2026.03.05

復帰のボッタス「会見出席がちょっと嬉しい」母国レースのピアストリは“冷静さと熱さ”を見せる/F1第1戦木曜会見


2026年F1第1戦オーストラリアGP FIA会見 バルテリ・ボッタス(キャデラック)
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 新時代のF1が幕を開けた。第1戦オーストラリアGPでの定例ドライバー会見パート1には、開幕前テストでは絶好調と伝えられたメルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チームのジョージ・ラッセル、ベテランのニコ・ヒュルケンベルグ(アウディ・レボリュートF1チーム)、そして1年間のブランクを経て現役復帰を果たしたバルテリ・ボッタス(キャデラックF1チーム)が登壇した。

Q:バルテリ、あなたは2025年をリザーブドライバーとして過ごしました。マシンに戻るにあたって、少し感覚が鈍っていると感じたりはしましたか?

ボッタス:いや、問題なく走れたよ。シーズン前は普段よりかなり多くテストができた。1年間離れたあとで他に感じたことといえば、記者会見に出ることを「ちょっと嬉しい」と思ったことかな。これは正直、自分でも意外だった。ただしこれについては、最終戦のあとに、また質問してみてくれる?(笑)

Q:バルテリに続けて質問です。ジョージは自分が優勝候補だとは謙虚すぎて言わないでしょうから、あなたに尋ねます。今年のドライバーズタイトル争いのトップ3は誰だと思いますか?

ボッタス:まだ1レースもしていないし、本当に難しい質問だね。どのチームも開幕戦に新しいパーツを持ち込むだろうし、チームの勢力図さえ言うのも不可能だよ。でもあえて言うなら……ランス・ストロール(アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム)、フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム)、ジョージ・ラッセルかな。だってアストンマーティンは、テストで実力を隠していたと思うから。

 なんとボッタスはテストで絶不調だったアストンマーティンのふたりを、優勝候補に挙げた。それが事実になれば、嬉しい限りではあるが……。

ニコ・ヒュルケンベルグ(アウディ)、バルテリ・ボッタス(キャデラック)、ジョージ・ラッセル(メルセデス)
2026年F1第1戦オーストラリアGP FIA会見 左からニコ・ヒュルケンベルグ(アウディ)、バルテリ・ボッタス(キャデラック)、ジョージ・ラッセル(メルセデス)

Q:ニコ、アウディでの新しいプロジェクトの進捗具合を教えてください。

ヒュルケンベルグ:開幕前テストは悪くなかったと思う。もちろん多くの分野でまだ改善の余地がある。特にパワーユニットは、まったく新しいものだしね。とにかく今週末、予選やレースを初めて本気で戦うわけで、多くのことが見えてくる。かなりおもしろいことになると思うよ。

ニコ・ヒュルケンベルグ(アウディ)
2026年F1第1戦オーストラリアGP FIA会見 ニコ・ヒュルケンベルグ(アウディ)

Q:ジョージ、ライバルの多くがあなたをタイトル獲得候補の本命と見ています。そのことについてどう思いますか?

ラッセル:あまり気にしていないよ。メルセデスや僕たちについていろいろ言われているのは、褒め言葉として受け取っておこう。ヘルメットをかぶってバイザーを下ろしたら、ただ全開で走るだけだ。外野の声はほとんど考えない。レースごとに集中するだけだよ。

Q:メルセデスに来て5シーズン目ですが、チームはあなたが来る前のような圧倒的強さをこれまで発揮できませんでした。今年はトップ争いに加われそうな、そんな士気の違いを感じますか?

ラッセル:士気が高いのは間違いない。それは主に、マシンが僕たちの想定どおりに機能していることが大きいね。なかでも重要だったのは、データの相関がきちんと取れていること、そしてマシンに大きな不安要素がないことだ。実際にコースに出たとき、(アンドレア・)キミ(・アントネッリ)も僕もマシンのフィーリングに満足できた。エンジンも強そうだ。もちろん、ライバルのなかにはパワーユニットがかなり強力そうなところもあって、そこは少し驚いている。でも総合的なパッケージはいいと思う。新しいレギュレーションのスタート時には、そういう土台が必要だ。

 これでもラッセルは控えめに話している方だろうが、言葉の端々からかなりの自信が感じられた。やはりメルセデスが大本命ということか。

ジョージ・ラッセル(メルセデス)
2026年F1第1戦オーストラリアGP FIA会見 ジョージ・ラッセル(メルセデス)

■唯一の新人リンドブラッド「学ぶべきことは山ほどある」

 続いてパート2は、地元メルボルン出身のオスカー・ピアストリ(マクラーレン・マスターカード・フォーミュラ1チーム)、今季唯一のルーキー、アービッド・リンドブラッド(ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム)、そして20年目のF1シーズンを迎える大ベテランのルイス・ハミルトン(スクーデリア・フェラーリHP)が出席した。

Q:まずはアービッド、テストではレーシングブルズの信頼性はよかったようですね。ここまでで何を一番学びましたか?

リンドブラッド:すべてだよ。クルマも違うし、タイヤも違う。なかでも一番大きいのは、パワーユニットだ。エネルギーマネジメントやドライビングのテクニック、クルマの性能を最大限に引き出すための方法など、学ぶべきことは山ほどある。

 とはいえまったく新しいマシンパッケージという点では、条件は先輩ドライバーたちと同じだ。その意味ではルーキーであることのハンディキャップは、例年より少ないかもしれない。

アービッド・リンドブラッド(レーシングブルズ)
2026年F1第1戦オーストラリアGP FIA会見 アービッド・リンドブラッド(レーシングブルズ)

 続いてハミルトンとピアストリには、タイトル争いの可能性についての質問が飛んだ。

Q:ルイス、今シーズンの目標について聞かせてください。現実的な目標は何ですか?

ハミルトン:目標は勝つことだよ。理想的には、シーズン序盤からトップ争いに加われたら最高だね。でも実際のところはまだわからない。メルセデスは特に速そうだし、レッドブルも本当の実力をまだ見せていないかも。

ルイス・ハミルトン(フェラーリ)
2026年F1第1戦オーストラリアGP FIA会見 ルイス・ハミルトン(フェラーリ)

Q:オスカー、去年までのマクラーレンは強さを発揮し続け、コンストラクターズ選手権で2連覇を果たしました。3連覇への自信はどのくらいありますか?

ピアストリ:レギュレーションが大きく変わった今、1年前と同じような強さを発揮できると言うのは、かなり楽観的すぎると思う。確かに僕たちは前方グループにいるとは思うけど、テストの印象ではメルセデスとフェラーリが、僕たちやレッドブルより少し上にいるような感じだ。ここからのアップデートで、その状況がどう変わるかだね。僕たちに関しては、去年と同じレベルのパフォーマンスを発揮するには、もう少し改善が必要だと思う。

Q:オスカー、あなたは昨シーズンの大半でランキング首位を走っていましたが、最終的には13ポイント差でタイトルを逃しました。その差はチームオーダーによるポジション入れ替えで失ったポイントよりも小さいものです。今シーズンは、自分がもうナンバー2ではないことを証明するシーズンになりますか?

ピアストリ:僕たちは常にチームの利益のために戦うし、でも同時に自分自身の結果のために戦う自由もある。確かに去年は、いくつかの場面では最善の判断ができなかった。でも大事なのは、そこに悪意があったわけではないということだ。僕たちは多くを学んだし、今年はもっとよくなるよう話し合ってきた。ただ僕には、証明すべきことは何もない。反抗的な姿勢を見せるつもりもない。チームに逆らうことは、チャンピオンシップを失う一番早い方法のひとつだし、賢い選択とは言えない。

 マクラーレンはメルセデス、フェラーリに比べて、やや出遅れているという分析。そしていつもながらの冷静な受け答え。しかしそのコメントのなかに、タイトル獲得に向けての熱い思いも十分に伺えた。

オスカー・ピアストリ(マクラーレン)
2026年F1第1戦オーストラリアGP FIA会見 オスカー・ピアストリ(マクラーレン)


(Text : Kunio Shibata)

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