2023.03.16

【F速プレミアム】
王者フェルスタッペンの戦い:バーレーンで初勝利もテストとは全く違うマシンバランスに戸惑い


(c)XPB Images
 第1戦バーレーンGPで快勝したマックス・フェルスタッペン、しかし初日は思うような走りができず自信がもてなかったという。いったい何があったのだろうか。スイス在住のF1ジャーナリスト、マチアス・ブルナーがフェルスタッペンの週末を振り返る。

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 状況はあっという間に変わりうる。これはモーターレーシングの世界で昔からある金言のひとつであり、2023年のいまもなお有効だ。F1世界王者のマックス・フェルスタッペンとレッドブル・レーシングは、プレシーズンテストで堂々たるパフォーマンスを示した。彼らにまったく死角はないように見え、結局ソフトタイヤを一度も使わなかったほどだ。チームメンバーたちのボディランゲージも、「私たちの優位は揺るがない」と語っていた。

「ところが、グランプリの週末を迎えて、あまりのことにショックを受けた」と、フェルスタッペンは語っている。「テスト中にはすごく良かったバランスが、どういうわけかすっかり変わってしまっていた。まるで別のクルマに乗っているみたいでね。信じられなかったよ」
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「セットアップの作業を最初からやり直さなければならず、グランプリの週末にはめったにやらないことだけど、クルマのいろいろな部分に手を入れた。それもテストの時のフィーリングを取り戻すためだ。2回目のプラクティスでは、少し良くなったものの大きな違いはなかった。ある実験をしたのだが、あまり効果がなかったんだ。結果として、速く走るために必要な自信を築くことができなかった」

 レッドブルのモータースポーツコンサルタント、ヘルムート・マルコはこう付け加えた。「ただ途方に暮れるばかりだった。わずか数日の間にどうしてここまでクルマが変わってしまうのか、理解できなくてね。路面温度に関連する何かがあったのかもしれないが、とにかく徹底的に分析しないといけない。こういうことが二度と起きてはならない」

 それでもマックスは何とか持ち直し、チームメイトのセルジオ・ペレスとの争いを制してバーレーンでは2021年以来2度目、F1通算では21回目のポールポジションを獲得した。だが、シーズンの幕開けとなるレースに向けて、決して自信満々というわけではなかった。「テストでは確かにロングランのペースは良かった。けれども、僕が大いに心配していたのは、本番のグランプリでそれが再現できるかどうかだった」

 幸いなことにそれは杞憂に終わり、彼はバーレーン・インターナショナル・サーキットでの初勝利をあげた。マックスがF1で優勝を飾った場所として、バーレーンがリストの22番目に加わったのである。

 こうして、フェルスタッペンは2023年のバーレーンで、105日前にアブダビで立ったのと同じ場所、すなわちポディウムの頂点に立った。通算36勝目を記録した彼は、レース後にこう語っている。「スタートは文句なしだった。序盤のうちに十分なリードを築いて、その後はレースをコントロールできたのが決定的だったね。ただ、今回は楽な週末ではなかったことを忘れてはいけないと思う。ものすごく速いクルマを手にしたとはいえ、まだ宿題もあるということだ」

「ジェッダのコースに出る時には、また全然違った状況になっているんじゃないかな。超高速のストリートコースというだけではなく、路面の舗装もまったく別物で、バーレーンよりもタイヤへの攻撃性がはるかに低い。だから、ライバルたちとの間に、それほど大きな差はつけられないと思う。バーレーンでは、タイヤをうまく使えるというこのクルマの長所が生かされたけど、そのアドバンテージもジェッダではずっと小さくなるはずだ」

 そして、マルコも初戦での勝利に気を緩めてはいない。「シャルル・ルクレールのリタイアという、ライバルからの思わぬ贈り物もあった。もしフェラーリが激しく迫ってきて、こちらも限界までのプッシュを強いられていたら、こういう結果にはならなかったかもしれない」

(Mathias Brunner/Translation:Kenji Mizugaki)

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