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グランプリのうわさ話：キャデラック、2025年仕様のシャシーで衝突テストを実施
事件はサーキットの外でも起きている。もちろん、サーキットの中で起きているのは言うまでもない。水面下で蠢くチーム、ドライバー、グランプリにまつわる未確認情報を調査員が独自に調査。送られてきた報告書を公開する。
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キャデラックは、チームが2026年初頭から世界選手権に参加するためにFIAと商業権所有者からようやく承認を得たため、すでに初のF1シャシーとなるものの設計と開発に忙しい。しかし、一方でマイケル・アンドレッティのリーダーシップの下にいたシルバーストンを拠点とするスタッフたちは、すでに2025年仕様の完全なシャシーを設計し、ファクトリーのセブンポストテストリグで静止試験を行うために、最初のモノコックの製造を進めていた。
初期テストの後、来年のマシン設計と構築に全力を注ぐなかで、キャデラックは、2026年のマシンに必要なすべてのデータを設計チームに提供するため、レースで走っていない未テストのシャシーの完全な衝突テストを実施することを決定した。
■regist■元ルノーのテクニカルディレクターであるニック・チェスター率いる設計チームは、来年のマシン重量を最小限に抑えながら、FIAが義務付ける衝突テストに合格するためには、どのような構造を導入する必要があるかを正確に把握している。これは、来年の初めから競合する10チームとは異なり、学習すべきデータの蓄積がない新しいチームにとっては貴重な知識となる。
フェラーリのテストチームはここ数日忙しくしており、3人のドライバーが2年前のSF-23でムジェロを走行している。まず、アーサー・ルクレールとディーノ・ベガノビッチは、フェラーリが所有するトスカーナのサーキットでそれぞれ1日ずつ走行し、アーサー・ルクレールはスペインGPで予定されている今年初のFP1出場に向けて準備を進めた。一方、FIA F2選手権タイトル獲得に全力で取り組む若きスウェーデン人ドライバーのベガノビッチは、チームのシミュレーターでの他の任務に戻る前に、完全にリフレッシュするよう指示を受けた。
ムジェロで丸一日を過ごしたもうひとりのドライバーは、フェラーリのテスト兼リザーブドライバーの周冠宇だ。彼は、シャルル・ルクレールやルイス・ハミルトンが突然欠場する場合に備え、スピードを出してレースに出る準備を整えていた。周は、これまでフィオラノ・サーキットでテストをしたのは一度だけだ。彼は、スクーデリアがムジェロで行った3日間のテストを終え、現世代のマシンでは、厳しいコースでどのような感触を味わうことになるのかということを初めて実際に体験した。
F1コミュニティと、特にフェルナンド・アロンソは、2001年にアロンソがミナルディでグランプリ初シーズンを迎えて以来、彼とともに仕事をしてきたイタリア人フィジオの、ファブリツィオ・ボッラの死を悼んでいる。ボッラはその間に他のドライバーとも仕事をしていたが、2007年にアロンソがボッラをマクラーレンに連れて行ったことで、彼とアロンソの関係はより強固なものとなった。
2007年ハンガリーGPの予選セッション終盤、アロンソとハミルトンが互いに邪魔をしてチームに損害を与えた後、控えめなボッラは突如としてスポットライトの下に押し出されることになった。
腹を立てたロン・デニスは、ボッラがアロンソのピットストップのタイミングを計り、ハミルトンが最後のフライングラップを走るのに間に合わないようにしていたのではないかと疑い、アロンソがマシンから降りるとすぐにこのイタリア人を一緒に連れて行き、彼と対峙したのだった。
ボッラは、世界チャンピオンのアロンソがマクラーレンからルノーに戻り、そこからフェラーリ、マクラーレン、ふたたびルノー、そして最終的にアストンマーティンに移籍する間も、揺るぎない支持を続けた寡黙な人物だったが、18カ月前に悪性癌と診断され、治療に専念するために仕事を休まなければならなかった。
体調が少しよくなったボッラは、昨年のオランダGPに息子とともに参加し、アロンソのサポートを続けた。これが彼にとって最後のF1参戦となった。64歳にしてボッラはこの世を去り、アロンソはこの知られざるF1のレジェンドに数多くの追悼の言葉を捧げている。
