F1関係者への入国拒否が続くラスベガス。角田裕毅も足止め「危うく帰国させられるところだった。来られてラッキー」
F1ラスベガスGPのために空港に到着したRBの角田裕毅は、入国審査でトラブルに見舞われ、長時間にわたり足止めされた。今週、ラスベガスでは複数のF1関係者が入国を拒否され、なかには帰国を余儀なくされた者もいる。
2023年、F1初開催時のラスベガスでは、F1のホスピタリティで働くスタッフたちの一部が、アメリカでの仕事で報酬を得るにもかかわらず、取得していたビザは観光または短期出張に有効なものだったとして、入国を拒否された。今年も入国に関して問題が起き、グランプリの1週間前に、パドッククラブとF1エクスペリエンスのスタッフの一部がラスベガスの空港において入国を認められなかった。なかには今後5年間の入国禁止を言い渡された者もいるという。
角田もハリー・リード国際空港での入国審査で足止めされたと、ラスベガスGP前の水曜に明かした。
入国審査官とともに小さな部屋に閉じ込められた角田は、外部との連絡を取ることが許されなかったという。無事に入国審査を通過した彼のフィジオが、角田が連れ去られたところを見ており、先にラスベガスに到着していたRBのスタッフに伝えたが、彼らはそれ以上の情報を得ることができなかった。ファクトリーがあるファエンツァからラスベガスに向かう準備をしていた残りのレースチームメンバーたちは、ラスベガスに到着して初めて、状況を知ることになった。
角田は水曜夜、ラスベガスで「危うく帰国させられるところでした」と明かした。
「幸い、話し合いの末に、ようやく入国が許可されました。すべてがうまくいったわけですが、今ここにいるのはラッキーだと思います」
今年、アメリカではすでにマイアミとオースティンでF1が開催されているが、そこでは入国に何の問題もなく、オースティンから始まる前回の3連戦のメキシコシティ、サンパウロでもトラブルには見舞われなかった。
「ビザやすべてのものを用意しましたし、過去3戦ではスムーズに入国できていました。今回止められて、話をしなければならなかったのは、少し不思議です」と角田は語った。
角田は、空港到着時の服装が非常にカジュアルなものだったことで、自分がF1ドライバーだと言った時に、入国審査官を混乱させたのかもしれないとも話した。
「パジャマみたいな服装をしていて、ちょっと変わっているように見られたのかもしれません。彼らからのプレッシャーはすごくて、何も言えませんでした。何か言ったら事態がさらに悪化するような気がしました。入国できてラッキーでした」
角田は入国審査官に対して、同行していたフィジオを呼んで状況を説明してもらうという提案をしたが、誰とも連絡を取ることが許されなかったという。
「フィジオと一緒に移動していましたが、入国審査は個別に行われます。僕は部屋に連れていかれて、話をしているなかで、『一緒に旅行してきた人を呼んでもらえますか』と頼みました。『そうすれば彼が、僕のことやF1のことを説明してくれるでしょう』と言ったのです」
「でも彼らは誰かを呼んでくるとか、電話をかけることすら許してくれませんでした。チームやF1に電話をしたかったのですが、その部屋では何もできませんでした」
しかし話を続けていくなかで、入国審査官は、角田の言うことを信じ始めたようだ。
「給与のことなども聞かれました。それで彼は、僕がF1ドライバーだと分かったのです」