスト、マチアス・ブルナーが2連戦を振り返る。
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 北米での二連戦は、テキサス州オースティン郊外のサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)と、メキシコシティの偉大なるアウトドローモ・エルマノス・ロドリゲスで開かれた。これに臨むマックス・フェルスタッペンの心構えはシンプルだった。「2度目のタイトル獲得を決めた後は、もう純粋にレースを楽しみたい」

 しかし、テキサスでのレースは、心から楽しめるものにはならなかった。ミスター・レッドブルことディーター・マテシッツの訃報に接し、重苦しく沈んだ気持ちでドライブしなければならなかったからだ。「僕たち全員にとって、とても難しい週末だった」とマックスは言う。
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「何としてもルイスに追いついて、アメリカGPを勝って終えようと思っていた。ディディのためにね。今回は、彼が誇りに思ってくれるようなレースをすることにすごく大きな意味があったし、実際にそんなレースができて心から満足している」

 フェルスタッペンは、明確なビジョンを持ったオーストリア出身の起業家マテシッツについて、こう語っている。「とても単純な話だ。ディディ・マテシッツがいなければ、僕が2度もワールドチャンピオンになることはなかった。それは間違いないよ。彼は素晴らしい人物で、リスクを取ることをいとわなかった。僕との契約にしても、当時はリスクのあることだった」

 COTAで今季13勝目をあげたマックスは、シーズン最多勝のF1新記録樹立へ、あと3回のチャンスを得ることになった。「優勝はいつだってうれしいものだ。だけど、統計をチェックして、いま自分が何位かを調べるなんてことはしていない。記録は動機づけにならないんだ。そもそも過去の記録との比較に意味があるとは思えない。最近はレース数が昔よりずっと多いのだから、そうした記録が破られるのは当然のことだ」

 フェルスタッペンはメキシコでも好調を維持した。そして、僅差の争いの末に同地では初のポールポジションを獲得したが、その相手はフェラーリ勢ではなく、メルセデスのジョージ・ラッセルとルイス・ハミルトンだった。予選後にマックスは語っている。「このサーキットは、すごく奇妙なコンディションになることがある。レーシングラインを外すと、いきなり氷の上を走っているかのようになるんだ」

 実際、彼はプラクティスで、めずらしくスピンを喫していた。レッドブル・レーシングのボス、クリスチャン・ホーナーは言う。「内輪でちょっとした記録をつけているんだ。それによるとマックスは、クラッシュは言うまでもなく、コースオフやスピンといったミスが他の誰よりも少ない。このきわめて高いレベルでの一貫性こそ、彼が2度目のワールドチャンピオンになれた理由のひとつだと思う」

 日本でタイトル獲得を決めた直後に、フェルスタッペンはレーシングドライバーであることについて話し、その中で「結局のところ、僕らも人間であってロボットではないんだ」と述べている。そして、メキシコで彼は自身が人間であることを証明した。レポーターのテッド・クラビッツの侮辱的なコメントを受けて、スカイTVのクルーをボイコットしたのだ。

 問題の発端となったクラビッツの発言は、「ルイス・ハミルトンは2021年のタイトルを強奪された。本来ならフェルスタッペンはタイトルを勝ち取れなかったはず」というものだった。マックスはついに我慢しきれなくなり、スカイTVと話すことを拒否したのである。「許容するにも限度というものがある。もうたくさんだ」

 メキシコGPで、フェルスタッペンはシーズン14勝目(F1新記録)をあげた。もはや言うまでもなく、シーズンの獲得ポイント416点も新記録だ。マックスはニヤリと笑いながら言った。「でも、まだ終わりじゃない。あと2レースあるからね」

(Mathias Brunner/Translation:Kenji Mizugaki)

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