2026.03.05

先行き不透明な中東2連戦。イモラとポルティマオでの代替開催の可能性は「低い」と関係者/F1 Topic


イタリアの“イモラ・サーキット”ことアウトドローモ・インテルナツィオナーレ・エンツォ・エ・ディーノ・フェラーリ
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 アメリカとイスラエルがイランを空襲したことにより、中東情勢が悪化した。これにより国際自動車連盟(FIA)は3月3日、カタールで3月26〜28日に予定していたWEC世界耐久選手権の開幕戦『カタール1812kmレース』(ルサイル・インターナショナル・サーキット)の開催を延期すると発表した。

 そして、4月に予定されているF1の中東ラウンド(第4戦バーレーンGP、第5戦サウジアラビアGP)の行方が不透明な状況となっている。もし、WECと同様に中東の2連戦が中止となった場合、代替えグランプリとして有力と噂されているのが、イタリアのイモラとポルトガルのポルティマオだ。しかし、F1開幕戦オーストラリアGPが開催されるメルボルンにいるイタリア人とポルトガル人のF1関係者は、異口同音に「その可能性は低い」と否定的な見解を述べる。

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イタリアの“イモラ・サーキット”ことアウトドローモ・インテルナツィオナーレ・エンツォ・エ・ディーノ・フェラーリ
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ポルトガルのポルティマオにあるアルガルベ・インターナショナル・サーキット

 まず、イモラが簡単ではない理由だ。イモラは元々4月19日に第2戦としてWECが開催される予定となっていたが、カタール1812kmレースがシーズン後半戦へ延期されたことにより、イモラがWECの2026年の開幕戦となった。F1のバーレーンGPはその1週間前なので、物理的には可能に思える。しかし、イモラは現在、4月19日のWEC開幕戦に向けてサーキットの大掛かりな改修工事中。いまから工事完了を1週間前倒しするのは、かなり難しい。

 たとえ工事が完了しても、いまからチケットの販売を行ってスタンドを観客で埋め、興行として成り立たせるのは簡単ではない。さらに、もしチケットを完売させたとしても、今度はその観客を受け入れる準備を地元ができるのかという問題もある。すでに予約を入れているお客さんを追い出さない限り、F1観戦者とF1関係者全員の宿泊を受け入れるのは不可能だからだ。

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大勢の観客で埋まったイモラでのF1エミリア・ロマーニャGP

 これはサーキットの改修工事を行っていないポルティマオについても同様のことが言える。ほかのイベントならともかく、F1を1カ月間で準備するのは不可能だと言う。

 2021年、秋に行われる予定だった日本GPが夏に中止を発表したとき、急きょトルコのイスタンブールで代替えレースを行った実績がある。しかし、そのトルコもイランからの報復攻撃を受け、F1を開催できる状況にない。さらにWECのようにシーズン後半に延期するにも、F1は過密スケジュールであるため、空きはない。

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2021年にF1を開催したトルコのイスタンブール・パーク

 そこで唯一残されている可能性は、中東の状況が落ち着いた場合のみ、3週間のインターバルが空いているマイアミGPとカナダGPの間にサウジアラビアGPだけを移動させるという案だ。

 開幕戦オーストラリアGPが開催されるメルボルンにいるFIAのスポークスマンは「現時点で何も決まっていない」と語っている。そこには、できれば中東情勢が早期に安定し、予定通りバーレーンGPとサウジアラビアGPを開催したいという思いがひしひしと感じられた。



(Text : Masahiro Owari)

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