2024.02.11

【F速プレミアム】
2025年以降のF1ドライバーたちの契約状況/スペイン人ライターのF1コラム


(c)XPB Images
 2024年シーズンはドライバーの変化がない状況だが、2025年は多くのドライバーたちの契約が切れることで移籍も活発になるだろう。スペイン在住のフリーライター、アレックス・ガルシアが現在のF1ドライバーの契約状況を解説する。

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 時を刻むタイマーに逆らって運転しなければならない古いアーケードビデオゲームを覚えているだろうか? スポーツカーやGTカー、NASCARのマシンを運転し、時間がゼロになる前に“チェックポイント”に着くとすぐに、“タイム延長!”の声が聞こえるのだ。このことが最近私の頭のなかにある。なぜなら……何人かの重要なF1ドライバーが契約延長しているからだ! 契約締結時にアーケードゲームと似たような声が聞こえてくるのではと考えつつ、現在のF1ドライバーの契約を見ていくのはより面白いのではないかと思う。

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 もちろん、私が話をしようとしているドライバーはシャルル・ルクレール(フェラーリ)とランド・ノリス(マクラーレン)。そしてルイス・ハミルトン(メルセデス)だ。ルクレールとノリスは1月末にそれぞれのチームで新契約を発表した。ハミルトンはメルセデスとの契約を1年早く終わらせて、2025年にフェラーリに移籍することが発表されたのだ。フェラーリのふたりのドライバーのうち、ルクレールがチームでの将来を最初に確保したのに対し、カルロス・サインツの2025年の状況が不透明となった。ハミルトンのフェラーリ加入によりシートを失うサインツだが、アウディ初代ドライバーのシートを狙っているとうわさもあり、今後の移籍先が注目されるだろう。
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 一方、ノリスはマックス・フェルスタッペン(レッドブル)のチームメイト候補のひとりだという憶測があったものの、新しい契約によりマクラーレンに留まることになった。契約発表後、レッドブルでフェルスタッペンのチームメイトになることは理想的な状況とは言えないとノリス自身が語っている。

 しかし、それ以上にルクレールとノリスを結びつける共通点は、両者が契約期間を発表していないという事実だ。彼らがそれぞれのチームで継続することは分かっているが、それがいつまでかは分からない。ただ、複数年契約であることだけは確かだ。それぞれが最短で2年、最長で5年という可能性もある。

 そしてランス・ストロール(アストンマーティン)の契約は、チームかドライバーのどちらかがもう十分だと判断するまで、基本的に毎年1年延長されるという状況だ。結局のところ、ランスの父ローレンスがチームの指揮を執っているため、新しい契約を発表する必要すらない。その意味では、ストロールの状況は変わらない。

 2024年シーズンは、開幕戦に前年の最終戦と同じドライバーが参戦する半世紀ぶりのユニークなシーズンだ。F1市場における完全な安定性ということだろうか? きっと、何かトリックがあるに違いない……。そしてあるのだ。その理由は、ほとんどの契約がたまたま2024年末までに完璧にそろったからだ。今年は合計13人のドライバー(グリッドの65%)が新しい契約を結ぶ必要がある。そのなかには、アルピーヌ、ハース、ウイリアムズ、レッドブル、ステークのドライバーたちに加え、フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)、サインツ、セルジオ・ペレス(レッドブル)といったスペイン語を話すグループも含まれている。

(c)Red Bull
 2025年はハミルトンのフェラーリ移籍によりメルセデスのシートがひとつ空くことが決まった。またレッドブルはダニエル・リカルド(レーシング・ブルズ)を試す可能性があると私は考えている。アロンソについては、おそらく最大の謎だろう。彼が他のチームでレースをすることはないと思うので、アストンマーティンでキャリアを終えることになると私は予想している。とはいえ、2024年が終わるまでに彼は43歳になる。彼が44歳や45歳でレースに出ることを想像できるだろうか? あと1年は可能かも知れないが、2年は少々無理があると思われる。

 しかし、さらに多くの変更が起きると私が予想しているのは、グリッドの下の方だ。公平を期すために言うと、グリッドが大きく変わる可能性は低いが、オリバー・ベアマンがF2シーズンで十分結果を出せば、ハースが2025年に向けて彼を獲得する可能性がある。

 同様に、リカルドがレッドブルに戻った場合、角田裕毅の隣にリアム・ローソンを置くのは当然と思える。ではステークはどうか? チームは、アウディの登場が迫るにつれ、信頼の置けるふたりのドライバーとスタートの準備をしたいと思うかもしれない。アウディがデビューに先立って2025年にともにチームを構築するのに、サインツは完璧だろう。彼はフェラーリのエンジンを熟知しており、十分な経験を積んでいる。バルテリ・ボッタスとコンビを組めば、非常に競争力のあるラインアップになるだろう。

 一方、ローガン・サージェント(ウイリアムズ)は、特に若いイタリア人ドライバーでメルセデス育成のアンドレア・キミ・アントネッリの“脅威”があるなかで、パフォーマンスを発揮しなければならない。アントネッリは今年のF2にプレマからデビューすることになるが、期待は大きい。結果次第では、メルセデスは彼をF1に後押ししたいと思うかもしれない。

(c)Alpine
 短期的にあまり変化が起こらないのは、アルピーヌだ。アルピーヌには、エステバン・オコンとピエール・ガスリーという経験とハングリーさを兼ね備えたふたりの手堅いフランス人ドライバーがいる。しかし、オコンが厳密にはまだメルセデスと結びついていることを考えると、メルセデスのシートが空く2025年で状況が変わる可能性がある。

 非常に興味深いことに、2026年まで契約を結んでいるドライバーは、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)だけだ。昨年に評判となったルーキーのピアストリについては、チームメイトのノリスがF1にデビューしたときと同じように、マクラーレンF1チームに追加された強力なドライバーであることが証明された。しかしながら、マクラーレンF1のCEOザク・ブラウンがうまく立ち回り、明るい未来を持つふたりの有望な若手ドライバーを確保したということ以外、言及すべきことはそれほどない。マクラーレンが上昇軌道に乗っていることを考えると、ピアストリは少なくとも今のところは正しい場所にいるようだ。

 この時点で、(最近更新された契約も含めて)現在最も長い有効な契約を結んでいるドライバーがフェルスタッペンであることは驚くべきことではない。3度の世界チャンピオンは、F1史上最強のチームのひとつに恵まれている。レッドブルが2023年と同様に今シーズンを支配すると期待するのは合理的ではないが、少なくとも今後2年間はドライバーズタイトルとコンストラクターズタイトル両方の獲得候補であることは明らかだ。

 その後は……誰も彼らがタイトル争いから外れるとは思っていないのではないだろうか? もちろんフェルスタッペンは、チームのパフォーマンスが一定のしきい値を下回った場合に、他チームに移籍できるいくつかの条項を有していると私は強く確信している。

 結局のところ、エキサイティングなF1シーズンが待ち受けていることは間違いない。しかし、しばらく前から私の記事を読んでくれている人は、私がいつも地平線に目を向けることを楽しんでいることをご存知だろう。次のレースはいつだって楽しみだ。しかし、来年以降はどうだろう? それはとても魅力的だと思う!

(Alex Garcia/Translation: AKARAG)

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