2026年型F1マシンで変わる予選の戦い方。2周の準備ラップでエネルギー&タイヤを最適化する戦略
F1新技術規則が過去には存在しなかった課題を突きつけていることから、すべてのF1チームが今季の予選における最善のアプローチを模索している。2025年シーズン末まで機能していた戦略は、今後そのまま通用しない可能性が高い。
これまでは、後方グループのチームがQ1突破を目指して2、3セットのソフトタイヤを使用し、一方の上位勢は原則として1回のランだけでQ2進出を果たし、どうしても必要な場合にのみ2セット目を投入するというパターンがほぼ定石とされていた。Q2では上位勢も2セットのソフトを使用し、苦戦しているチームはユーズドセットからスタートし、その後に新品に交換し、Q3進出を狙うのが通例だった。

しかし今年は、必要な量のエネルギーを蓄え、アタックラップの準備を整えるのに2周が必要となるかもしれない。そうであれば、Q1の18分間で3回のランを行うことは難しくなる。さらに状況が厳しいのがスプリント予選で、SQ1はわずか12分しかない。1回のランに4周(準備ラップ2周、アタックラップ、ピットへの帰還ラップ)が必要となれば、ドライバーが前方に少なくとも7秒の空間を確保しなければならないことを考慮すると、2回のアタックを成立させることすら難しくなる可能性がある。
戦略をさらに複雑にするのが、準備ラップを1周で済ませることが可能なマシンが存在することだ。そうしたドライバーは1周の準備ラップの後にすぐにアタックラップに入ろうとするが、2周の準備ラップを必要とするドライバーに行く手を阻まれるリスクがある。今年はチーム数が11チームに増え、22台が同時に走り、それぞれが異なる準備戦略を取れば、妨害行為をめぐる苦情が多発することは目に見えている。
チームにとってのもうひとつの大きな課題は、タイヤのウォームアップと、パワーユニットの準備手順との兼ね合いだ。2周の準備ラップを走りつつ、ソフトタイヤの最大グリップを保って適切な温度まで持っていくことは容易ではないだろう。
プレシーズンテストの際に、当時ピレリのレーシングディレクターを務めたマリオ・イゾラは、一部チームがテスト中に様々な実験や解決法を試みていたと明かした。「アウトラップに準備ラップ1周を加える方法も選択肢のひとつ」と彼は言い、一方で「タイヤブランケットの温度設定を調整することも別の選択肢」と認めた。ピレリはチームに対してブランケットで使用できる最高温度についての指針を与えており、「フロントアクスルとリヤアクスルのバランスを取るために、リヤのブランケット温度を下げるチームが出てくる可能性がある」とイゾラは述べていた。
メルボルンでは予選戦略の変化が初めて垣間見えることになるだろうが、全容が明らかになるのは1週間後に行われる中国GPのスプリント予選になる見込みである。
