F1タイGPがまもなく正式始動か。複数プランを検討し、バンコクでの市街地レースを予定
タイGPはF1カレンダーにまもなく追加され、2028年以降は首都バンコクでのストリートレースの開催枠が設けられるとみられる。
タイ政府は1週間後、グランプリ主催者が地元当局と協力して実施した実現可能性調査を分析し、これを承認してプロジェクトにゴーサインを出す予定だ。政府会合はスペインGPの翌週の6月4日(水)に開催されるが、地元筋によるとこの計画の承認は形式的なものとみられている。
タイのペートンタン・シナワット首相は、先週末のモナコGPに出席し、F1のステファノ・ドメニカリ会長兼CEOと会談し、6月中に発表される予定の契約の最終的な詳細を詰めたと考えられている。月曜日、政府報道官のジラユ・フアンサブは、首相がいわゆる“持続可能なF1プロジェクト”を内閣に提案すると述べ、レース関係者らも首相の計画に好意的に反応していると付け加えた。
タイ政府は、いくつかの代替案を検討した結果、このイベントをF1カレンダーにいち早く追加するにはストリートサーキットが最善の解決策であると判断した。サーキットに選ばれたエリアはバンコクの中心部とチャオプラヤー川の間に位置しているため、イベントに素晴らしい景色が加わることになる。
ドメニカリの将来の計画では、ヨーロッパでのグランプリ開催数を8回に制限して、フライアウェイレースに16の枠を残そうとしていることから、東南アジアでのレースの追加はヨーロッパでのイベントを犠牲にする可能性が高い。韓国とインドも将来出場枠を争うことから、この地域でもローテーションシステムが必要になる可能性がある。日本、中国、シンガポールは長期にわたって世界選手権に定着しているため、すべてのF1関係者が合意した1シーズンあたり24グランプリの制限を守るために、レースをローテーション制にする必要があるだろう。
シンガポールGPの契約は2028年末に終了するが、開催権料が大幅な上昇を続けた場合、同国政府が契約延長を望むかどうかはまだ保証されていない。一方、日本GPは2029年末までカレンダーに確保されており、中国GPも2030年末まで継続される。シンガポールは、グランプリのコストと国民生活への影響を減らすため、今後ローテーションシステムに入ることにより関心を持つかもしれない。近い将来には、どこかがタイGPのために枠を空けなければならないという状況もある。
首都バンコクでストリートレースとして開催される可能性が高いタイGPの計画は、1年以上にわたって真剣な議論が行われてきた。タイ政府は“持続可能なレース”というアイデアを宣伝しており、フアンサブ報道官はグランプリがタイに6億ドル(約870億円)の利益をもたらす可能性があると述べた。