2026年F1第1戦オーストラリアGPを前にしたアルバート・パーク

【】「昨年とは全く違うF1オーストラリアGPになる」とドライバーたちが予想。エネルギーマネジメントが大きなチャレンジに

3月5日

 2026年のF1に導入された新しいパワーユニット(PU)の運用に関連して、ドライバーはドライビングの仕方を大きく変えなければならなくなる。サーキットによってはバッテリーエネルギーの回生が難しくなる点が問題視されている。

■レイアウトによって大きく変わる回生難易度。メルボルンは難易度“高”か

 バーレーンで行われたプレシーズンテストの予選シミュレーションでは、最終コーナーの立ち上がりでバッテリー出力を使用せず、スタート/フィニッシュラインを越えてからデプロイメントを開始する走り方が多く見られた。これはターン1までの区間で回生のために大きなリフト&コーストを強いられる状況を避けるためだ。

 ドライバーたちは、メルボルンでの開幕戦ではこの問題がさらに大きくなる可能性があると見ている。アルバート・パークには低速コーナーが少ないためエネルギー回生の機会が限られる。つまり、長いストレートで使う電力を十分に回収できない可能性があるのだ。

 地元オーストラリア出身のオスカー・ピアストリはこの点について、エネルギー回生の難易度はサーキットレイアウトによって大きく変わると語った。

「シミュレーターで走らせた感じでは、バーレーンとオーストラリアではかなり状況が違う。いくつかのサーキットでは、バーレーンよりもずっと回生が制限されるだろう」

「最適化の設定次第では、バーレーンでは(フルスロットル状態を維持しつつMGU-Kでバッテリーを充電する)スーパークリッピングやリフト&コーストをそれほど多く行う必要はない。もしメルボルンでそれを全くやらなければ、エネルギーはかなり早くなくなってしまうと思う」

オスカー・ピアストリ(マクラーレン)
プレシーズンテスト(バーレーン)でのオスカー・ピアストリ(マクラーレン)
エネルギー状況を示す赤いテールランプに注目

 ピアストリは、エネルギーマネジメントの自由度が比較的高いバーレーンとは異なり、メルボルンでは事情が異なると説明し、2025年までとはレースの進め方そのものが変わる可能性を示唆した。

「結局はコースレイアウト次第だ。ジェッダも似たようなタイプのサーキットで、いくつかのストレートが高速コーナーでつながっている。そういう場所では回生がとても難しいから、かなりの異常事態が生じることになる。だから去年と比べて、大きな違いが出てくるだろう」

 また、多くのドライバーと同様にピアストリは、バーレーンの高速コーナー、ターン12の扱い方がかなり違ってきたと指摘した。次の長いストレート区間で使うエネルギーを温存するため、スーパークリッピングが使用され、2025年よりもおよそ40km/h遅い速度で通過するケースが見られたのだ。

 ピアストリは笑いながら「もちろんそうしたければコーナーとして攻めることはできる。でも去年よりかなり難しくなっている」と述べ、現在のエネルギーマネジメントは、従来よりも複雑になっていると説明した。

「走行中に設定を変更することはできる。でも以前とは少し違う。今はスロットル操作だけで管理しているわけではないからね」

 そしてピアストリは、開幕戦の展開について次のように語った。

「メルボルンはかなり違ったレースになると思う。間違いなく僕たち全員にとってチャレンジになる」

■ラッセルはレースが面白くなる可能性を指摘 「これまでと違うレースになる」 

 もっとも、この変化は必ずしもネガティブなものではない可能性もある。メルセデスのジョージ・ラッセルは、むしろレース展開を面白くする可能性があると指摘する。

「メルボルンやジェッダのように複数の長いストレートがあるコースでは、レースはかなり興味深いものになると思う」とラッセルは言う。

 エネルギーの使い方は、マシンやドライバー、さらにはドライビングスタイルによって大きく変わる可能性がある。その差は空力乱流の影響を上回るかもしれないという。

「エネルギーの使い方の違いが大きくなると思う。おそらく空力乱流の影響よりも大きいだろう」

 その結果として、レースの性格も変化する可能性があるとラッセルは締めくくった。

「これまでとは違う種類のレースになるだろう。今までとは違う場所でオーバーテイクが見られるようになると思う」

2025年F1第1戦オーストラリアGP表彰台
2025年のオーストラリアGPで3位に入ったジョージ・ラッセル(メルセデス)



(GrandPrix.com)