2025.11.09

【予選日レポート】
【F1サンパウロGP予選の要点】9点差に広がる。またも明暗分かれたノリスとピアストリ


2025年F1第21戦サンパウロGP オスカー・ピアストリ(マクラーレン)
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 サンパウロGP予選は、ドライバーズ選手権で首位を奪い返したばかりの(マクラーレン)がポールポジションを獲得。一方で選手権2位のオスカー・ピアストリ(マクラーレン)は4番手に終わった。

 ピアストリはその数時間前に行われたスプリントでは、6周目に単独スピンからクラッシュを喫した。ノリスがポール・トゥ・ウィンで8点を獲得したのに対し、ピアストリは痛恨のノーポイント。これでふたりのポイント差は9点まで広がった。ピアストリに何が起きているのか。

 スプリントでのスピンは、首位を走るノリスが縁石に乗って上げた水しぶきで突然路面グリップが低下し、足を取られた可能性が高い。その意味では、不幸なアクシデントだった。ピアストリは気持ちを切り替えて、予選に臨んだことだろう。しかしここでもノリスに、パフォーマンス差を見せつけられることになった。

 Q1はトップタイムのノリスから、0.272秒落ちの4番手となったピアストリは、中団勢のピエール・ガスリー(アルピーヌ)、オリバー・ベアマン(ハース)にも遅れを取った。Q2も同様で、トップのノリスから0.219秒落ちの5番手。Q3では最初のアタックこそトップに立ったものの、最後のアタックは自己ベストを0.009秒しか縮められず、ポールシッターのノリスに0.375秒差の4番手が精一杯だった。

2025年F1第21戦サンパウロGP スプリントでスピンからクラッシュを喫したオスカー・ピアストリ(マクラーレン)

 振り返れば、ピアストリの失速は第17戦アゼルバイジャンGPのリタイアから始まった。スタートでの大きな出遅れを挽回しようと焦った末の単独クラッシュ。その後のシンガポールGPは4位、アメリカGPは5位、メキシコシティGPは5位という結果で、4戦連続表彰台に上がれていない。

 それ以上に深刻なのが予選での不振で、アゼルバイジャンGPでの9番手以降、フロントロウを取れない状態が続く。ノリスが直近3戦でポールポジション2回を含む3回のフロントロウを獲得しているのを見ても、純粋なマシン戦闘力の問題ではなさそうだ。

2025年F1第21戦サンパウロGP ランド・ノリス(マクラーレン)

 ピアストリは前戦メキシコシティGPで選手権首位から陥落したわけだが、そこでのインタビューでは「追う立場の方が失うものは少ないし、リスクを取りやすい」と語っていた。

 ただ続けて「でもそれで失敗したら。さらに差が広がってしまう」とも話していた。今回のスプリントでのクラッシュは、ことさらリスクを冒したものには見えない。とはいえそれが与えた影響は、決して小さくない。

 一方、ノリスにしてみれば、もうひとりのライバル、シーズン終盤になって猛烈に追い上げてきたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)がスプリントで4位に終わり、さらに予選Q1敗退で16番手に終わったことは、かなり大きな朗報だ。

 とはいえ、フェルスタッペンは去年のサンパウロGPで17番グリッドから優勝しているだけに、もちろんまだ油断はできない。だが今のノリスには、間違いなく勢いがある。去年のような波乱の展開がなければ、ノリスの初戴冠はグッと近づくことになりそうだ。

2025年F1第21戦サンパウロGP ランド・ノリス(マクラーレン)


(Text:Kunio Shibata)

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