2026.04.17

FIA、F1を支えるボランティアの貢献を称賛。経済的価値は年間約24億円


2026年F1第2戦中国GPスプリント/予選日 チェッカーフラッグを振るマーシャル
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 FIA国際自動車連盟が、世界各地のイベントでコースマーシャルやピットマーシャルを務めるボランティアの価値を調査し、その働きの重要性をあらためて強調した。特にF1での活動に焦点を当てた今回の調査では、各グランプリで何百人ものボランティアが匿名の存在としてレース運営を支えている実態が浮かび上がっている。

 言うまでもなく、こうした人々がいなければレースは成立しない。マーシャリングはモータースポーツ運営に欠かせない重要業務であり、FIAもその点を踏まえて、ボランティアの貢献が持つ経済的インパクトについて初の調査を行った。

■年間2万人以上の情熱が支える世界選手権

 先週後半に公表された報告書によると、全24戦のグランプリ開催において、彼らの献身的な活動を金銭に換算すると1320万ユーロ(約24億円)に相当するという結論に至っている。この文書では、グランプリ開催に不可欠なボランティアの規模と重要性が詳しく示されている。

 調査によると、F1の各グランプリでは平均838人のボランティアが必要とされている。その役割は、トラックマーシャル、ピットマーシャル、フラッグマーシャル、救出作業の専門スタッフ、ピットやコース上の監視担当者、回収車両のオペレーター、医療スタッフなど多岐にわたる。

ランス・ストロールのリタイア車両を回収するマーシャル
2026年F1第2戦中国GP決勝日 リタイアしたランス・ストロールのアストンマーティンAMR26を回収するマーシャル

 FIAの教育部門が実施した今回の研究では、1戦あたりおよそ850人近いボランティアが必要であることから、F1世界選手権は年間で2万人を超える熱心なファンの支えを受けて成り立っていると指摘された。

■無給休暇でサーキットに集う現状と将来への提言

 またこの調査では、こうした2万人超のボランティアを募集し、育成し、各イベントへ送り出すために、FIA加盟クラブ側がおよそ1110万ユーロ(約20億円)近いコストを負担していることも明らかになった。さらに、もしボランティアではなく業界標準の人件費で専門職を雇用して代替した場合、年間で少なくとも追加で1320万ユーロ(約24億円)が必要になるという。

 報告書では、F1の週末に活動するボランティアの大多数が、サーキットに5日間連続で滞在するため、無給休暇を取って参加している点にも言及している。こうした現状を受けてFIAは、将来に向けて持続可能な体制づくりをより重視する姿勢を示している。

 そのため報告書は、「F1世界選手権の継続的な高水準は、ボランティアの善意に場当たり的に頼る形から、より体系的で専門的なボランティア管理モデルへ移行することにかかっている」と結論づけた。さらにその実現に向けて、「FIAは、この分野の活動を支援する複数の常勤職を含む、専任のオフィシャル部門を設けることで恩恵を受けるだろう」と提言している。

■専用トレーニングセンター設立の構想も

 この報告によれば、FIAはすでに将来のオフィシャル育成を支援するハイパフォーマンス・プログラムに対し、年間約35万ユーロ(約6000万円)を投じている。今後はその資金拡充も見込まれているが、FIAはさらに一歩踏み込み、専門のオフィシャルトレーニングセンターの設立も求めている。

 FIA会長のモハメド・ビン・スライエムは、この報告書はグランプリ運営におけるボランティアの価値をあらためて確認するものだと述べた。ビン・スライエム会長は、「FIA F1世界選手権はボランティアに支えられている。彼らは我々のスポーツの屋台骨であり、彼らなしにレースを行うことはできない。競技の安全性と公平性を確保し、ドライバー、チーム、ファンを支えている」と語っている。

グリッド上のマーシャル
2026年F1第3戦日本GP決勝日 グリッド上のマーシャル

 そして最後に、ビン・スライエム会長は「FIAは彼らの貢献を深く評価している。この画期的な報告書は、彼らの役割について重要な知見をもたらすだけでなく、FIAの大きな投資を認識し、今後も最も効果的な形で支援を続けていく助けになる」と述べ、ボランティアの働きを称賛した。



(GrandPrix.com)

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