2026.04.17

フェルスタッペンとは「何度も話し合っている」とドメニカリCEO。誤解を避けるべく発言の“重み”を理解するよう求める


2026年F1第3戦日本GP マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
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 F1のCEOを務めるステファノ・ドメニカリは、マックス・フェルスタッペン(オラクル・レッドブル・レーシング)がF1の新しいレギュレーションを批判したことを認識しているが、フェルスタッペンに対し自分自身の発言の重さを理解すべきだと語った。

 グランプリレースは今、綱渡りのような状況に置かれている。一方では技術の新時代が順調に進んでおり、他方では、最も著名なドライバーをはじめとする多くのドライバーが、このスポーツが本来の姿からあまりにもかけ離れてしまったのではないかと疑問を呈している。

 こうした緊張関係の中心にいるのがドメニカリだ。彼はF1を変革へと導くだけでなく、内部から高まる批判の声とその影響にも対処しなければならない。

ステファノ・ドメニカリ
2025年F1第2戦中国GP F1のCEOを務めるステファノ・ドメニカリ

■フェルスタッペンの言葉の重み

 2026年シーズン序盤のレースでは、エネルギーマネジメントの複雑さ、レース展開の変化、そしてドライバーが攻めるのではなく妥協を強いられる場面など、F1の新しいレギュレーションがもたらす課題が浮き彫りになった。ドメニカリは、これらの懸念が無視されているわけではないと主張した。フェルスタッペンを含むドライバーたちとの対話は、継続的に行われているという。

「彼らとの会話は非常にオープンで、私が彼らの意見を気にかけていることを(ドライバー側も)理解している。私は彼らにも関わってほしいと思っている」

「しかしもちろん、時には駆け引きのようなこともしなければならない。トップドライバーたちと話すと、彼らは勝利を収めているので、常にとても満足している。だが他のドライバーたちはフラストレーションを抱えることもある。それは彼ら(トップドライバー)とはレーススタイルを好むからだ。私はそのことを尊重している」

 ドライバー間で不安を引き起こす現状を改良するために、舞台裏では、特にエネルギーのディプロイメントと予選に関して、F1とFIAはすでに調整案を検討している。しかしドメニカリにとってこの対話は、他の話題との関わりを持たずには存在し得ない。ドライバーたちが身を置くプラットフォームの規模を考慮しなければならないのだ。

「私が彼らに言ったのは、『我々は共に正しいことをしてきたので、今やっていることを忘れないように。だから我々全員に成長し、大金を稼ぎ、人格を形成する素晴らしい機会を与えてくれたこのスポーツに敬意を払ってほしい。他のスポーツなら、たとえもっと好きなスポーツだったとしても、こんな機会は得られないだろう』ということだ。私が彼らに伝えたのはそういうことだったと思うし、彼らもそれを理解してくれたと思う」

マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
2026年F1第3戦日本GP マックス・フェルスタッペン(レッドブル)

 そのメッセージは、暗黙のうちにしろ、そうでないにしろ、フェルスタッペンに向けられた場合は特に強い意味を持つ。なぜなら、フェルスタッペンの地位は、彼が発する言葉すべての力を増すからだ。

「マックスとは最初から何度も何度も話し合ってきた」とドメニカリは主張した。

「私は彼の意見を理解し、彼も全体像を理解している。彼は今日も会議に出席し、積極的に案を出してくれた。だから対立関係を作ろうとするような罠にはまりたくない。それは私のやり方ではないし、我々が望むような形でもない」

「我々は共に歩んでいく。彼は最高のドライバーであり、世界チャンピオン、それも複数回の世界チャンピオンだ。もちろん、彼の意見には耳を傾けるべきだ。しかし、彼自身も自分の意見には重みがあることを知っている。そして彼はその重みを尊重しなければならない。なぜなら、時として、彼の意見を誤解する人がいるからだ。我々はそのような事態を決して許すべきではない」

 バランスを取ることは非常に難しい。F1は後手に回ることなく批判に耳を傾けなければならないし、方向性を譲ることなく協調的でなければならない。ドメニカリの姿勢は、まさにその緊張関係を反映している。彼は反対意見を拒否しているわけではなく、むしろ、より広い責任の枠組みのなかでそれを捉えている。

 フェルスタッペンが他のレースカテゴリーへの関心を高めているという憶測が広がるなかでも、ドメニカリはF1の魅力が失われる可能性を否定した。

「イギリスに同じような言い方があるかどうかはわからないが、イタリアには『隣の芝生は青い』という考え方がある。そして、実際に向こう側に行くと、『まさか、そんなはずはない』と言われることもある。我々が共に成し遂げてきたことを尊重しつつ、同時に、それらに関するあらゆる意見に耳を傾け、非常にオープンな姿勢でいるべきだ」

マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
2026年F1第3戦日本GP マックス・フェルスタッペン(レッドブル)

■F1の「宝」を守る

 新規則をめぐる騒ぎとは裏腹に、実際の指標はまったく異なる状況を示している。観客動員数もテレビの視聴者数も好調で、少なくとも商業的な観点から見れば、レースは盛況だ。ドメニカリ自身も、改良が必要ではあるものの、レースは期待に応えていると考えている。

「レースは本当に素晴らしいと思う。我々がもっと話し合えば話し合うほど、このスポーツにとっていいことだ。なぜなら、彼らはこのスポーツの宝だからだ。私は年をとっているが、自分の言っていることを忘れてはいない」

「我々はこのスポーツの宝を守る必要がある。そして彼らもまた、自分たちが属するエコシステムを守らなければならない」

 最後の点がまさに核心を突いている。フェルスタッペンのようなドライバーは、F1の魅力の中核を成す存在であり、ドメニカリが言うように「宝」だ。しかし、その地位には責任が伴う。伝えたいことは、沈黙せず、自覚を持って発言することだ。なぜならF1の新時代において、戦いはもはやコース上だけのものではないからだ。F1というスポーツの本質、そしてあるべき姿という物語を形作っていくこともまた戦いなのである。



(Text : autosport web)

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