慎重な受け答えに徹した復帰のコラピント「ただ一歩一歩進んでいくだけ」5戦限定出場の詳細は語らず/F1第7戦木曜会見
2025年F1第7戦エミリア・ロマーニャGPの木曜会見第1部には、ほぼ半年ぶりにレースに復帰したアルピーヌのフランコ・コラピントが出席した。当然ながら質問が集中したが、ジャック・ドゥーハンをわずか6戦で交代させたという状況もあって、慎重な答えに終始した。
Q:フランコ、おかえりなさい。F1で再びレースができることに、どれくらいワクワクしていますか?
コラピント:「すごくワクワクしているよ。ただ、もうひとりのドライバーのシートに座るというのは、決して素晴らしい状況ではない。でもF1では、いつレースに出場するかを選ぶことはできない。すべてを受け入れ、ベストを尽くし、チャンスを最大限に活かそうと努めるだけだ」
一方でコラピント自身の契約もシーズン終盤までではなく、5レースのみと発表された。
Q:5レースの復帰とされている理由を説明していただけますか?
コラピント:「ドライバーとしては、ただ一歩一歩進んでいくだけだ。アルピーヌのマシンのことをまだよくわかっていないので、まずは基本をしっかりこなす。そうすれば結果がついてくると信じているよ。ただチーム間のパフォーマンスは非常に拮抗しているし、サーキットごとに大きく立ち位置は大きく変わる。最大の目標は、マシンをより速くすることだ」
5レースのみの契約についていっさい言及しなかったコラピントに、さらなる質問が飛んだ。
Q:5レースしか出場できないと言われた時のあなたの反応は? 他のドライバーたちは、わずか5レースだとオーバードライブしてミスを犯しやすいと言っています。それを避けるための対策は考えていますか?
コラピント:「わからない。今は実際に走ってみるだけだ。でも確かなのは、素晴らしいチャンスが目の前にあるということだ。5レースのことなんて考えていないよ。ただただ幸せな気持ちなんだ。カルロス(・サインツ/ウイリアムズ)が『新しいマシンに慣れるには10レース必要だ』と言っていたよね。当然5レースでは足りないと思う。でも今はチームのために、ベストを尽くすだけだよ」
そして第2部では、目覚ましい活躍を見せる18歳のルーキー、アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)が登場した。
Q:前戦マイアミGPでは、スプリント予選で最速でした。今、マシンにどれくらい自信がありますか?
アントネッリ:「開幕戦の頃に比べれば、ずっと自信を持てているね。マシンに慣れ、タイヤのことも理解できるようになった。マイアミのスプリント予選は、タイヤの性能を最大限に引き出せたと思う。レースは思い通りに行かなかったけど、自信が損なわれることはなかったよ」
Q:今週末の母国レースで、初表彰台を夢見ていますか?
アントネッリ:「うちの家族はすごく迷信深くて、そういう希望を口にすると実現しないと信じている。僕にもそういう面がある。もちろんここで表彰台に立てたら最高だけどね」
実はメルセデスの先輩ルイス・ハミルトンが、アントネッリにメモを残していたという。
Q:去年、ハミルトンがあなたに向けてメモを残したそうですね。具体的な内容には触れたくないと思いますが、それを読んだ時の気持ちはいかがでしたか?
アントネッリ:「ルイスがどんな人間なのかを、とてもよく表していると思う。ルイスはものすごく多くのことを成し遂げ、今もなおベストを尽くしている。そんな彼からのメッセージに、本当に心が満たされた。メモにはアドバイスも書かれていて、僕はそれをモチベーションにして、ベストを尽くしているよ」
Q:そのメモは取ってありますか?
アントネッリ:「実は壁に貼ってあるんだ。とても素敵なメッセージで、部屋に入るたびに目に飛び込んでくるので、本当にいい思い出になっているよ」
具体的にどんなことが書かれているのか、さぞ励まされる内容なのだろう。
ちなみにアントネッリは、まだ現役の高校生でもある。
Q:F1ドライバーとしての生活と、勉強の両立はどのようにしていますか?
アントネッリ:「今は学校に通えていないけど、できるだけ勉強するようにしているよ。遅れを取り戻そうと、学校からのサポートも受けている。でも簡単じゃない。この仕事はものすごいエネルギーと努力が求められるからね」
今週末のイモラは、アントネッリの自宅のあるボローニャからわずか50km足らず。文字通りのホームレースだ。そして普段なかなか会えない高校の同級生たちを、アントネッリはサーキットに招待した。
Q:あなたのク??ラスメイトたちが大挙して来ていましたね。
アントネッリ:「僕が企画して、メルセデスのスタッフに全面協力してもらったんだ。友人たちにとって、F1の世界を自分の目で見るいい機会になったのではないかと思う。たとえテレビで見ていたとしても、実際に何が起こっているのか、間近ではなかなか見られないからね。このあと、僕の乗るマシンも見てもらおうと思ってる。彼らとはあまり会うことはないので、こうやって関係を維持できるのはすごく嬉しいよ」