2024.07.18

【F速プレミアム】
王者フェルスタッペンの戦い:ライバルに対する優位性を失い「いまや僕らは対等なレベルで戦っている」


(c)XPB Images
 F1第10戦スペインGP、第11戦オーストリアGP、第12戦イギリスGPの3連戦でライバルたちの追い上げに苦しんだレッドブル。マックス・フェルスタッペンはチャンピオンシップのリードは維持しているものの、今後も楽な戦いにならないと覚悟している。F1スイス在住のF1ジャーナリスト、マチアス・ブルナーが3連戦のレース週末を語る。
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 「数字は嘘をつかない」と言われる。だが、数字がつねに真相を語るとは限らない。現F1世界王者のマックス・フェルスタッペンは、カナダでの勝利に続いてスペインでも優勝を飾った。しかし、その翌週のオーストリアはランド・ノリスとの接触の末に5位フィニッシュに終わり、3連戦の締めくくりとなるシルバーストンでは、ルイス・ハミルトンに次いで「予想外の」2位を得た。

 フェルスタッペンは語っている。「(イギリスGPの)レースの前半戦では、単純に速さが足りなかった。タイヤのデグラデーションがどうしてあれほど大きかったのか、理由を突き止める必要がある。5位か6位でフィニッシュするのが精一杯かもしれないと思ったよ」
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「だけど、その後のタイヤ交換に関しては、すべてが完璧だった。終盤にハードタイヤを選んだのも正解で、その結果、ソフトを履いたランドに追いつくことができた。レースの大半を通じて、コース上での速さが3番目のクルマに乗っていながら、最後は2位で終えられたのだから文句は言えないよね」

(c)XPB Images

 レッドブルのモータースポーツコンサルタント、ヘルムート・マルコは言う。「私たちは“マックス因子”を手にしていることに感謝すべきだろう。特に夏場を迎えてからは、ドライバーが彼でなければ、あのクルマでこれほどの成績を残すことはできなかったかもしれない」

 フェルスタッペンのスペインGPは、スタートからほんの数秒で終わっていた可能性もあった。ノリスの幅寄せでグリーンに押し出されたからだ。レース序盤をリードしたのは、その間に漁夫の利を得たメルセデスのジョージ・ラッセルだった。だが、アタックすべきタイミングを本能的に感じ取ったフェルスタッペンは、機を逸することなくラッセルを抜いて首位に立ち、見事なタイヤマネージメントの末に勝利を手にした。

(c)XPB Images

 オーストリアでノリスとの間で演じられたバトルとその結末については、すでに多くが語られている。ふたりのトップドライバーが互いに譲らずに競り合ったとき、あのようなことが起きるのは不可避とも言えるだろう。マックスはこう指摘する。「過去2戦で明らかになったのは、競争相手たちがものすごく手強くなってきたことだ。一番の敵はマクラーレンだが、メルセデスもかなり進歩してきた。いまや僕らは対等なレベルで戦っている」

 このレースでフェルスタッペンは、ノリスに対するコース上での挙動がルールに反するとして10秒のタイムペナルティを課された。しかし、6位のニコ・ヒュルケンベルグとの間には大きなギャップがあり、このペナルティは最終的な順位には影響しなかった。一方、タイトル争いの目下のライバルであるノリスはリタイアに終わっている。

 マックスはノリスとの争いに関する批判を一蹴した。「ランドと僕の仲が良いことは、誰もが知っている。レッドブル・リンクで起きたことについては、レース後の月曜日に話し合っていて、もう何のわだかまりもない。それだけが僕にとって本当に重要なことで、どんな記事が書かれようと、まったく気にしていない」

 また、マルコは言う。「ノリスとのバトルに関して、マックスを批判する記事が数多く出回った。だが、世間の人々はランドも決して聖人ではないことを忘れている。スペインでマックスをグリーンに押し出したのは、他でもないノリスだった。オーストリアでの出来事と比べても、あちらの方がはるかに高い速度での危険な動きだ。レッドブル・リンクでの接触は、広大なランオフエリアがある低速コーナーで起きたのだから、同じようには扱うことはできない」

 F1は1週間の短い休みを置いて、次はハンガリーとベルギーの2連戦へと向かう。それが終わると、スペインから数えて6週間に5レースという過酷なスケジュールも、ようやく区切りを迎える。だが、マックスは承知している。「僕らの戦いは、少しも楽にはならないだろう。このリードを維持するには、一層の開発努力を続けるしかない」

(c)XPB Images

(Mathias Brunner/Translation:Kenji Mizugaki)

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