2023.06.29

【F速プレミアム】
王者フェルスタッペンの戦い:記念すべき勝利となっても地に足をつけたまま「僕自身のプランは何も変わらない」


XPB Images
 F1第9戦カナダGPで勝利し、アイルトン・セナと並ぶ通算41勝目となったマックス・フェルスタッペン(レッドブル)。すでに全勝の可能性まで言われているがフェルスタッペンは落ち着いたままだ。スイス在住のF1ジャーナリスト、マチアス・ブルナーがレースの週末を振り返る。
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 F1世界王者のマックス・フェルスタッペンは、そのタイトル防衛への道程において、次々とマイルストーンを打ち立てている。カナダでは2023年シーズンの8戦目にして6勝目をあげ、通算優勝回数を41勝とした。これによりマックスは、勝利数で偉大なアイルトン・セナと肩を並べたことになり、またこの優勝はレッドブル・レーシングとしての通算100勝目でもあった!

 さらに言えば、レッドブルは今季ここまでの8戦で全勝しているばかりでなく、昨年のアブダビGPから数えると9連勝中で、過去19戦のグランプリで18勝をあげている。

 フェルスタッペンにとって、カナダでの週末は完璧と言ってもよかった。土曜には難しいコンディションのなかで25回目のポールポジションを獲得し、レースではスタートからフィニッシュまで一度も首位の座を譲らなかったのだ。
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 マックスは言う。「ある意味、夢のようだね。F1に上がってきたとき、最大の目標は世界選手権を勝ち取ることだった。そして、2021年にそれを達成したあと、僕は自分自身にこう言った。これから先は、すべてボーナスみたいなものだってね」

 モントリオールの旧万博会場、ジャン・ドラポー公園でのレースは、実際には楽勝というわけではなかった。「タイヤに関しては、かなり苦労させられた。なかなか機能するところまで温度を上げられず、その温度を維持するのも難しかった」

「だから、スライドがひどくて大変だったよ。それだけではない。高い縁石に乗りあげて、ウォールに突っ込みそうになり、ヒヤリとした瞬間もあったんだ」

 今年はこのままレッドブルが全勝する可能性まで取り沙汰され始めるなかで、マックスはしっかりと地に足を着けている。「僕自身のプランは何も変わらない。つまりごくシンプルに、ひとつひとつのレースで最善の成績をあげることで、結果としてそれが優勝であれば理想的だ。だけど、この世界では躓きの原因になりうるものが数多くある。この連勝がいつまでも続くと考えるのは、愚かなことだろうね」

 レッドブルのモータースポーツコンサルタント、ヘルムート・マルコの意見も同じだ。「ライバルたちとの差は、わずかながらも縮んでいるように見える。もっとも、言わせてもらうなら、ジル・ビルヌーブ・サーキットのレイアウトは、私たちのクルマにはあまり向いていなかった。コーナーと呼べるような場所が4つしかなく、タイヤの温度を上げるのに苦労していたんだ」

「それゆえに決して楽なレースではなかったし、もしフェラーリの2台が上位にいれば、私たちは苦戦を強いられたかもしれない。マックスが縁石に乗りすぎて危うい場面もあったし、クルマに衝突した鳥が、リアブレーキダクトのすぐ近くに引っかかったりもした」

 そして、マルコは言う。「だが、この結果は本当にうれしいものだ。2005年にこのプロジェクトを立ち上げた当時は、いつか100勝に到達するなんて想像もしなかった。ひとつだけ残念に思うのは、ディーター・マテシッツがこの記念すべき勝利を見られなかったことだ」

 また、チームボスのクリスチャン・ホーナーは、こう語っている。「マックスのドライビングは一段とレベルアップして、ほとんどミスをしなくなった。チーム全体としても文句なしの仕事をしている。この通算100勝目は、ファクトリーの全員が誇りに思っていいものだ」

 今後、このチームで達成したいことは何かと質問されたフェルスタッペンは、微笑みながらこう答えた。「そうだね、こうして100勝を達成できたから、次に狙うのは200勝かな!」

(c)XPB Images

(Mathias Brunner/Translation:Kenji Mizugaki)

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