2022.08.14
【F速プレミアム】
王者フェルスタッペンの戦い:フェラーリの“協力”でチャンピオンシップをさらにリード
(c)Red Bull
F1第12戦フランスGPと第13戦ハンガリーGPで2連勝を飾ったマックス・フェルスタッペン(レッドブル)。ライバルであるフェラーリ側のミスもありさらにポイントを広げることができた。いったいフェラーリに何が起きたのか。スイス在住のF1ジャーナリスト、マチアス・ブルナーがレースを振り返る。
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元グランプリドライバーで、現役時代に通算6勝をあげたラルフ・シューマッハーは言う。「マックス・フェルスタッペンの世界選手権タイトル防衛に向けて、誰よりも大きな手助けをしているのはフェラーリだ」
「フェラーリはレッドブルと比べると信頼性に劣るだけではなく、フランスでレースをリードしていながらスピンで自滅したシャルル・ルクレールのように、ドライバーもミスをしている。また、イタリア人たちのレース戦略は、時として理解しがたいことがある。その好例がハンガリーでのシャルルのタイヤ選択だった」
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ルクレールがタイヤバリアに突っ込んでレースを終えたあと(彼は自身のドライビングミスだったことを認めている)、フェルスタッペンはポール・リカールでキャリア通算27勝目をあげた。これで優勝回数ではレース界のレジェンド、サー・ジャッキー・スチュワートに肩を並べたことになる。そして、ここで63点に広がったルクレールとのポイント差は、さらにハンガリーでの優勝により80点に達した。
だが、マックスは気を緩めてはいない。「得点差は考えずに、最初のプランをしっかり守るつもりでいるよ。何よりもまず、ひとつひとつのグランプリの週末で最善を尽くすことだ。どこの国で開催されるレースであろうと、毎回1点でも多く持ち帰ることが重要になる。日曜の夜に鏡の中の自分に向かって、『できることはすべてやりきった』と言えるようでありたい」
フランスでもフェルスタッペンはこのプランに忠実に戦った。レース序盤は、まるで影のようにルクレールの背後につけていたマックスは言う。「実際のところ、予想していたよりも楽について行くことができた」。アンダーカットを狙ったレッドブル陣営が、早めに彼をピットに呼び入れたことが功を奏し、ルクレールがクラッシュした時点で、すでにフェルスタッペンは実質的にレースをリードしていた。
ハンガリーで、彼は再びポディウムの頂点に立った。しかもこの通算28勝目は、10番手グリッドからスタートしながら、見事なパフォーマンスを発揮した末に勝ち取ったものだった。
ハンガロリンクでのレースは、冒頭のラルフ・シューマッハーの指摘が正しいと証明された、もうひとつの事例でもあった。ラルフは語っている。「フェラーリはレースのためにとっておくべきタイヤを、本番までに使い切ってしまった。その結果、彼らはまたしても間違った戦略を採ることになった。ピットでの作業にも問題があったし、さらに言えばレース終盤でのルクレールのピットストップは、まったく不必要なものだった。私の意見は以前と何ら変わらない。マックスとレッドブルにとって、フェラーリは最大の協力者だ」
フェルスタッペン自身は、こうしたラルフの主張を聞いてやや困惑気味だ。「僕としては、彼の意見に対して何と言っていいかわからない。正直なところ、ハンガリーのレース当日の朝には、勝つことなど少しも考えていなかった。あらゆることが順調に進めば、ポディウムに近いところまでは行けるかもしれない、予選で10番手に終わったから、それなら十分なダメージリミテーションになるだろうと思っていたんだ」
「ミスに関して言えば、故意にミスをする者はいない。つまり、僕たちにもミスを犯す可能性はあるということだ。ハンガリーではスタート前の時点で、このコンディションにはハードタイヤは合わないと見切りをつけて、十分な自信を持って戦略をスイッチした。ただ、予選でもエンジンにトラブルがあったように、信頼性の面ではこちらも完璧ではないし、僕自身もレース中にスピンをしてしまった。言ってみれば、フェラーリより少しラッキーだっただけなのかもしれないんだ。でも、安心してほしい。僕らは運に頼って戦うつもりはない。チームはクルマをより速くするためにハードワークを続けている。今年もタイトルを勝ち取るには、それが唯一の道だからね」
(c)Red Bull
(Mathias Brunner/Translation:Kenji Mizugaki)
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