「コーナリングの感覚はいい」「高速コーナーは充電場所になった」一長一短な新世代マシンへの評価/F1第2戦木曜会見
シーズン開幕早々、2連戦で迎えた今週末のF1第2戦中国GP。先週のオーストラリアでの戦いから、ドライバーたちは今季のF1についてどんな手応えを得たのだろうか。第一部には、ピエール・ガスリー(BWTアルピーヌF1チーム)、エステバン・オコン(TGRハースF1チーム)、フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム)が出席した。
まずは、14番手スタートから10位入賞を果たしたガスリーから。
Q:開幕戦を終えて、今年のアルピーヌのポテンシャルについてどんな結論を得ましたか?
ガスリー:それどころではないというか、まだマシンのポテンシャルを全然引き出せていない状態だ。車体やパワーユニットの理解、エネルギーの使い方、予選、レースに向けてのセットアップ。やるべきことは山ほどある。それは他のチームも同じだと思うけど。
Q:ではエステバン、あなたは11位で惜しくも入賞を逃しましたが、チームメイトのオリバー・ベアマンは7位。中団勢最高の成績でした。ハースのマシンの感触はいかがですか?
オコン:実は予選アタックの際に、フロアにダメージを負ってしまってね。(13番手より)もっと上のグリッドに行けるはずだった。でもマシンパッケージはすごくバランスがいい。すべてがうまく噛み合えば、かなりのポテンシャルを期待できると思っている。

Q:フェルナンド、アストンマーティンにとって非常に厳しい開幕戦でした。レース間隔は1週間しかありませんが、中国での見通しは?
アロンソ:残念ながら、状況はあまり変わっていないと思う。できるだけマシンを理解することに集中するつもりだ。パーツ不足もあるので、走行制限もあるかもしれないけど。でも何かポジティブなものを得られたらと思っているよ。
Q:ポジティブな週末とは、具体的にいうと?
アロンソ:とにかくトラブルなく周回できることだ。エステバンとピエールも開幕戦は満足していないだろうけど、でも彼らはたぶん、僕たちの10倍くらい先にいる。彼らがバルセロナテスト以来1000周しているなら、僕たちはせいぜい100周くらいだからね。だからこそ周回数が必要なんだ。今週末、普通にフリー走行ができて、普通に予選ができて、そして日曜日に完走できたら、それだけで満足だよ。

3人には、「新しいF1マシンは運転していて楽しいか」という共通の質問が飛んだ。
ガスリー:僕たちは世界最速のマシンを運転しているわけで、コクピットに座れば楽しいに決まっている。でもF1には、もっと多くを求めたい。才能やリスクテイクが報われるF1であってほしいんだ。時々、アクセルを戻した方が速くなるような状況があるけど、それはF1らしいとは言えないよね。
オコン:コーナリングの感覚はすごくいい。2016年頃のトップマシンに近い感覚で、スライドの仕方やコーナーへの攻め方がとても予測しやすいんだ。レースでのアクションも増えたよね。混乱気味ではあったけど、オーバーテイクや接近戦が多かった。でも僕たちが乗りこなしている感じは、まだないかな。シーズンが進めば改善すると思うけど。
アロンソ:僕はカートの24時間レースに年4〜5回出るくらい、レースが好きなんだ。だからF1は速さを感じるだけで楽しい。ただ今年のF1は、かなり変わってしまったね。以前は、高速コーナーはドライバーの勇気を試す場所だった。でも今は、バッテリーを充電する場所になってしまった。まあ、それでも楽しいけどね。

続く第2部には、マックス・フェルスタッペン(オラクル・レッドブル・レーシング)、アレクサンダー・アルボン(アトラシアン・ウイリアムズF1チーム)、ガブリエル・ボルトレート(アウディ・レボリュートF1チーム)が登場した。
Q:マックス、開幕戦は20番手から追い上げて6位でした。もし予選で問題がなかったら、メルセデスやフェラーリとの差はどれくらいだったと思いますか?
フェルスタッペン:予選は5番手くらいだったと思う。フェラーリは、理由はわからないけど(予選では)思ったほど速くなかった。でもレースでは明らかに、僕たちは太刀打ちできなかった。だから現実的には、(予選もレースも)5番手だね。

Q:アレックス、今年のウイリアムズには高い期待がありました。予選15番手、決勝12位という結果は、どれくらいショックですか?
アルボン:もちろん、僕たちが望んでいた位置ではないし、チーム全員が失望している。でも状況を立て直すための明確なプランはある。解決には少し時間がかかるかもしれないけど、戻るための戦略ははっきりしているよ。
Q:ガブリエル、アウディのF1デビュー戦でポイントを獲得しました。
ボルトレート:素晴らしい週末だったし、正直あそこまでいけるとは思っていなかった。バルセロナでのシェイクダウンでは、山ほど問題があったからね。その後のバーレーンでも、大体の立ち位置が少し見えた程度だった。ところが初戦でQ3に進出し、ポイントを獲得できた。もちろんサーキットが変われば、結果も変わる。異なるタイプのサーキットで、自分たちの本当の位置を理解していかないとね。

3人にはシミュレーターについての質問が出たが、フェルスタッペンから驚くべき答えが飛び出した。
Q:今年のF1はエネルギーマネジメントが難しいです。その点で、シミュレーターを多く使えるドライバーが、より有利になっているのでは?
ボルトレート:そうかなあ。シミュレーターにも改善の余地は多いと思う。少なくとも僕たちのチームではね。実際のテストやエネルギーマネジメントの作業は、専任のシミュレータードライバーがやってる。僕は単純に、好きだからシムに乗ってる。いろいろなクルマを運転すると、必ず何かを学べるからね。
アルボン:冬の間かなりシミュレーターを使ったけど、実際のサーキットに来ると全然違っていた。相関の問題もあるし、ワークスチームに比べると、ターボやバッテリーのモデル化でデータが少ないしね。
フェルスタッペン:僕はシミュレーターより、もっと安い解決策を見つけたよ。Nintendo Switchのマリオカートで練習しているんだ。キノコを見つけるのは、かなり上手くなったよ。青い甲羅はまだ難しい(笑)。
ボルトレート:ロケットは?
フェルスタッペン:まだまだ。これからだよ。
新時代のF1について、「運転が楽しくない」と、否定的なコメントを繰り返しているフェルスタッペン。マリオカートを引き合いに出したのも、「こっちの方が全然楽しい」という痛烈な皮肉だったのかもしれない。
