2026.03.21

「少し心配していたが楽しめた」とフェラーリ代表バスール。ハミルトンとルクレールの攻防を歓迎


2026年F1バーレーンテスト第2日 FIAプレスカンファレンスに出席したフレデリック・バスール(スクーデリア・フェラーリ、チーム代表)
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 F1中国GPで繰り広げられたルイス・ハミルトンとシャルル・ルクレールのバトルは、レースの見どころのひとつとなった。フェラーリのフレデリック・バスール代表は「そのバトルを楽しんだ」と認める一方で、ふたりが接触して30点近いポイントを失う可能性に「少し心配していた」と明かした。

■ 6度も順位を入れ替える激しいバトル

 ハミルトンとルクレールは、レース前半には2番手を争い、その後は3位表彰台をめぐって激しく戦い、20周目から35周目にかけて、6度にわたってポジションを入れ替えた。その間には軽い接触も1度あったが、両者はマシンを壊すことなく走り切り、スクーデリアにとって力強いダブル入賞を達成、27ポイントを持ち帰った。

バトルを繰り広げるルイス・ハミルトンとシャルル・ルクレール(スクーデリア・フェラーリ)
2026年F1第2戦中国GPスプリント/予選日 ポジションを争うルイス・ハミルトンとシャルル・ルクレール(ともにスクーデリア・フェラーリ)

 このバトルの間、ピットウォールからチームオーダーは出されなかった。これは、バスールがマラネロで指揮を執るようになって以降、一貫して取ってきた「ドライバー同士を競わせる」という方針によるものだ。 

 ふたりがどこかの段階で限界を超えていたと思うかと問われたバスールは、笑みを浮かべながら「いや、やり過ぎではなかった」と答え、「すべてはコントロールされていたと思う」と続けた。

 その一方で、フェラーリ代表は「もちろん、常に少しは心配している。何かが起こる可能性はいつでもあるからだ。ただ、コース上でポジションを固定するのも非常に難しい」と認めたうえで、「彼らはとてもプロフェッショナルだったし、私は楽しめた」と語った。

■ 「ポジションを凍結したくはない」

 すでに昨年も、特にシーズン前半には、ハミルトンの調子が落ちる前の時期を中心に、ベテランのハミルトンとルクレールが激しくもクリーンに争う場面が何度かあった。その際もバスールは、レースエンジニアに介入を指示することはなかった。

 その理由について、バスールは「私は彼らふたりを非常に尊重している。彼らはプロフェッショナルであり、この状況ではレースをさせることが理にかなっていると思う」と説明した。

 モータースポーツでの豊富な経験を持つバスールは、「30分後には自分がまったく愚かに見える可能性があることも、私は十分に理解している」と認めつつ、「しかし最終的には、それがチームを築いていく最善の方法でもあると思っている」と述べた。

 さらに57歳のバスールは、「向上していくためには、チーム内にこうした切磋琢磨が必要だ。そして、それが今日のような形で行われる限り、私はポジションを凍結したくはない」と強調した。

 最後にバスールは笑顔で、「無線でも何度か、彼ら自身が楽しかったと言っていたし、私も楽しめた」と締めくくった。

■ ルクレールもハミルトンも“フェアなバトル”を評価

 この争いの末に敗れた側だっただけに、レース後のルクレールが非常に上機嫌だったことに驚く向きも多かった。ルクレールは、前を行くハミルトンとの差が広がり始めた際に、チーム無線で「このバトルは楽しかった」と伝えており、決勝後にも「本当に楽しかった」と改めて語った。

 笑いながらルクレールは、「チームに聞いたら同じことを言うかどうかは分からないけれど、僕は本当に楽しめた。ルイスの方が速かったし、彼の表彰台獲得をうれしく思っている」とコメントした。

「自分が表彰台を逃したことは悔しいけれど、全力は尽くしたと分かっている。とてもフェアなバトルだった。厳しかったけれどフェアで、素晴らしかった。ただ、今日はルイスの方が強かった」

 またハミルトンも、「今回のレースは、長い長い時間のなかでも、もしかするとこれまでで最も楽しいレースのひとつだったかもしれない」と語った。

ルイス・ハミルトンとフレデリック・バスール(スクーデリア・フェラーリ)
2026年F1バーレーンテスト第3日 ルイス・ハミルトン(スクーデリア・フェラーリ)とフレデリック・バスール(スクーデリア・フェラーリ、チーム代表)

 さらにハミルトンは、「今年のマシンがこういう状態にあり、そして終盤にシャルルとのああしたバトルができたのは最高だった」と振り返った。

 そして、かつて何度か接触した元チームメイトのジョージ・ラッセルをわずかに皮肉るように、7度のF1世界王者は「素晴らしいホイール・トゥ・ホイールの争いだった。とてもフェアで、まさに僕たちが望んでいるものだ。ふたりの優れたドライバーが激しく、それでもクリーンに戦う。それこそが重要なんだ。厳しいレースこそがレースの本質だ」と語った。



(GrandPrix.com)

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