2025.11.07

現行規則もあと1カ月。グラウンドエフェクトマシンは「恋しくならない」「この時代が終わることに少しホッとする」/F1木曜会見


2025年F1第21戦サンパウロGP FIA会見 左からピエール・ガスリー(アルピーヌ)、シャルル・ルクレール(フェラーリ)、ランス・ストロール(アストンマーティン)
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 2025年F1第21戦サンパウロGP開催直前、シャルル・ルクレール(フェラーリ)と恋人のアレクサンドラ・サン・ムルーさんの婚約が発表された。

Q:シャルル、まずは婚約おめでとうございます。F1パドック全体からも祝福の声が上がっていましたね。

ルクレール:ありがとう。本当にうれしく、特別な1週間だった。誰にとっても大きな節目となる瞬間だよね。アレックスとふたり、幸せを噛み締めているよ。

Q:次に結婚するドライバーは、誰だと思いますか?

ルクレール:ははっ、それは簡単だね。
ピエール・ガスリー:うん、シャルルがもう僕に指輪を渡してくれたんだ。
ルクレール:そう、ピエールだよ。でもこれからさらにプレッシャーをかけないとね。僕らは一緒に育ってきたから、次は彼の番さ。
ガスリー:もう十分にプレッシャーをかけられているよ!

 1歳違いのルクレールとピエール・ガスリー(アルピーヌ)は、F1ドライバーのなかでもかなり仲がいい。ルクレールの話からすると、ガスリーも婚約間近なのかもしれない。

ピエール・ガスリー(アルピーヌ)&シャルル・ルクレール(フェラーリ)
2025年F1第21戦サンパウロGP FIA会見 左手の薬指に指輪をはめてみせるピエール・ガスリー(アルピーヌ)と、それを笑顔で見守るシャルル・ルクレール(フェラーリ)

 今週末のレースに話を戻すと、ルクレール、そしてフェラーリも、なぜかブラジルでは結果を出せていない。フェラーリの勝利は2017年のセバスチャン・ベッテルが最後で、ルクレールはこれまで6回参戦して、2022年の4位が最高位だ。

Q:インテルラゴスは、まだ表彰台に立てていない数少ないコースのひとつですね。それでもここを走るのは好きですか?

ルクレール:大好きだよ。パフォーマンス的にも、決して悪くない。たとえば今年のブダペストのように、相性が悪いわけじゃない。なぜか日曜のレースでは、いつもうまくいかないんだよね。でも過去のことはあまり気にしていない。すべてを完璧にことなすことができれば、初表彰台の可能性は十分にあると思う。

Q:フェラーリにとっても、2022年のカルロス・サインツの3位が、最後の表彰台でした。

ルクレール:ここ2戦は勢いがあるし、流れとしては悪くない。ライバルチームが、ここでどの程度競争力があるのか、彼らが苦戦するのか、予測しても意味はない。自分がコントロールできること、自分たちの仕事に集中するだけだ。ブラジルは波乱の展開も多いから、もしかしたら単なる表彰台以上の結果もあるかも。どうなるか楽しみにしているよ。

シャルル・ルクレール(フェラーリ)
2025年F1第21戦サンパウロGP FIA会見 シャルル・ルクレール(フェラーリ)

 対照的にガスリーにとっては、特別なコースと言える。

Q:あなたにとっては思い出のある場所ですよね。

ガスリー:その通り。F1初表彰台が、ここだったしね。2019年の2位は本当に特別だった。そして去年も、エステバン(・オコン/現在はハースに所属)と一緒にダブル表彰台に立つサプライズが起きた。ものすごくカオスな展開を、生き残ることができたんだ。

Q:そのふたつの表彰台のうち、どちらがより特別でしたか?

ガスリー:初表彰台はやっぱり特別だよね。F1ドライバーとしてその瞬間の感情を初めて味わうわけだから。レースの最後にルイス(・ハミルトン)と並走してゴールしたシーンも最高だった。もちろん去年の表彰台も、アルピーヌのふたり、フランス人ドライバーふたりで表彰台に立てたという意味で、感慨深くてユニークな瞬間だったけどね。

ピエール・ガスリー(トロロッソ)
2019年第20戦ブラジルGP 2位に入賞したピエール・ガスリー(トロロッソ)

 もうひとりの出席者、ランス・ストロール(アストンマーティン)は、今季ここまで予選はフェルナンド・アロンソに全敗。そして決勝レースでも、ノーポイント状態が5戦続いている。それもあって、契約延長をすでに発表しているにもかかわらず、アストンマーティン離脱の可能性についての質問が飛んだ。だがストロールの答えは、完全否定だった。

Q:ランス、地元ブラジルの記者が「あなたがチームを離れる」と報じた件がありました。最近、フェリペ・ドルゴヴィッチもその噂を聞いたと言っています。真相は?

ストロール:フェイクニュースだよ。

 2026年の大幅な技術規則の変更で、F1マシンも大きく変わる。2022年に導入されたグラウンドエフェクトマシンについて、ドライバーたちはどう思っているのだろう。

Q:現行レギュレーションも、あと1か月で終わりです。この4年間のマシンについて、どんな印象を持っていますか? 楽しかったですか? それともサスペンションが硬すぎましたか?

ストロール:恋しくはならないね。この数年のマシンはとにかく硬かった。このレギュレーションの目的は「接近戦を増やす」ことだったけど、実際に達成できたかは疑問だ。そして重くなりすぎた。あまりにも重く、あまりにも硬い。その結果、僕たちドライバーへの身体的な負担も増えた。ケガや痛みに苦しむことも多かった。なので正直、この規約はあまり好きじゃない。最速マシンに乗っているドライバーは、楽しんでいるかもしれないけどね(笑)。

ランス・ストロール(アストンマーティン)
2025年F1第21戦サンパウロGP FIA会見 ランス・ストロール(アストンマーティン)

ルクレール:特に最初の年は全然楽しめなかったかな。とにかくバウンシングがひどくて、長いレースキャリアでも最悪の経験のひとつだったよ。その後はだいぶ改善されて、マシンも速くなった。もちろんまだ硬いし、もっと軽くしてほしいけど、それでもここ3年は結構楽しめた。コーナリングスピードはすごいしね。旧世代マシンほどではないにせよ、ドライブする喜びはあったね。

ガスリー:ふたりとほぼ同じ意見だ。特にランスの話に同感だよ。外からはわかりづらいだろうけど、運転はかなりハードで、特に背中への負担はものすごく大きかった。なのでこの時代が終わることに、少しホッとしているよ。ただスピードの観点では驚異的だったね。いくつかのサーキットではラップレコードも更新したし、僕たちドライバーにも信じられないほどのスピードを感じられた瞬間もあった。とはいえ、もっと軽く、もっと効率的に速さを得る方法はあると思う。

 来季のF1マシンがどうなるのか、まだ不明の部分は多いが、ドライバーたちは大きな期待を寄せているようだった。



(Text : Kunio Shibata)

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