グランプリのうわさ話:アルバート・パーク・サーキット改修のためFIAが注視するふたつのコーナー
事件はサーキットの外でも起きている。もちろん、サーキットの中で起きているのは言うまでもない。水面下で蠢くチーム、ドライバー、グランプリにまつわる未確認情報を調査員が独自に調査。送られてきた報告書を公開する。
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アルバート・パーク・サーキットでは、来年のオーストラリアGPまでにさらに改修が行われる予定で、FIAはふたつのコーナーを注視している。今年ターン6に用いられた解決策は、ドライバーを満足させるには程遠かった。また、非常に高速となるターン10のランオフエリアに変更を加えるよう求める声もある。そこでは先週金曜日のフリー走行1回目で、オリバー・ベアマンが高速走行中に事故を起こしている。
フェルナンド・アロンソは、ターン6の状況について語ったドライバーのひとりで、「レース中にコースアウトしたとき、これまでずっと走ってきたのとまったく同じラインを走ったが、前のクルマが少しコースアウトして、縁石とコースに大量の砂利をまき散らした。僕は足を取られてどうすることもできなかった」と語った。
アロンソは、「おそらく、あのコーナーの設計をやり直す時期が来ている。今の状態では、少しコースアウトすると砂利を持ち上げて後続車の進路にまき散らすことになってしまう。それはいいことではない」と考えている。
湖の後ろにある、第2セクターの超高速S字のターン10に関しては、ドライバーたちはその設計に非常に満足しているが、コースの左側にあるランオフエリアが懸念を引き起こしている。ベアマンの事故は、2009年に同じコーナーでティモ・グロックが経験した大クラッシュとそれほど変わらない。
どちらの場合も、ドライバーはマシンが空中に浮いたことでコントロールを失った。芝やグラベルは、回収車両がコースに到達するための小さな舗装路代わりとなる。マシンがコースを外れてそこに衝突すると、四輪すべてが地面から離れて制御不能になってしまう。FIAに近い情報筋によると、コンピューターシミュレーションで新たな解決策のテストが実施されているという。適切な解決策が見つかった場合には、来年のレースに向けて同ランオフエリアを変更するよう、オーストラリアGPのプロモーターに提案が行われる予定だ。
マドリードで開催される予定のグランプリが実際に2026年の世界選手権のカレンダーに含まれているのかどうかについて、F1内部では懸念が高まっている。昨年のカタールと同様、スペインのプロモーターの代表団がメルボルンに数日間滞在し、F1や各チームおよびF1エクスペリエンスやパドッククラブ、ファンゾーンなどのグランプリに欠かせない組織に対し、計画のプレゼンテーションを続けた。
誰もが行われたプレゼンテーションに感心している。しかしF1の情報筋は、サーキットが建設される予定のエリアで実際の基礎工事がまだ始まっていないという事実に、ますます懸念を強めている。オーストラリアでパドックのベテランのひとりは、「掘削作業が行われているのを見たいが、今のところ実際の作業はひとつも見ていない……」と語った。
一方、マドリードでグランプリを運営するカタルーニャのプロモーターが行った改修は、F1とFIAの両方に感銘を与えており、バルセロナのコースは2026年の現在の期限を超えて契約を延長するのに有利な立場にいる。
記憶している限りでは初めて、メルボルンのパドックに本物のチェス盤が持ち込まれた。ルイス・ハミルトンのスタッフ数名が、オーストラリアの狭いホスピタリティエリアにフェラーリが設置できた数少ないテーブルのひとつにそれを置いた。金曜日、FP2の開始直前にボードが取り出され、すべてのピースが正しい場所に配置された。ハミルトンとシャルル・ルクレールがテーブルのそれぞれの端に座ったのは、セッション後の報告を終えてからだった。
スクーデリアのふたりのドライバーは、2月のうちにどちらもチェスの愛好家であることに気づいており、ロンドンで開催されたF1 75Liveイベント中にオンラインでプレイしている姿がすでに見られていた。
しかし、今や彼らはグランプリの週末に遊ぶための本物のボードとピースを手に入れた。そのセットはフェラーリのホスピタリティの巡回貨物の一部となり、今年の残りの23レースにも運ばれるはずだ。ルクレールとハミルトンはコース内外での多くの任務の合間に、リラックスした時間を過ごすことができるだろう。