1992年第12戦ベルギーGP ベネトンB192をドライブするミハエル・シューマッハー

【】ミハエル・シューマッハーのF1初優勝マシン『ベネトンB192』がオークションに出品へ

1月15日

 7度のF1世界チャンピオンであるミハエル・シューマッハーが、1992年にF1で初優勝を挙げた際にドライブしたマシン『ベネトンB192』がオークションに出品されることになった。

 このオークションを主催する『ブロード・アロー・オークションズ』は、この伝説的なB192を推定価格850万ユーロ(約15億7362万円)超で出品。コレクターやF1ファンに対し、モータースポーツの歴史における極めて重要な1ページを所有することができる珍しい機会を提供している。シャシーはB192-05で、これは単なるレーシングカーではない。1992年8月30日、スパ・フランコルシャンで開催された第12戦ベルギーGPでシューマッハーが栄光を掴んだマシンだ。

 B192はシューマッハーとチームメイトのマーティン・ブランドルのドライブにより、シーズンを通して11回の表彰台を獲得し、優勝が1回、ファステストラップが2回という記録を残し、F1の伝説にその名を刻んだ。

マーティン・ブランドル(ベネトン)
1992年第12戦ベルギーGP ベネトンB192をドライブするマーティン・ブランドル

■無謀な革新よりも“抑制”を追求したベネトンの哲学

 ロス・ブラウンの指揮下でロリー・バーンによってデザインされたB192は、無謀な革新よりも抑制という、ベネトンの哲学の産物だった。ライバルたちがますます複雑な解決策を追い求める一方で、バーンは空力効率やメカニカルバランス、着実な進化に焦点を当てた。エンジンは、660〜680馬力のパワーを生むフォード製3.5リッターV8エンジンを搭載していた。

 B192は1992年シーズンの第4戦スペインGPでデビューを果たすと、シューマッハーはすぐに印象的な走りを見せた。第7戦カナダGPでは予選で5番手を獲得し、苦労の末に2位に入賞し表彰台に登壇。これによりシューマッハーはドライバーズ選手権で3位に上がった。当時のレース後、シューマッハーは「本当に言葉にできない。週末を通して調子はよかった。今日モーターホームにいた時、このレースに勝てると思った。チームに感謝しなければならない。そしてこの勝利をドイツのファンに捧げたい」と語っていた。

 ベルギーGPでの勝利は、シューマッハーのキャリア通算91勝、ベネトンでの19勝の始まりとなった。単なる優勝マシンを超え、B192-05はシューマッハー時代の幕開けを意味する存在であり、1990年代とそれ以降のF1におけるプロフェッショナリズムの基準を作り直した。

 数十年を経て、シューマッハーの非凡な伝説が始まったマシンを所有する数少ない機会が提供され、このシャシーが世界中のコレクターを魅了するだろう。モータースポーツの歴史を愛するファンにとって、このオークションは、単なる1台のマシンではなく、F1の不滅の歴史の一片を扱うものだ。

ミハエル・シューマッハー(ベネトン)
1992年第12戦ベルギーGP ベネトンB192をドライブするミハエル・シューマッハー


(Text : autosport web)