2026.01.27

「リヤウイングの開発はさらに活発になる」新車R26開発者が語る2026年マシンの開発ポイント【新規参入アウディF1特集】


フルワークス体制で初年度の参戦を迎えるアウディF1のマシン、R26
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 今シーズンからフルワークス体制でF1に参戦するアウディ。アウディ・レボリュートF1としてその一歩を踏み出したなか、ニューマシン『R26』の開発を務めたジェームス・キーが1月20日の発表会のメディアの取材に参加。新車、そして大きくレギュレーションが変わる2026年のF1マシン方向性と、勢力図について答えた。

  ジョーダン、ザウバー、そしてトロロッソ、マクラーレンの4チームでテクニカル・ディレクター/マシン開発を担い、中堅チームの予算の限られた中でコストパフォーマンスの高いマシン開発に定評のあったジェームス・キー。2023年からはアウディの前進のザウバーに11年ぶりに復帰し、今季フルワークスとなった記念すべき1号車『R26』の開発を手がけた。

今季のアウディF1のマシン、R26のカラーリング。今後登場する実際のマシンとは、各所が変更されているはず

 まずは発表会のマシンについて、キーにどの程度、実戦のマシンと共通しているのかを聞くと、キーは笑顔を見せながら、はぐらかした。

「それは見てのお楽しみです(笑)」

 1月20日に一般公開された『R26』はカラーリングをアピールするのがメインで、フロントウイングを見ても今季から採用される可動式ではないことから、実戦マシンとは異なることが一目でわかる。それでは、この発表後に行われるシークレットのスペイン・バルセロナのテストではどのようなプログラムが予定されているのか。

「この新しいマシンについてはまだ学ぶべきことが山ほどあります。私たちはすでに1月9日に一度走らせていて(フィルミングデー/PR動画撮影用の走行)、そこからの基準となるデータは持っています。しかし、今回は『発見の旅』のようなものです。私たちは新しいパワーユニット・サプライヤーでもありますから、まずは周回数を重ねること、そして信頼性の確保に集中することになります。ノイブルク(アウディのパワーユニット開発拠点)のエンジン担当チームにとっては、走行データが不可欠ですからね」

「1月9日のフィルミングデー以外は、すべてバーチャルかダイナモ(ベンチテスト)での作業でしたから、彼らのために実走データを得る必要があります。ですから、まずは周回を重ね、タイヤなどの習熟に努めます。そしてバーレーンに移動する頃には、よりパフォーマンス(速さ)を追求する段階に入っていくでしょう」

 アウディのシェイクダウンは、公表されている中では全チームの中でももっとも早い段階となった。シェイクダウンを早く行った理由についてキーが話す。

「このタイミングは約18か月前に下した決断で、このようなスケジュールになることは分かっていました。直前に決めたことではありません。私たちはこの新しいプロジェクト(アウディ)における新参2チーム(もう一社はキャディラック)のうちのひとつですから、どうしても早い段階でサーキットでのデータが必要だったのです」

「パワーユニット側の担当とも相談し、できるだけ早くコースに出ようと決めました。ただ、開発プロセスを考えると、これは大変なことでした。シャシーのテクニカルレギュレーションにおいて、空力(エアロ)の開発が解禁される1月1日までは、すべてが推測の域を出ないからです。空力がマシンを定義しますから、仕様を確定させるスタート時期は非常に遅くなります」

「空力の開発を極限まで引っ張る一方で、クリスマス前にマシンを完成させ、1月に走らせるというのは、チームにとって途方もない努力が必要でした。途中でクラッシュテストの不合格といったアクシデントもあり、スペアパーツの製造などでさらに大変なことになりましたが、チームは一丸となってそれを乗り越えました」

「開発時間はできるだけ長く確保したい、でも走行は早く始めたい。その結果、冬の間の作業は猛烈に圧縮されました。非常にハードな1年でしたが、シェイクダウンで実走データを取るという目標は無事に達成できました。これは素晴らしいことです。」

 レギュレーションが大きく変わる今年のF1、まずはまったく新しくなるエンジン/パワーユニット(PU)のパフォーマンスが鍵を握ることになりそうだ。前回、大きくエンジン/パワーユニットが変更された2014年はメルセデスPU勢が圧倒するシーズンとなったが、今年も同様になる可能性は考えられるのだろうか。

「2014年はたしかにそうなりましたね。ただ、今回はあそこまでの差にはならないと信じたいです。私たちは今、その旅を始めたばかりで、メルセデス、フェラーリ、ホンダといった実績のあるメーカーと対峙しています。彼らには長年蓄積されたインフラや環境という、自然なアドバンテージがあるでしょう。私たちはそれをゼロから構築しなければなりませんでした」

「ただ、パワーユニットに関して言えばもちろん差は出るでしょうが、2014年ほどの極端な差は見られないのではないかと推測しています。また、2026年規定ではシャシーとPUのパフォーマンス面での相互作用が非常にユニークです。最終的にはパワーユニット側の差が平準化され、再び空力の勝負に戻るでしょうが、当初はPUは(現在より)大きな差別化要因になるはずです」

 F1マシンの開発については厳しいレギュレーションの制限がある。F1ではシーズン中のアップデートなどでパフォーマンスが高いマシンのデザインに似ていく傾向があるが、今年のレギュレーションでも同じ方向性になるのか。それとも、大きく変わっていく可能性があるのだろうか。

「かなりの余地があると思います。正直なところ、各チームが実際にどんなレースをするのかは、メルボルン(開幕戦)に行ってみるまで分からないでしょう。レギュレーションに制限がかかると、逆にイノベーションが生まれるものです。前回のレギュレーションでも新しく使える手段は少なかったですが、メルセデスは極端に細いサイドポッドを採用し、フェラーリは逆方向に行きました。フロントサスペンションも複雑化しましたよね。2026年も昨年と同じくらい制限が厳しいですが、内容は異なります。時間が経てば、新しくて興味深いソリューションが登場してくるでしょう」

??2026年レギューレーションでのマシンの開発ポイントと高まるウイングの利用



(autosport web)

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2026-01-27更新

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