フェラーリF1でリザーブ務める周冠宇、2026年は新参含む複数チームでスタンバイか
新規チームであるキャデラックF1の2026年ラインアップには、まだひとつのピースが欠けている。元ザウバードライバーの周冠宇は、このアメリカン・チームのリザーブドライバーの最有力候補となっているようだ。
周は、ダン・タウリス(キャデラックF1 CEO)とグレアム・ロードン(キャデラックF1チーム代表)がF1の冒険をバルテリ・ボッタスとセルジオ・ペレスのコンビで始めることを決めたため、レギュラーシートを逃していた。
他の数チームと同様に、キャデラックはリザーブドライバーとして起用するための、実力ある人材を見つけるのに苦労している。最近の本格的なグランプリ経験を持つスーパーライセンス保持者が明らかに不足しているためだ。何らかの理由でレギュラードライバーのひとりが欠場を余儀なくされ、代役を立てる必要に迫らえれた場合には、まさにそのようなドライバーが不可欠となる。
たとえばメルセデスは、今年のリザーブドライバーであるボッタスに匹敵する後任は見つからないことをすでに理解しており、グランプリレースの出場経験がないデンマーク人ドライバーのフレデリック・ベスティを2026年のリザーブドライバーとして残す可能性がある。
この可能性はアストンマーティンとウイリアムズも認めている。彼らは、メルセデスのサードドライバーであるボッタスがドイツのチームに残っていたら、彼に頼ることができたかもしれない。しかし、ボッタスがキャデラック行きを決めたたため、2026年の彼らのリザーブドライバーには、ジャック・クロフォード(アストンマーティン)とルーク・ブラウニング(ウイリアムズ)が就任予定だ。

周は現在、フェラーリのリザーブドライバーのひとりであり、今年はアントニオ・ジョビナッツィが数戦で周の代役を務めている。キャデラックが必要に応じて周を活用するのは理にかなっていると考えられ、それはハースについても同様だ。
結局のところ、代役として招集されるのは常に難しいことだが、これがカスタマーチームの場合であれば、少なくとも周はフェラーリのパワーユニット、ギヤボックス、その他のシステムの経験があるため、学習プロセスを加速させるのは容易であると考えられる。
キャデラックは、現在中国とアメリカの経済緊張が非常に高まっているため、アメリカのブランドが中国人ドライバーを起用することによる悪評が広がるのを避けるために、必要に応じてフェラーリのリザーブドライバーを起用する契約について“何も発表しない”という選択をとるかもしれない。しかしながら、チームに近い情報筋によると、来年周をスタンバイさせることが新チームにとって、もっとも可能性の高いシナリオであるという。