2023.10.20

【F速プレミアム】
王者フェルスタッペンの戦い:3度目のタイトルを獲得してもハングリーさは失われず


(c)XPB Images
 使命は果たされた。マックス・フェルスタッペンは、26歳にして3度目のF1ワールドチャンピオンに輝いた。このスポーツの歴史上、選手権の獲得回数でこれを上回るドライバーは5人しかいない。ミハエル・シューマッハーとルイス・ハミルトン(7回)、ファン・マヌエル・ファンジオ(5回)、そしてアラン・プロストとセバスチャン・ベッテル(4回)だ。

 また、スプリントでタイトル獲得を決めたのは、フェルスタッペンが史上初めてだ。ロサイル・インターナショナル・サーキットで土曜日に行われたレースを、彼はマクラーレンのオスカー・ピアストリに次ぐ2位でフィニッシュし、選手権の防衛に十分なポイントを手にしたのである。
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 2021年のアブダビから2023年のカタールまで、マックスが3度のタイトルを勝ち取るのに要した日数はわずか664日で、これもレッドブル・レーシングのエースが保持する数多くの記録のひとつになった。そして、ロサイルでは単一シーズンのリードラップも769周に伸ばして、F1での最多記録を更新した。これまでの記録はセバスチャン・ベッテルが2011年に打ち立てた739周だった。

 レッドブルのモータースポーツコンサルタント、ヘルムート・マルコも、フェルスタッペンのドライビングにはただ驚くばかりだった。

「彼は終始落ち着いていて、グランプリの終盤にレースの最速ラップを叩き出した。つまり、まだどこかに余裕を残していたということだ」

 さらにマルコは言う。「マックスはタイトル防衛という目標を達成したが、これからも攻撃的な姿勢を持ち続けるだろう。今季はまだあと5レースある。これで通算勝利数は49勝に達したから、次に狙うのはアラン・プロストの51勝、そしてセバスチャン・ベッテルの53勝だ」

 カタールでのレースを終えて、フェルスタッペン自身はこう語っている。「これまでに経験したなかでも、最高にキツいレースのひとつだった。暑さという点では、マレーシア、シンガポール、あるいはマイアミといったグランプリにも劣らなかった。チームとしては、今回も速さを証明してみせることができた。スプリントのあとにも軽くお祝いをしたけど、これでようやく少しリラックスして、思う存分に祝杯をあげられそうだ」

 マックスはレッドブル・レーシングと2028年末までの契約を結んでいる。それより先の自身の将来については、どう考えているのだろうか。

「まあ、まず第一に、将来もこのチームと一緒にいたいと思っている。この2023年は信じられないほどの素晴らしいシーズンになった。だからこそ、途中で時々立ち止まって、自分たちが成し遂げてきたことをしっかり認識することが重要だ。こんなシーズンは本当に稀だと思う」

「いまのところ、疲れたり飽きたりはしていないし、もっと勝ちたいというハングリーさもある。だけど、いつかは『出場するレース数を減らしたい』思う日が来るような気もしている。それは、いつまでF1で走れるかということではなく、僕自身がドライブを楽しめるかどうかなんだ」

「アスリートのなかには、もう体が競技には耐えられないという理由で引退する者もいれば、精神的に疲れてしまって辞める者もいる。僕もいつかは『何か他のことをしよう』と決断することになるだろう。それは自分でも想像できるよ」

 3度の世界王者、様々な新記録。こうしたものを彼はどう受け止めているのだろう。「現時点では、レースで勝ち、選手権タイトルを獲得することにしか関心がない。いずれは自分のキャリアを振り返る日が来るだろうし、そうなったときには、あれやこれやの記録が残っているのはいいものだろうと思うよ。それは間違いない。ただ、そういう記録を目指すことで、内なる炎が燃え上がるわけではないんだ」

「こうしてタイトル獲得を決めても、僕のアプローチは変わらない。まるで優勝経験のないドライバーのように、勝ちたくて仕方がないんだ。今シーズンも最後まで勝ちを狙っていくつもりだよ」

(c)XPB Images

(Mathias Brunner/Translation:Kenji Mizugaki)

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