2025年F1第19戦アメリカGP スプリント前のグリッド

【】F1スプリント戦の倍増計画にドライバーから懸念の声。2027年から年間12戦開催が検討中

2月27日

 F1が将来的にスプリント戦の開催数を現在の年間6戦から12戦へ倍増させる可能性が浮上し、パドック内では新たな議論が巻き起こっている。この動きに対しドライバー側は歓迎一色ではないようだ。今回の議論は、F1が抱える“スポーツ性”と“エンターテインメント性”のバランスという問題を改めて浮き彫りにしている。

■ドメニカリCEO「3日間すべてが重要であるべき」

 スプリントは2021年に試験的に3戦限定としてスタートした。その後、拡大され、現在は年間6戦で実施されている。しかし、バーレーンで開催されたF1コミッション会合において、2027年以降にカレンダーの半数へ増やす案が協議された。

 商業的な意図は明白だ。アクションを増やし、緊張感を高め、3日間すべてを“売れるコンテンツ”に変えることだ。しかし、プロモーターや放送局にとってはコンテンツ増加となる一方、ドライバー側には身体的・精神的負担の増加という現実がある。

 F1 CEOのステファノ・ドメニカリは次のように語り、金曜日を“練習日”とする伝統的なフォーマットを見直す考えを明確にした。

「スプリントの開催数やフォーマットについて議論しているのは、ファンやプロモーターからのフィードバックがあるからだ。人々は3日間すべてで本物のアクションを見たいと望んでおり、金曜日からすでに、予選であれ何であれ、スポーツの要素を求めている」

「スプリントフォーマットでなくても、観客は何か違うものを望む傾向がある。我々は、サーキットにいるすべての日を重要なものにしたい」

「フリー走行は専門家にしか魅力がない」F1のドメニカリCEO、将来的なスプリントフォーマット拡大を約束
“伝統的”フォーマットの見直しとスプリントの増加に意欲を示した
ステファノ・ドメニカリ氏

■サインツ「増やすなら改善が必要」 ルクレール「6戦が適切」

 この動きに対し、カルロス・サインツは、スプリント戦の増加自体を否定はしないものの、スケジュールの過密化とドライバーへの負担について懸念を示した。

「僕は(拡大に対して)オープンだ。ただ、現行のスプリント・フォーマットはまだ改善と調整が必要だ。ときに日曜の展開の“ネタバレ”になってしまうことがあると感じるからね。そこを改善して、スプリントを日曜とは異なるものにできるなら、回数増加にも前向きになれる」

 一方で負担増への懸念も明確にした。

「ただ残念なことに、スプリント予選があれば金曜は忙しくなり、土曜はさらに過密になり、ドライバーの仕事量がかなり増える。だからFOMとF1には、僕たちがレースへの準備時間を確保できるよう、レースウイークエンドのフォーマット、特にメディア対応やPR活動の量を見直してもらいたい。ここ数年、その面でドライバーへの要求は極めて厳しいものになっているからね」

「現在のF1チームが抱えるスポンサーの数、僕たちがこなすインタビューの数、マーケティング活動の量は、想像を絶するものがある」

「コース上でより多くのタイムドセッションやショーを生み出すことにはオープンだ。でも、コース外の部分を整理しなければならない。24戦のカレンダーに、仮に24回のスプリントが加わったとしたら、関係者全員にとってかなり過酷なものになる」

 シャルル・ルクレールもサインツに同調し、スプリント自体を評価しつつも、過度な拡大には否定的な立場を示した。

「カルロスの意見に同意する。僕自身は、スプリントの週末は好きなんだ。それでも、スプリントはあくまで少数であるべきだと思っている。将来的にスプリントが標準フォーマットになるのであれば、それは望ましくない」

「少なくとも僕はそうなってほしくない。どんな形でも走るし、適応する。ただ、6戦が最適な回数だと思う」

カルロス・サインツ(ウイリアムズ)
2025年F1第19戦アメリカGPスプリントで3位に入賞したカルロス・サインツ
スプリント開催の増加については懸念を示した


(autosport web)