2022.07.23
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チームオーナー交代後、スタッフの大量離脱に直面するウイリアムズF1
(c)XPB Images
今年のウイリアムズF1チームは、期待をもたせた2021年シーズン後半の戦いぶりから前進できていない。著しく競争力に欠けた3年間を経て、昨年後半戦ではジョージ・ラッセルとニコラス・ラティフィが計6度の入賞を果たしたものの、現在はグローブにあるファクトリーのすさんだ労働環境が悪影響を及ぼしているようだ。
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2021年、アメリカの民間投資会社『ドリルトン・キャピタル』が新たなチームオーナーになり、ヨースト・カピートがクレア・ウイリアムズの後釜としてチーム代表に就任、さらにフランス人のフランソワ-グザビエ・ドゥメゾンが技術部門を引き継ぐと、ファンはおおいに熱狂した。ところが2022年になり、多くの経験豊富なスタッフがチームを去っている。そのうちの一部はF1の世界を完全に離れたが、かなりの人数がアストンマーティンとアルピーヌに移籍した。このふたつのチームはともにウイリアムズから比較的近い場所にあり、いずれも現在かなりの額を人件費に投じている。
ウイリアムズの情報筋によれば、現状を引き起こしているのは主にふたつの要因だという。まず初めに、ウイリアムズはこれまでもスタッフへの給料があまり高くないことで知られている。アストンマーティンは、前身であるジョーダン・グランプリの時代は、むしろウイリアムズよりも低い賃金だったが、ローレンス・ストロールが新規加入のスタッフに平均以上の給料を出しており、今やアストンマーティンは魅力的な存在となった。アルピーヌもまた、ライバルのウイリアムズより高い給料を出している。また、グローブから非常に近いので、スタッフはウイリアムズからアルピーヌに移った後でも自宅から長時間の通勤をせずにすむという利点がある。
大量離脱を生んでいるふたつ目の大きな要因は、旧幹部たちとフォルクスワーゲン・モータースポーツ出身の新しい指導者たち、カピート、ドゥメゾン、スポーティングディレクターのスベン・スミーツの考えかたが対立していることだ。いくつかの部門、なかでもコンポジットと製造関連は、効率性に著しく欠ける古いプロセスから抜け出せていないことが明白で、1980年代からウイリアムズに在籍していたスタッフの離脱を招いている。一方で、ごく最近では、新経営陣が行った変革が、相当数の経験豊富ではあるものの比較的若いスタッフたちを動揺させた。彼らは、作業手順を大幅に変えるのではなくチームを離れる道を選んだのだ。
他のチームが異なる額の給料を支払っているなかで、ウイリアムズは、相当数の若手スタッフを指導層に昇格させることを余儀なくされた。なかには2022年にジュニアエンジニアとして加わった者までいるほどだが、そのうちの一部は、自分たちがまだ学んでいる最中であり、たとえ小規模の部門であっても率いるだけの経験を備えていないと認めている。
マーケティングやコミュニケーションといった領域においてさえ、ファクトリーとコースの両方にわたって、異例といえる人員の異動が行われている。グローブ拠点の雇用はかなり不安定になっており、チーム運営の点でマイナス効果をもたらしているのは明らかだ。そしてそれは、今シーズンこれまでに結果が出ていないことにも現れている。
(Grandprix.com/Translation: AKARAG)
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