2026.03.26

【F速プレミアム】
メルセデスだけが圧倒する状況に「本当のF1ファンが気に入るとは思えない」/フェルスタッペン密着コラム


(c)XPB Images
 いよいよ始まった2026年のF1シーズン。しかし、第1戦オーストラリアGP、第2戦中国GPでは満足な走りができなかったマックス・フェルスタッペン(レッドブル)。マシン性能だけでなくエネルギーマネージメントのシステムにも不満を募らせている。F1スイス在住のF1ジャーナリスト、マチアス・ブルナーがフェルスタッペンの開幕2連戦を語る。

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 マックス・フェルスタッペンは不満を隠そうとしない。この新世代のF1マシンは、彼にとって最悪の代物だからだ。元世界選手権王者は、これはもはや純粋なレースではなく、エネルギーマネージメントの選手権に過ぎないと感じている。

 メルボルンでの開幕戦の予選Q1で、フェルスタッペンは普通ならありえないようなスピンを喫してクラッシュした。原因はエネルギー回生システムの問題にあり、このため彼は20番手グリッドからレースをスタートしなければならなかった。それでも、日曜にはいかにも彼らしい獅子奮迅のドライブを見せ、見事に6位でフィニッシュしている。グリッドについた時にはバッテリーの充電レベルがゼロに近く、スタート直後はパワーユニットの出力が半分しかない状態だったにもかかわらずだ。
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 第2戦の中国では、マックスはひどくバランスの悪いクルマと格闘しながら、予選を8位で終えた。しかし、ここでもひどいスタートで大きく順位を下げ、最終的にはパワーユニットのトラブルでリタイアを余儀なくされた。バッテリーパックの冷却システムに異常が生じたためだ。

 この2戦を終えた時点で、グランプリ通算71勝を記録したフェルスタッペンは、もう今季のクルマにすっかりうんざりさせられている。例によって歯に衣着せず、彼は私たちが愛するこのスポーツに警告を発した。

「悪いけど、本当にひどいとしか言いようがない。もしこれが気に入ったという人がいるなら、その人たちはレースとは何なのかを分かっていない。僕には全然楽しくないね。マリオ・カートをプレイしているみたいだ。ブーストを使って競争相手を抜いたら、次のストレートではバッテリーが空になっていて、その相手にブーストを使って抜き返される。これはもうジョークだよ」

 またフェルスタッペンは、今季のF1がより質の高いレースになったとも考えていない。「いまのところ、勝てるのはキミ(アントネッリ)とジョージ(ラッセル)だけだよね。本当なら複数のトップチームが優勝を争う状況であってほしいのに、そうなってはいない。メルセデスが他のすべてのチームを大きく引き離しているからだ」

「フェラーリだけはスタートが速いから、序盤は先頭争いでメルセデスにプレッシャーをかけられるけど、それもほんの数周だけだ。しばらくすると、やはりメルセデスがトップに立っている。こんなのレースではなくて、何か別のものだよ。そして、もし僕が勝てる立場にいるとしても、やはり同じことを言うだろう。自分が上位を争えないから文句を言っているのではなく、レースの質について心配をしているんだ。これはレースではない」

 この問題について、マックスはFIAやFOMと話し合うつもりがあるのだろうか。「彼らとこういう話をする時には、ものの言い方に気をつける必要があるからね。ともあれ、ドライバーの大半が不満を感じているのは、彼らも知っていると思う」

「なかには、自分たちが優位に立てるという理由で、このF1がいいと言う者もいるはずだ。それはまあいいだろう。何らかのアドバンテージを持っている時は、それを手放したくはないものだ。だけど、ドライバーの多くはこれを気に入っていないし、僕には本当のF1ファンが気に入るとは思えない。これが面白いと言うファンもいるかもしれないが、それはレースというものを理解していないからだ」

「これは最終的にはF1を損なう結果を招くだろう。きっと、あとで泣きを見ることになるよ。しかも、この状況に関しては、政治的な面も少なからずある。現状で自分たちにアドバンテージがあると思う人は、それを失いたくないだろうからね。それは理解できるよ。僕だってバカじゃない。ただ、そうは言っても大局的な見地、あるいはドライバーの立場に立って見て、なおかつ本当のファンの意見に耳を傾けるなら、答えは明らかだ。いまのこの状況は、F1というスポーツにとって良いものではない」

(c)XPB Images
(c)XPB Images

(Mathias Brunner/Translation:Kenji Mizugaki)

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