2023.04.10
【F速プレミアム】
長い雌伏の時を経てアロンソに訪れた第2の青春/スペイン人ライターのF1コラム
(c)XPB Images
開幕3戦で表彰台を獲得し続けているフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)。スペインでも今年のアロンソが優勝できるか期待が高まってるようだ。スペイン在住のフリーライター、アレックス・ガルシアがアロンソの現在を語る。
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とうとうF1での100回目の表彰台獲得という驚異的な節目を迎え、トップ3でレースをフィニッシュした19番目に年長のドライバーになったフェルナンド・アロンソは、2023年シーズンに公式な歴史を作っている。これまでのところ非常に競争力があるアストンマーティンのマシンによって、予想外の第二の青春を迎えているのだ。それはアロンソが、彼にとってF1で最後となるはずのチームと契約を交わした時に夢見たことのすべてだ。フェラーリが1年のスタートに苦戦していることは否定できないが、レッドブルは別として、アロンソがベストパフォーマーでいるところを目にするのは、新鮮で印象的だ。
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F1の歴史とその統計を愛する人間の視点から見ると、現在のアロンソの状況は本当に興味をそそられる。彼はミハエル・シューマッハー以来表彰台に立った最年長のドライバーであり、1950年代のインディ500のドライバーを数に入れなければ、年齢的には16番目のドライバーだ。41歳以降に表彰台を獲得したドライバーのリストをざっと眺めると、アロンソは素晴らしいドライバーの仲間入りをしたことがわかる。いくつか名前を挙げると、マリオ・アンドレッティとジャック・ラフィットは42歳(アロンソが来年表彰台を獲得すれば彼らを抜くことになる)、ミハエル・シューマッハーは43歳、ジャック・ブラバムは44歳、ファン・マヌエル・ファンジオは46歳だった。
(c)XPB Images
もちろん私はアロンソが46歳になっても競争力があるとはまだ予想できない。しかし、特にアストンマーティンが開発ペースを維持し、引き続き2度の世界チャンピオンであるアロンソに競争力のあるマシンを提供できれば、彼が1、2シーズン中にトップに立つことは間違いなく不可能ではない。もうひとつの面白い統計は、アロンソが前回優勝したレースは、ほぼ10年前の2013年スペインGPだということだ。彼は優勝するかもしれない67番目に年長の現役ドライバーだ……そして今年彼が優勝を飾ったら、7番目に急上昇する! 古くからのファンの参考として、ナイジェル・マンセルによる1994年オーストラリアGPでの最後の勝利が思い出される。アロンソはそれを抜くことになるのだ。そしてもし来年アロンソが優勝すれば、彼はトップ5入りするチャンスがあるかもしれない……。
しかしさらに信じられないことかもしれないが、アロンソが今年優勝したら、F1の世界におけるある独特な記録の保持者になるだろう。それは前回の優勝からかかった時間の長さ(そしてレース数の多さ)だ。言い換えれば、アロンソは前回の勝利から次の勝利を飾るためにどれだけの年数待たなければならなかったかという点でナンバー1ドライバーになるということだ。現在の記録はイタリア人のリカルド・パトレーゼが保持している。彼は2回目の優勝から3回目の優勝まで6年6カ月かかったのだ。これは、レーシングドライバーが長期にわたって優勝できないまま、そのスポーツを離れることなく競争力を保つことが非常に珍しいためだ。
優勝といえば、現在スペインで数字の「33」が伝説的な扱いをされていることをご存知だろうか? いや、突然スペインがマックス・フェルスタッペンのファンになったわけではない。何が起きているかというと、アロンソは現在F1で32勝を挙げているため、冬の間に「アロンソが33勝目を挙げたらどうなるか」と、ソーシャルメディアで33という数字に皆が夢中になったのだ。すべてはジョークとして始まったことで、すぐにファンたちは、アロンソのキャリアは33という数字とほとんど関連がないことを知った。そして突然、まるでハリウッドのミステリー映画のように、あらゆるものがその数を指していた。あたかもそれが運命であるかのように。
ジョークの話題の広がりは次第に大きくなり、アロンソ自身もそのことに触れたし、テレビでスペインの解説者が頻繁に言及し、他のスポーツにも登場した。テニスが好きなら、スペインのスポーツスターであるカルロス・アルカラスのことを知っているかもしれない。若きエースはつい最近、カメラのレンズに33とサインした。彼は尋ねられると、大のF1ファンであることを告白した。アルカラスも彼のアイドルが33回目の優勝を果たすことを楽しみにしているのだ! このように、この奇妙な事はスペインでは実話になってきている。
しかし純粋なデータ、メディア、ファンの関心を超えたところで、アストンマーティンとアロンソが今シーズンこれまでのところ最高のストーリーとなっていることは否定できない。通常ならある年から翌年にかけて劇的な変化を遂げることは難しいが、アストンマーティンは状況を好転させることができた。そしてハングリーなドライバーとともに、コンストラクターズ選手権を2位でフィニッシュする可能性を見出すことができる状況にある。もちろん彼らはシーズン中に高いレベルを維持する必要があるし、セカンドドライバーは常にポイントを獲得しなければならない。だが正直なところ、ランス・ストロールはこれまでのところ良い仕事をしている。
アロンソが特別な才能の持ち主であることは、私たちの誰もが知っていることだと同意できると思う。そして誰もが言うように、競争力のあるマシンを与えれば、彼はトップに立つだろう。最も楽観的なファンでさえ、アストンマーティンが1年で信じられないほどのパフォーマンスの飛躍を遂げると想像することは難しかっただろう。もう一度私は言うことができる。ありがとう、F1。F1は私を驚かせることができた。これから何年にもわたってF1が私を驚かせ続けてくれることを願っている!
(c)XPB Images
(Alex Garcia/Translation: AKARAG)
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