2026.02.16

メルセデスF1代表、圧縮比問題にコメント「パフォーマンス上のメリットは微々たるもの。大騒ぎするのは馬鹿げている」


2026年F1プレシーズンテスト(第1回バーレーン) ジョージ・ラッセル(メルセデス)
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 メルセデス以外のF1パワーユニットマニュファクチャラーとその搭載チームが、エンジンの圧縮比検査が早急に厳格化されることをFIAに対して求めているとみられており、それが実現した場合、メルセデスとそのパワーユニットを搭載するチームには影響がおよぶはずだ。しかしメルセデスのトト・ウォルフ代表は、圧縮比に関して同社が取り入れた手法によって得られる優位性は小さなものであり、大騒ぎをするのは馬鹿げたことであると語った。

アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)
2026年F1プレシーズンテスト(第1回バーレーン 3日目) アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)

■圧縮比規制を巡る攻防と各陣営の思惑

 2026年にはエンジンの圧縮比の上限がこれまでの18:1から16:1に引き下げられる。この規則を順守しているかどうかの検査は常温状態で行われるが、メルセデスとレッドブルは、コース走行時、エンジンが高温になった時だけ上限を上回る仕組みを考え出したといわれている。

 他のパワーユニットマニュファクチャラーは、メルセデスらが規則の抜け穴を利用して優位性を得ることを防ぐための措置をFIAに対して求めている。そして大きな効果を得られなかったレッドブルが、メルセデスに敵対する勢力側についたとのうわさもある。

「今回表面化したこの問題全体は、大げさに誇張されている」とウォルフはバーレーンで述べた。

「ライバルたちが、その差がいかに小さいかを知れば、これほど重要視して大騒ぎするのは少しばかり馬鹿げていることが分かるだろう。しかしこれがF1であり、昔からそうだった。政治的なロビー活動があり、規則がどのように作られるかに影響を与えようとする試みがある。それはそれで構わない」

 メルセデスがエンジンの圧縮比を高める方法を見いだしたとされる点について、他マニュファクチャラーがそれを再現するには何カ月も必要となる可能性が高いという事実を無視しつつ、ウォルフは、「性能向上は微々たるもので、グランプリの過程において大きな差を生むことはほとんどない」と主張した。

メルセデスF1代表トト・ウォルフ
2026年F1プレシーズンテスト(第1回バーレーン) トト・ウォルフ代表(メルセデス)

■ADUOは効果的とウォルフ。開幕直前のルール変更には懸念

 その一方で、このような遅い時期のルール変更は「我々がどのような先例を作るのか、新ルールを導入することの複雑さは何か、どのようにそれを監視するのか、調整が必要だと感じた場合にどのように調整するのか、それがADUO(追加開発およびアップグレードの機会)、つまりエンジンのバランシングシステムにどう影響するのか、ということの方が重要だ」とウォルフは述べた。

 ウォルフによれば、新たな仕組みADUOは、パフォーマンス上の不利を証明できるライバルたちにとって救済となるはずであるという。

「6戦を終えた時点で、自らがADUOの対象だと信じる者全員に追いつくチャンスがある。6戦後にエンジン変更の可能性があると分かっていれば、すぐに圧縮比に目を向けてエンジンを全く異なる形で開発し始めることができるからだ。未知の影響は甚大であり、定量化できない」

 しかし、ウォルフの発言を鵜呑みにするべきでないかもしれない。問題が明るみに出たのは、メルセデスでかつて働いていたエンジニアがレッドブル・パワートレインズへ移籍し、ブリックスワースで開発されたシステムの再現を試みたものの成功しなかったことがきっかけとの説がある。現状では、5月第1週末に予定されているマイアミGPまでに、他マニュファクチャラーが同様のシステムの開発に成功することは不可能とみられる。

 ウォルフは状況の政治的側面に焦点を当て、「(バーレーンテスト前の)金曜日までは状況は変わらないという印象を持っていたので、少し混乱している」と述べた。

 FIAがルール変更を強制しないと表明していることに触れ、ウォルフは「それを実現するにはチームの投票だけでなく、統括団体の票、そして商業権保有者の票も必要だ」と指摘した。ただし「もし彼らが意見とアジェンダを共有する決断をすれば、そのときは我々はお手上げだ」とも認めている。

 ウォルフはまた、メルセデス製パワーユニットを搭載する8台が変更を強いられた場合の壊滅的な影響についても警告した。

「エンジンは長期間かけて開発するものであり、リードタイムが存在する。開発してきた方法でエンジンを運用できないと言われれば、パフォーマンスにとって相当な打撃となり得る」

 そのうえで、彼は、メルセデスが法的措置に出る可能性を否定し、「我々が誰かを訴えるというようなシナリオは存在しない」と述べた。

「我々が行ったことは規則に従っているという保証はすべて得ている。巨大なパフォーマンス向上について議論しているわけでもない。ただ、競合他社すべてが少し不満を抱き、長い間、FIAにロビー活動を行ってきたのだと思う」



(GrandPrix.com)

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