【2025年F1チーム別プレビュー/レッドブル】ニューウェイ後の試練のなか、5連覇の記録を狙うフェルスタッペン
2025年F1シーズンが3月14〜16日のオーストラリアGPで幕を開ける。10チーム、そして20人のドライバーたちは、今シーズンどのような活躍が期待され、どのような課題に直面するのか。長年F1を取材しているベテランジャーナリスト、ルイス・バスコンセロス氏の見解を、チーム別にお届けする。今回は2024年コンストラクターズ選手権3位だったレッドブルに焦点を当てる。
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RB21は、エイドリアン・ニューウェイが19年前にチームに加入して以来、彼が直接的に関与していない初めてのレッドブルF1カーだ。ただし、過去3シーズンにわたって彼が開発してきたコンセプトの影響は大きく残されている。
新たな技術チームは、2024年後半戦に厳しい時期を過ごしたことから、マシンの挙動の過敏さを解消することを優先事項として、重要な仕事に取り組む必要があった。
マックス・フェルスタッペンはどのような状況でもトップ争いに加わるだろうが、レッドブルには、リアム・ローソンをできるだけ早く高いレベルに到達させなければならないというプレッシャーがある。彼がうまくやれなかった場合の、明確な後任候補がいないからだ。
フェルスタッペンは、5年連続のドライバーズタイトル獲得でミハエル・シューマッハーの記録に並ぶチャンスを持って2025年に臨む。しかし、今年のタイトル争いはこれまでで最も困難なものになる可能性が高いことを、彼自身、十分理解している。
2025年は、フェルスタッペンにとって、最速のマシンを持たずに戦う能力だけでなく、ニューウェイ不在のチームに対する忠誠心も試される年になる。つまり、チャンピオンシップ獲得以外にも、多くのことがかかった一年といえるだろう。
ローソンは、かつてレッドブルのジュニアチームからレッドブル・レーシングのドライバーになったピエール・ガスリーやアレクサンダー・アルボンよりも、良い成績を収めることが求められる。ガスリーとアルボンは、経験不足な段階で時期尚早の昇格がなされた結果、フェルスタッペンとのパフォーマンス差が大きく、結局外されることになった。
チーム代表クリスチャン・ホーナーは、ローソンはフェルスタッペンを支えるためにいるのだと発言、ローソンの役割を明確に示している。だが野心的なローソンがそれ以上のものを追い求めることは間違いない。自分は前任のセルジオ・ペレスよりもはるかに強力であると証明することに、彼は力を尽くすだろう。