2025.10.22

ハミルトンを襲った突然の失速。選手権2位を争うなか、最終ラップであわや4位を失う事態に


サーキット・オブ・ジ・アメリカズを走るルイス・ハミルトン(フェラーリ) 2025年F1第19戦アメリカGP
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 ルイス・ハミルトン(フェラーリ)は、10月19日にサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)で開催されたF1第19戦アメリカGPを4位で終え、オースティンでフェラーリのために好成績を収めた。しかし、国際映像には映っていなかったが、7度の世界チャンピオンであるハミルトンは最終ラップでトラブルに見舞われており、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)にそのポジションを奪われるところだった。

 ハミルトンはレース前半、ルクレール(フェラーリ)とランド・ノリス(マクラーレン)のすぐ後ろを走っていたが、22周目にルクレールがタイヤ交換のためにピットインした際に、最終的にチームメイトを追い抜いた。

 しかしながら、ハードタイヤを履いたハミルトンは、そのふたりに追いついていくことができず、ファイナルラップ突入時には、周回数を重ねたミディアムタイヤで大いに苦戦していたチームメイトからすでに10秒遅れていた。その後、突然タイミングスクリーンが、ハミルトンが各セクターで数秒を失い、56周目の最終ラップタイムがレースウイナーのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)より5秒遅かったこと、そして5位でレースを終えたピアストリとは1秒差だったことを示した。

『SF-25』から降りたハミルトンは、「何が起こったのかよくわからない」と説明。そして次のように状況を語った。

「ターン5に入った時に何かにぶつかったような気がして、突然、ひどいアンダーステアになった。パンクしたのかもしれないと思った」

「それを頭に入れながらターン11でブレーキをかけたが、状況は変わらなかった。『一体何が起こっているんだ?』という感じだった。でも、なんとか最後の数コーナーを持ちこたえることができた。そこでも大きなアンダーステアが出ていたから、フロントウイングが壊れたか、右のフロントタイヤに何か問題が起きたのだと考えている。後ろからピアストリがとても近づいてきていたが、抜かれてなくてよかった」

3位表彰台を獲得したシャルル・ルクレール(フェラーリ)に次ぐ、4位でフィニッシュしたルイス・ハミルトン(フェラーリ)

 終盤の危機にもかかわらず、ハミルトンは予選とレースで見られたレースペースに勇気づけられたという。このフェラーリ・ドライバーは、スタート直後にジョージ・ラッセル(メルセデス)を抜き、レースを通してタイトル候補のピアストリを抑え込んだあと、「今日は間違いなくペースが素晴らしかった」と認めレースウイークを振り返った。

「FP1の後、セットアップの面で間違った方向に進んでしまい、週末の残りの時間ではFP1で得たペースを維持できなかった。それでも、今日は多くの収穫があった。戦略面のミスから最終的に10秒ほど後れを取ったため、その点では少し苛立ったが、チームにとっては素晴らしいポイントになったと思う」

 コンストラクターズ選手権の2位争いにおいて、フェラーリ(334pt)がメルセデス(341pt)との差を縮めるなか、ハミルトンは古巣のメルセデスと、僅差の4位となっているレッドブル(331pt)に勝ってその目標を達成するために何をする必要があるかということについて、自身の見解を述べた。

「とにかく一貫性が必要だ。安定した状態でフィニッシュし、もしくはどこかの時点で表彰台に上がり、メルセデスより上位で終えるのが目標だ」と語ったハミルトン。そして彼は最後に、「チームがコンストラクターズ・ランキングで2位を獲得する役に立てたら、それは素晴らしい一年の締めくくりになるだろう」とつけ加えた。

ルイス・ハミルトン(フェラーリ) 2025年F1第19戦アメリカGP


(Text:GrandPrix.com / Translation:AKARAG)

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