2024.04.04

【F速プレミアム】
2025年のドライバー市場の鍵はスペインに/スペイン人ライターのF1コラム


(c)XPB Images
 ルイス・ハミルトンがフェラーリに移籍することで、うわさが飛び交う2025年のドライバー市場。移籍の可能性で最も熱いのはフェルナンド・アロンソとカルロス・サインツのふたりだ。スペイン在住のフリーライター、アレックス・ガルシアがその理由を語る。
------------------------------------------------------

 英語の“シリーシーズン”は、F1において新規契約やチーム移籍が最も注目を集める時期を表す言葉だ。スペインでは、それを“メルカド”(市場)と呼んでいる。私がこう言うのは、2025年の市場を開く鍵は、この場合スペインにあると言っても過言ではないからだ。結局のところ、このスポーツで最も人気のあるふたりのドライバーが来年の市場に出ているのだ。

 そのうちのひとりは、2度の世界チャンピオンであり、F1に最も長く参戦し、シリーズ史上最も多くのレースに出場しているドライバーのフェルナンド・アロンソだ。42歳(シーズン終了時には43歳)でも、彼はまだハングリーであり、パフォーマンスを発揮している。さらに、アストンマーティンとの現行契約は2024年末で終了となるので、彼はキャリア最後のビッグチャンスを狙っているのかもしれない。そして、2025年に向けてふたつの魅力的な展望があるかもしれない……。

(c)XPB Images
 しかし、アロンソがそのうちのひとつのチャンスを得たいのであれば、その契約を得るのに自分の同胞を打ち負かさなければならないだろう。カルロス・サインツは、ジェットコースターのようなシーズンスタートを切ったばかりだ。虫垂炎でサウジアラビアGPを欠場し、オーストラリアGPで復帰し、わずか半年で2勝目を挙げた。実際、マドリード生まれのサインツは、(マックス・フェルスタッペンとともに)過去21回のレースウイークで優勝したふたりのドライバーのうちのひとりであり、2023年シーズン開幕以降に優勝した3人(セルジオ・ペレスを入れて)のうちのひとりだ。
■regist■
 こうしたことから、アロンソとサインツは来年に向けて素晴らしい契約を交渉する絶好のポジションにいる。そして現実として、彼らのうちどちらかをラインアップに加えることができるトップチームはラッキーだろう。

 このハングリーなふたりのドライバーにチャンスを与えるのはどのチームだろうか。今のところ、それぞれまったく異なる理由からレッドブルとメルセデスが魅力的な可能性を秘めているかもしれないが、彼らのリソースと、F1が2026年に新しいレギュレーションに直面するという事実を考えると、ビッグチームへの動きは一生に一度のチャンスになり得る。

 最初の空きシートは、もちろんメルセデスだ。ルイス・ハミルトンはフェラーリに移籍し、サインツのマラネロでのポジションを奪う。早ければ来年にも、メルセデスF1のジュニアドライバーで若きイタリア人アンドレア・キミ・アントネッリがハミルトンのシートに就く可能性について多くの憶測が飛び交っているが、現実にはおそらく早すぎるだろう。

 このことを考慮すると、トト・ウォルフは競争力の観点から、エキサイティングで賢明な短期的解決策を検討するかもしれない。サインツは、中期的にはよりよい選択肢のように思える。しかし、レギュレーション変更に先立ってアロンソにワークスカーを提供すれば、チームとドライバーの双方がともに歴史を作るチャンスとなるだろう。

(c)XPB Images
 また、アルピーヌでレースをしているにもかかわらず、厳密にはまだメルセデスとつながっているエステバン・オコンにも、3つ目の要素があることには同意できるだろう。しかし、サインツとアロンソにはさらに魅力的な別の選択肢がある……。それはレッドブルだ。そして、ミルトンキーンズでは2025年に2シートが空く可能性さえある。

 現実にはほとんどのことが、チーム内の政治的なゲームがどのように解決されるかにかかっている。パドックでは多くのうわさが飛び交っており、最新のうわさでは、クリスチャン・ホーナーが権力の座に留まるのなら、フェルスタッペンは残留を望まない可能性があると指摘されている。

 それが本当なら、過去3シーズン(そして2024年を数に入れるとおそらく4シーズン)で勝利を飾ったマシンが巡ってくることになる。レッドブルは常にチームリーダーになれるドライバーを求めているが、アロンソとサインツ(彼自身、元レッドブルのジュニアチームのメンバーだ)はそれに当てはまるだろう。

 そしてセルジオ・ペレスのことがあるが、今シーズン以降のことはまだ決まっていない。彼は、自分がシートを維持するのに値することをボスたちに納得させたいのであれば、パフォーマンスを上げる必要があるかもしれない。しかし、メルセデスと同様に、レッドブルにもふたりのスペイン人以外にも候補がいるだろう。

(c)XPB Images
 もし2、3カ月前に聞かれていたら、私はダニエル・リカルドが2025年のペレスの後任として非常にふさわしいと答えたかもしれない。彼はフェルスタッペンと仲がよく、レッドブルでレースをしたことがあり、レースに勝つ方法を知っている。しかし、シーズン最初の3戦が終わってみると、角田裕毅が絶好調だった一方で、リカルドはかなり苦戦しているようだ。そのため、角田がレッドブルで活躍する可能性もゼロではないと指摘する声があったほどだ。

 まだシーズン序盤であり、この複雑なパズルには多くの要素が収まるだろうが、成功への大きなチャンスがある環境にハングリーなドライバーがいるのを見る可能性には、興奮せずにはいられない。そして、国籍のことを超えて、アロンソとサインツは、いつもベストなマシンがあったわけではないのに、常に興奮を提供してきた。

 メルセデスが必ずしもはるかに優れているとは限らないが(実際、2024年序盤のレースを考えると、もっと悪いかもしれないと主張するのは簡単だろう)、レッドブルは、彼らがこれまでに経験したなかでも最高のマシンをドライブする可能性を提供する。

 今年の後半にシリーシーズンについて話す時間があるだろうが、私がお勧めできることがひとつあるとすれば、アロンソとサインツの両方に目を光らせることだ。なぜなら、フェルスタッペンがすべての動きの中心にいるのは事実だが、市場を解き放つ鍵を握っているのはスペイン人ドライバーたちかもしれないからだ。

(Alex Garcia/Translation: AKARAG)

最新ニュース一覧

2024-12-30更新
2024-12-29更新
2024-12-28更新
2024-12-27更新
2024-12-26更新

最新PHOTO一覧






|TOP|NEWS|