ニューウェイは2戦欠席。アストンマーティン&ホンダは体制に満足も、組織面の不安定さが見えた鈴鹿【代表のコメント裏事情】
2026年F1第2戦中国GPに続いて、3戦目の日本GPにもアストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チームのエイドリアン・ニューウェイ代表の姿がなかった。3月20日にアウディ・レボリュートF1チームがジョナサン・ウィートリー代表の電撃退団を発表したため、直後に開かれた日本GPでは、アストンマーティン関係者にチーム代表交代に関する質問が相次いだ。
最初の質問は日本GP前日の木曜日。アストンマーティンのホスピタリティハウスで行われた定例会見で、マイク・クラック(チーフ・トラックサイド・オフィサー)に「ウィートリー代表の電撃退団直後に、アストンマーティンは声明を出して噂を否定しましたが、現状について何か新しい情報があれば、お話しください」という質問が飛んだ。

「ええと、私たちはいま、日本に来ており、パートナーのホームレースに集中しています。これからやるべきことが山積みで……。ですから、ええと、これはここで答えるべき質問ではないと思います」
クラックは静かに、そう答えた。
アストンマーティンのアンバサダーを務めるペドロ・デ・ラ・ロサに対しては、イギリスのテレビ局『Sky F1』が同様の質問を行った。これに対し、デ・ラ・ロサは次のように答えている。
「我々は今の体制に満足している。チームの組織のあり方にも、そしてエイドリアンがチーム代表であることにも満足している」
ただし、将来的にウィートリーがアストンマーティンに加入することに関しては、「少なくとも当面はない」と、完全に否定はしなかった。
そして、金曜日の国際自動車連盟(FIA)の公式会見では、ホンダ・レーシング(HRC)の渡辺康治社長へ、外国人記者からこんな質問が飛んだ。
「ワタナベさんへの質問です。オーストラリアで、エイドリアン・ニューウェイが少し意外な発言をいくつかしました。ただ、ホンダがこのパートナーシップに対して当初から非常にオープンであったため、それは後日ニューウェイの誤解であったことが確認されています。現在、ニューウェイはマネージング・テクニカル・パートナーという本来の役割に戻りましたが、中核的な問題を解決するために、ホンダはニューウェイとの関係において、より緊密になることを期待していますか?」
ニューウェイがチーム代表からマネージング・テクニカル・パートナーに戻ったという発表はないことを考えれば、これは正しい事実関係に基づいた質問ではない。しかし、この記者が故意に行ったかはわからないが、記者は時として、自分の望む答えを相手に暗示し、その答えを引き出す誘導尋問的な質問を行うケースがある。
しかし、渡辺社長は冷静に英語でこう答えた。

「申し訳ありませんが、組織変更については存じ上げません。エドリアンは依然としてチームの代表だと存じています。アストンマーティン・アラムコとホンダの関係は非常に良好です。実際の開発チーム間、たとえばホンダ側では角田哲史がパワーユニットのプロジェクトリーダーを務め、アストンマーティン側のエンリコ(・カルディレ/チーフテクニカルオフィサー)とも緊密に連携しています。また、私と(ローレンス・)ストロール氏、そして私とエイドリアン・ニューウェイとの関係も非常に良好ですので、その点については心配していません」
噂によれば、アウディを電撃退団したウィートリーは現在、ガーデニング休暇中で、夏休み明けにアストンマーティンに加入すると言われている。それまでの間、チーム代表はニューウェイのままとなるわけだが、中国GPに続いて日本GPもニューウェイは欠席。今後もチーム代表が現場に赴かない場合、夏休みまでだれが現場で指揮を執るのか。
リーダー不在となった鈴鹿ではオーナーのストロールや現場監督のクラックがいつも以上に忙しそうに見えた。技術的な問題だけなく、組織面でもアストンマーティンは開幕早々、窮地に立たされている。
