2022.06.16

【F速プレミアム】
グランプリのうわさ話:伝統だけでは生き残れない。アメリカ式のイベント導入を目指すスパ・フランコルシャン


(c)XPB Images
 事件はサーキットの外でも起きている。もちろん、サーキットの中で起きているのは言うまでもない。水面下で蠢くチーム、ドライバー、グランプリにまつわる未確認情報を調査員が独自に調査。送られてきた報告書を公開する。

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 ベルギー国内で、伝説的なスパ・フランコルシャン・サーキットでのF1開催が今年限りでなくなってしまうのではないかという不安の声が上がっている。伝えられるところでは、F1のCEOであるステファノ・ドメニカリとの会議後、主催者側が計画を進めていないという。

 主催者はこれまで、6000万ユーロ(約84億2800万円)をかけてコースの安全設備を全面的に改修してきた。これは、F1レースをよりチャレンジングにするためであると同時に、MotoGPが開催できるように承認を受けるためという理由もあった。
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 主催者はまた、リバティ・メディアのマネジメントの要望に沿って、今年のグランプリではエンターテインメントの要素も増やす予定だと認めた。先日、スパのコマーシャルディレクターを務めるステイン・ド・ベイバーは次のように語った。

「エンターテインメントの要素を増やすようにF1から求められたのは事実だ。彼らからは、スパの歴史は素晴らしいが、さらに多くのものが必要だと言われた。我々はその声に耳を傾け、彼らが考える新しい形のF1イベント、つまりアメリカ的でエンターテインメント要素が盛りだくさんのイベントをつくろうと決断した。現在、さまざまな計画を進めている。コースの周囲にDJを置き、独占イベントを実施し、ファンゾーンやスポンサーのスペースを展開する予定だ。伝統的なグランプリに、新しい華やかさが加わることだろう。将来もレース開催を続けようとするなら、我々も時代に合わせて変わらなければならない」

 2023年以降もスパ・フランコルシャンを毎年カレンダーに残すためには、それだけで十分とは言えないのかもしれない。しかし、ベルギーでは多くの人々が、今後はフランスGPかドイツGPとの交互開催なら可能だと考えている。ドメニカリの計画では、2025年以降、30以上のF1レース開催地を抱えたうえで、毎年最大25レースを実施することになっているからだ。

リモート・レースコントロールの役割
(c)■news_photo_text■XPB Images
 1シーズンを通してふたりのレースディレクターが共同で仕事を行い、ハービー・ブラッシュが多くのレースでアドバイザーを務める、といった仕組みを含む新しいF1のシステムでは、ジュネーブのFIA本部に革新的な「リモートのレースコントロール」を置くことがその最も重要な特徴だった。

 FIA会長に新しく選出されたモハメド・ビン・スライエムは、システムの発表に際してこの点を特に強調しながら、「いわば各チームがファクトリーに持つバーチャルガレージで、エンジニアたちが常にシミュレーターを走らせ、ラップごとに戦略を書き換えていくようなものだ」と語った。

 しかし最近は、特にモナコなどでたびたび議論が噴出し、「リモートのレースコントロール」が果たして現場のレースディレクションにどれほど貢献できているのかを問う声が増えている。FIAに近い複数の情報筋によれば、ベン・スライエムは、そうした役割を担えるだけの経験を持ったレースオフィシャルを見つけられておらず、組織のなかではFIA本部でのフォローアップ業務を下位ランクのスタッフに頼っているものの、ニールス・ヴィティヒとエドゥアルド・フレイタスのアシスタントを務められるだけの知識と経験を持つ者がいないのだという。

 これまで誰ひとり「リモートのレースコントロール」による介入を聞いたことがないのは、そしてベン・スライエムの「レースディレクターはAmazonで買えるわけではない」と語っているように、おそらく理由はそこにあるのだろう。構想を実現させるための選択肢が他にないため、ベン・スライエムのフラストレーションも募っているようだ。

アルボン、ゲン担ぎの効果なし
(c)■news_photo_text■XPB Images
 F1第8戦アゼルバイジャンGPを走り終えたアレクサンダー・アルボンが、「これで赤毛は終わりだ」と宣言した。タイ出身のアルボンは、前髪を母国で「ラッキー」カラーとされる赤に染めていた。最初は、F1第3戦オーストラリアGPのためメルボルンへ飛び、ある学校を訪問したときに染めたものだったが、その後決勝レースで想定外とも言える入賞を果たしたアルボンは、次にポイントを獲得したらウイリアムズF1代表のヨースト・カピートも髪を赤く染めてほしいとリクエストした。

 第5戦マイアミGPでそれが実現すると、カピートは約束を守り、次のスペインGPでモーターホームの横にスタンドを設置して美容師に前髪を染めてもらった。すると、チームスタッフの多く、ひいてはライバルチームのメンバーたちまでもがこれにならって髪を染めた。しかし、その後バルセロナ、モナコ、バクーと不運なレースが3戦続き、アルボンは「これで赤毛はおしまいだ。もう染めないよ。髪の色はまたすぐ元に戻るだろうね」と記者たちに語った。好人物のアルボンは、「楽しかったよ。いいジョークだった。けれど、迷信をかついでいたわけじゃないからね」と話を締めくくった。

(Translation: AKARAG)

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