2022.12.09

【F速プレミアム】
2022年のレギュレーション変更でも“新しい変化”には至らず/スペイン人ライターのF1コラム


(c)XPB Images
 2022年の新レギュレーション変更でF1は変化を見せたのだろうか。良かった点、変化がなかった点などスペイン在住のフリーライター、アレックス・ガルシアがシーズンを振り返る。
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 2022年のF1シーズンが終了した。なんというシーズンだったろう!モータースポーツの世界で最高のシリーズが、またしてもコース内外で信じられないようなショーを見せたことは否定できない。しかし私は自分自身に問いかけ続けている。これは本当に、先日終了したシーズンに約束されていた“新しい”F1なのだろうか?私はこの9カ月のことを好意的に見ているが、それでも答えはおそらく大きな「ノー」だ。

 より多くのオーバーテイク、序列の変動、小規模チームによる驚きの結果が出る傾向が高まること。2022年にはこうしたことが起きると我々は聞いていた。それでも私は考えてほしいと思う。2020年は、合計13人のドライバーがトップ3の結果を出しており、それにはレーシングポイントとアルファタウリによる優勝も含まれる。2021年は、トップ3の結果を出したドライバーは12人(ベルギーGPでのジョージ・ラッセルの2位を入れれば13人だ)で、マクラーレンとアルピーヌによる優勝が含まれている。だが2022年を評価してみると、表彰台に上がったドライバーは7人で、優勝を飾ったのはレッドブル、フェラーリ、メルセデスだった。
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 誤解しないでほしい。F1はたとえ数チームだけがシリーズを支配していても、非常にエキサイティングになり得ると私は思っている。2007年と2008年がいい例だが、これはすでに何年も前のことだ。そういう意味では、2022年シーズンの前半は大変面白かった。フェラーリが上位争いに戻り、強さを見せた。タイトルホルダーのマックス・フェルスタッペンにシャルル・ルクレールが挑むというフェアなライバル関係から、物事は順調に見えた。だが(ショーにとっては)残念なことに、シーズンが進むにつれて戦いにほころびが出てきた。

 2022年のマシンを苦しめたポーパシング現象に対処するために、物議を醸すような変更が加えられたことも含め、我々はその理由を知ることができたが、結局のところ重要なのは、今年さらに面白いF1を必ずしも見たわけではないということだ。もし昨年のレースが気に入らなかったら、おそらく今年のレースも気に入らなかっただろう。もし昨年のレースが気に入っていたら、今回もまた楽しんだことだろう。

 しかしながら成し遂げられたことがひとつある。それはグリッドの上から下までの差が小さくなったことだ。一番速いマシンと一番遅いマシンのラップタイムの差が小さくなるにつれて、一部のドライバーには予選でパフォーマンスを見せつけるチャンスができる。おそらくそのために、F1は予選スプリントレースを推進しようとしているのだろう。来シーズンには6レースが開催される予定だ。ブラジルで見たような状況(雨に助けられたものではあるが)が、リバティ・メディアが求めているものだ。ケビン・マグヌッセンのようなドライバーが普段よりも上のポジションにつけ、しばらくの間トップのドライバーたちと戦うのにベストを尽くした。

 私はF1を批判するためにこのようなことを言っているように見えるかもしれないが、そんなことはない。私はこのシーズンが大好きだし、楽しめることが多くあった。コース上ではもちろんのこと、コース外のこともだ。今年のシリーシーズンは興味をそそられた。

(c)XPB Images

 フェルナンド・アロンソがアストンマーティンに入り、オスカー・ピアストリのような新たな期待のルーキードライバーがマクラーレンに入るという展開に、私は2023年に向けて興奮している。また、ピエール・ガスリーがF1において初めて、レッドブル以外の新しい環境でいかにうまくやっていくかということも楽しみだ。そして角田裕毅は3年目に何をしてくれるだろうか?私は待ちきれない!

(c)XPB Images

 スポーツの面を厳密に見ると、レッドブルが成し遂げた素晴らしいシーズンを称賛せずにはいられない。レッドブルは同社の共同創設者ディートリッヒ・マテシッツの死を経験したが、17勝をあげてシーズンを支配した。そのうち15勝は2度の世界チャンピオンであるフェルスタッペンによるものだ。フェルスタッペンはまた、1シーズンあたりの最多勝利数の記録も保持している。シーズン序盤の4、5レース後にはほとんど誰も期待していなかったことだ!だがこれはチームが成し遂げた信じられないほどの仕事の証であり、ホンダを呼び戻すには十分なものだった。これは素晴らしいニュースだ。

 残念ながらもし2022年シーズンが見通しよりも少々興奮に欠けるものだったとしたら、それはフェラーリとメルセデスによる挑戦が欠けていたからだろう。幸いなことに、両チームにはある程度素晴らしい時期もあった。フェラーリは強力なスタートを切ったし、メルセデスは復調し、ジョージ・ラッセルは彼にふさわしい初優勝を飾った。どちらの場合も、うわさは2023年シーズンに優れたマシンが登場することを指摘しているようだ。レッドブルが予算制限に違反したことで開発時間を削減されるので、エキサイティングな年になる可能性がある。

 トップ3以外では、このシーズンには興味深い展開が見られた。マクラーレンとアルピーヌは4位をめぐる素晴らしい戦いを見せた。来年も優れたマシンを用意できれば、彼らは驚きの結果を生み出す有力候補となるだろう。マクラーレンはダニエル・リカルドのスピード不足に苦しめられ、アルピーヌは信頼性の問題があったが最終的に4位を獲得した。多くのポイントを失ったことで、フェルナンド・アロンソはますます苛立たされた。「常に14番のマシンだ」と彼はシーズンの終わりに語った。この状況はマクラーレン・ホンダ時代を私に思い出させた。

(c)XPB Images

 グリッドの下半分のチームでは、アルファロメオが驚くべき好スタートを切り、アストンマーティンは完全に負けているように見えた。最終的に彼らの運命は入れ替わり、シーズンを同点で終了したが、アストンマーティンはベストリザルトでアルファロメオに負けていたため、下の順位になった。グリッド後方では、驚くほど競争力に欠けたアルファタウリの前で、ハースにとってはポジティブなシーズンになった。ウイリアムズもまずまずで、アレックス・アルボンが光り輝く時もあった。

 さて、よく言われるように、2023年シーズンはすでに始まっている。アブダビでは数人のドライバーが新チームでテストを行うことができたので、彼らは皆、何が期待できるのかより深く理解して冬を迎える。もちろん、彼らに何ができるか最初の感触を得るためには、新車と最初のテストを待たなければならない。そして、私は自分がプレシーズンテスト中に推測することをやめられないのは分かっているが、ここで言っておこう。1年の最初のレースまで、誰のことも信用しない!

(Alex Garcia Translation: AKARAG)

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