アレックス・パロウに約18億円の支払い命令。マクラーレンに対する契約破棄を裁判所が認める
NTTインディカー・シリーズに参戦するアレックス・パロウは、裁判の末に、マクラーレンに対し1200万ドル(約18億4831万円)以上の支払いを命じられた。これは、パロウがマクラーレンのF1ドライバーとして招集される見込みがないことが明らかになり同チームを去った経緯に関連するものだ。
なおパロウと彼の弁護士らは、この判決を上級裁判所に控訴する可能性を依然として検討している。
4年前の2022年、パロウはチップ・ガナッシ・レーシングからインディカーに参戦しながら、マクラーレンF1で何度かTPC(Testing of Previous Cars/旧型車を使用するテスト)に参加した。当時マクラーレンに所属していたダニエル・リカルドが契約満了前にチームを離れることが明らかだったため、パロウはマクラーレンのF1ドライバーになることを目指した。
リカルドのシートを誰よりも有利に獲得するため、パロウは2023年にマクラーレンからインディカーに参戦することに同意。それがきっかけで、チップ・ガナッシとの最後のシーズンになるはずだった2022年のF1アメリカGPのフリー走行1回目に参加することになった。

しかしその頃までに、マクラーレンはアルピーヌからオスカー・ピアストリを獲得していた。というのもアルピーヌがピアストリのオプションを受け入れなかったからだ。そのため、F1の夢が打ち砕かれたことを悟ったパロウはチップ・ガナッシに戻り、現在までインディカーへの参戦を続けてきた。
これを受けてマクラーレンは、パロウが契約違反を犯したとして損害賠償を求める法的手続きを開始した。イギリスの裁判所はマクラーレンに有利な判決を下し、マクラーレン・レーシングのCEOを務めるザク・ブラウンは大いに満足する結果となった。
ブラウンは次のように述べた。
「判決が示すように、我々はアレックスに対しあらゆる契約上の義務を果たしたことをはっきりと証明し、合意されたことを誇りに思う。アレックスがチームとの契約に違反したことにより、我々のビジネスが被った極めて重大な商業的影響と混乱を裁判所が認めたことに感謝している」
一方で判決を受けた4度のインディカーチャンピオンであるパロウは、マクラーレンがより巨額の損害賠償を求めていたため、「裁判所の判決は、僕に対する申し立てが完全に誇張されていたことを示している」と主張した。
「これらの申し立てと争うために、かなりたくさんの時間と費用が費やされたのは残念なことだ。裁判所は、その一部には価値がないと判断した。なぜなら単純に、彼らが僕にF1をドライブする機会を与えないだろうとわかった後で、僕がマクラーレンでドライブしないことを選んだだけだからだ」
「僕はマクラーレンに損害賠償が支払われたことに失望している。彼らは僕の代わりに起用したドライバーから利益を得たので、いかなる損失も被っていない」

