11番目のF1チーム、キャデラックとペレスがイモラでテストを開始。2023年型フェラーリで、手順のシミュレーション
F1の11番目のチームとなるキャデラックは、2026年のデビューへの準備として、パワーユニット(PU)サプライヤーであるフェラーリの協力のもと、イタリア・イモラにおいてサーキットでの初テストに臨んだ。使用されたマシンは、フェラーリから貸与された2023年型SF-23で、レギュラードライバー契約を結んだセルジオ・ペレスがステアリングを握った。
新チームであるキャデラックは、旧型車両テスト(TPC:Testing of Previous Cars)のプログラムを持っていない。そのため、エンジンサプライヤーであるフェラーリの協力のもと、2年前のフェラーリF1マシンを使用して、今週、テストを行うことになった。

このテストの目的は、キャデラックのクルーたちが、サーキットでの作業のリズムをつかむことだった。数カ月にわたり、エンジニアやメカニックたちはファクトリー内でガレージでの手順のシミュレーションをしてきたが、今回初めて現実の環境で体験する機会を得た。
さらに、約1年間F1マシンに乗っていないペレスにとって、このテストは感覚を取り戻す助けになる。ペレスは昨年、レッドブルで困難なシーズンを送り、2年の契約を残して、2024年シーズン末でチームを離脱した。今年ペレスは休暇を取っていたが、キャデラックと2026年ドライバーとしての契約を結び、来年F1に復帰することが決定した。

イモラでのテストは11月13日にスタートし、2日間にわたって実施される。SF-23も、ペレスのレーシングスーツとヘルメットも、オールブラックのカラーリングが使用されていた。
このテストに先立ち、ペレスはマラネロでシート合わせを行った。体重も体力もレース参戦時の状態まで戻しつつあるというペレスは、テスト前に、「走行できることは素晴らしいと思うし、タイミングも1月のテストの直前だから完璧だ」とFormula1.comに対して語った。
「この2日間で、身体面において、どれだけ失ったか、どこに取り組む必要があるかを確認したい。それによって冬の間、何に集中すべきかの良い指針が得られると思う」
「これはまた、チーム、エンジニア、メカニックと一緒に働き始め、同じ言葉を話す関係を築くチャンスでもある。僕たちにとって本当に良いタイミングだ」
キャデラックと契約を結んで以来、ペレスはチームのイギリスとアメリカの拠点を定期的に訪れ、シミュレーターセッションにも何度も参加してチームへの理解を深めてきた。
今週月曜日には、シルバーストンのファクトリーで、ミーティングを行うとともに、2026年の新レギュレーションに基づいて製作されたキャデラック初のF1モノコックに合わせたシートフィッティングも行ったという。
ペレスは今後もシミュレーターセッションを重ね、1月の始動に向けてトレーニングプログラムに集中していく。
一方、チームメイトのバルテリ・ボッタスは、今年メルセデスF1チームのリザーブドライバーを務めているため、まだキャデラックとの作業を本格的にスタートすることができない。