2026.03.03
【F速プレミアム】
バーレーンテストで見えた全11チームの現在地/スペイン人ライターのF1コラム
(c)XPB Images
新レギュレーションが導入され、まったく新しいマシンで戦われる2026年のF1。開幕を前にバーレーンで行われたプレシーズンテストから各チームの勢力図はどう見えたのか。スペイン在住のフリーライター、アレックス・ガルシアが分析する。
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F1は、その75年の歴史のなかでも最大級のレギュレーション変更のひとつに直面している。シャシー、内燃機関、そしてハイブリッドシステムに関する新規則により、今年のマシンは、私たちがこれまでサーキットで見たことのない、まったく新しい機械となった。キーワードはスピード以上に効率だ。というより、効率こそがこれらのマシンにスピードを与える要素になるのかもしれない。
だからこそ、バーレーンで行われた2週間のテストは、今季に参戦する11チームにとって極めて重要だった。全チームが、マシンを理解し、セットアップの方法を学び、そして新しいパーツを試しながら、可能な限り準備を整えてオーストラリアへ向かわなければならないからだ。しかし結局のところ、これらはすべて、勝者と敗者が生まれるという意味において重要であるに過ぎない。では、テスト後の現時点で、各チームはどのような位置にいるのだろうか。
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■グリッド後方(c)XPB Images
少なくとも現時点では、アストンマーティンがパフォーマンス面で最下位のチームになるだろう、と言っても驚きはないはずだ。バーレーンで私たちが見たものは明白である。走行が限られた結果としての信頼性不足と性能不足、そしてエネルギーマネジメントを学ぶ時間がなかったこと。彼らの前に立ち塞がる(成長の)壁は非常に高く険しいものになるだろう。
ただし、彼らのリソース、そしてエイドリアン・ニューウェイが加わっていることを考えれば、開幕戦までにチームが改善する可能性は十分にある。彼らの当面のライバル、つまり近いうちに抜き去るべき相手はキャデラックだ。
これは驚くことではない。キャデラックはF1で唯一の完全な新規チームであり、最後尾に沈むという結論は論理的だからである。しかし、良好な信頼性のおかげで走行距離は稼げており、少なくともマシンが堅実であることは示した。たとえ、それが全チームのなかで最も遅いマシンだったとしても、だ。
その前方には、ウイリアムズ(理想より重いように見える)とアウディを含む小さな集団がいる。サクヒールで見た限りではアウディが上に見えるが、ウイリアムズの2025年を踏まえると、重量を少しでも落とすことができれば前に飛び出す可能性があると私は信じている。軽量化は慣性を減らし、マシンの挙動を改善し、タイヤとエネルギーマネジメントを向上させる助けになるからだ。とはいえ現時点では、アウディが中団で戦う候補になるべきだろう。
■中団チーム(c)XPB Images
多くの意味で、中団はF1グリッドのなかで最も面白い領域だ。まず第一に、ここにいるドライバーとチームは戦うべきものが多く、失うものも得るものも大きい。だからこそコース上のバトルは白熱しやすいのだ。そして、私たちが見たものから判断すると、いくつものチームがごく僅差で並び、ポイント圏内の貴重なポジションを奪い合うことになるはずだ。
驚くべきことに、中団のなかで「最も弱い」チームはレーシングブルズになりそうだ。私が驚くべきと言ったのは、彼らが苦しんでいる理由が、今回は彼らのマシンがとりわけ運転しやすいタイプではなく、むしろかなり神経質なマシンになっていることにあるからである。
歴史的に見ても、不安定な傾向のあるマシンはセットアップが難しく、週末ごとにチームが積み上げられる進歩を阻害しやすい。その意味で、レーシングブルズのすぐ前に位置するのが、プレシーズン最大級の驚きのひとつ、アルピーヌである。フランスのチームは昨年最も遅いマシンを抱えていたが、新しいメルセデスAMG製エンジン、そして一見すると上手く設計され理にかなったマシンのおかげで、状況は目に見えて改善したように思える。
シーズンを通してアップデート競争に付いていけるかどうかは気になるところだが、少なくとも堅実なスタートである。
しかし私にとって、バーレーンテストで最も際立って見えた存在のひとつはハースであり、私は彼らを中団最強チームだと見ている。まるでトヨタGRの存在がチームを活性化させたかのように、ハースは上昇傾向にある。これまでのところ、デザイン面で極端に突飛なものは見せていないが、忘れてはならないのは、ハースはフェラーリの支援とTOYOTA GAZOO Racingの助力を受けた、ダラーラ設計のマシンを持っているという点だ。
鍵になるのはアルピーヌと同じく、チームがどれだけうまくアップデートを投入できるか、そしてフェラーリのパワーユニットがメルセデスやレッドブル・フォードと比較してどうなのか、ということになる。ハースにとって、F1初表彰台の時は来たのだろうか? もしかすると、あり得るかもしれない……。
■上位勢(c)XPB Images
グリッド前方の4チームの顔ぶれは、誰にとっても驚きではないはずだ。彼らは過去20年で最も強いチームだったのだから、ある程度、状況が同じまま推移するのは自然なことである。
私はレッドブルを4番手と位置づけるが、正直に言ってこれは非常に印象的だと思う。エンジン開発における仕事ぶりは素晴らしく、最高速は非常に高く、強力なエネルギーマネジメントとデプロイメントを備えている。これらは今年、極めて重要な要素になるだろう。
マクラーレンは彼らと同等のはずだが、最終的にはメルセデスとのパートナーシップが、彼らを半歩上に押し上げるはずだ。そして思い出してほしい。彼らがバーレーンで使っていた仕様は古いものであり、オーストラリアでは最新のパワーユニットが投入される。さらに、マクラーレンのほうがより強力なドライバーラインアップを持っているという議論も成り立つだろう。もっとも、私はレッドブルで走るアイザック・ハジャーを見るのがとても楽しみでもあるが!
ラップタイムと革新的な特徴という点では、フェラーリが明確な勝者であるべきだ。シャルル・ルクレールは2週間の最速ラップを記録したが、イタリアの名門のロングランはメルセデスに後れを取っているように見えるため、私はスクーデリアを2番手に置く。
私は彼らの細部へのこだわりに感銘を受けた。特にマシンの後方だ。リヤディフューザーとサスペンションに関するいくつかの仕事は見事であり、過激なリヤウイングも同様だった。ただし、彼らのスタートには注目してほしい。もし彼らがバーレーンで見せた通り本当に優れているのなら、それは信じられないほど重要になるかもしれないからだ! そして最大の疑問は、ルイス・ハミルトンがマシンに適応できるのか? 彼がついに再び勝利や表彰台を懸けて戦えるようになるのか? という点だ。
皮肉なことに、プレシーズンテストで最も良い姿を見せたのは、7度の世界チャンピオンであるハミルトンの古巣だ。メルセデスは堅実で、信頼性が高く、速いことを証明した。もちろん、ところどころで技術的な小さな問題は抱えていたが。ジョージ・ラッセルによれば、レッドブルのほうがより良いエネルギーデプロイメントを持っているという。私たちは彼を信じるべきなのだろうか、それともこれは、メディアを自分に有利に利用しようとするタイトル候補の戯言なのだろうか?
メルボルンでマシンがコースに出れば分かるだろう。しかし明らかなのは、メルセデスが上位にいるということ、そして序盤の数戦の展開次第では、両タイトル奪還に向けて戦うべき存在になるということだ。
とはいえ、私がいつも言っているように――そして過去にも私が似たようなことを言ってきたのを、あなたも覚えているはずだが――私は、テストで目にしたものを完全には信用していない。新しいレギュレーションは、チームが毎日学び続けていることを意味する。だからこそ、プレシーズンテストと今年最初のレース週末の間に、新しい解決策が見つかる可能性があるのだ。
そうは言っても、これがバーレーンでの状況の見え方だ。あなたはどう思うだろうか?
(Alex Garcia)
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