体制変化を経たレッドブル。王座奪還に向け、F1新時代の2026年は代表らの実力が試される1年に【トップチーム密着】
マクラーレンがF1第18戦シンガポールGPでのコンストラクターズ選手権に続いて、第24戦アブダビGPではドライバーズ選手権のタイトルも手にした。
マクラーレンがドライバーズチャンピオンに輝くのは2008年のルイス・ハミルトン以来、17年ぶり13回目。これはフェラーリの15回に次いで、歴代2位の記録だ。
さらにマクラーレンがコンストラクターズ選手権とのダブルタイトルを獲得するのはミカ・ハッキネンがドライバーズチャンピオンとなり、チームメートのデビッド・クルサードとともにコンストラクターズ選手権も制した1998年以来、27年ぶりのこととなった。マクラーレンがダブルタイトルを獲得するのは通算9回目で、こちらもフェラーリの11回に次いで、歴代2位の記録となっている。

ドライバーズチャンピオンに輝いたランド・ノリスにとっては、2019年にF1にデビューして7シーズン目で手にした初タイトルとなった。そのノリスはレース後の会見で次のように喜びを爆発させた。
「言葉にできないほど、本当にうれしい。何年も前にテレビでF1を見たあの日や、初めてゴーカートをしたあの記憶が、チェッカーフラッグが振られる直前に僕の脳裏に蘇ってきた。すべてが始まった場所に連れ戻された。両親の犠牲がなければ、いまの僕はいない。兄や姉妹が何度もメッセージをくれたのに、返せなかったこともあった。だから、こうしてチャンピオンシップという形で感謝を伝えることができ、困難な時期を支えてくれた人々と、その喜びを共に祝うことができて、最高の気分だ」

一方、選手権トップだったノリスと12点差で最終戦に臨んだレッドブルのマックス・フェルスタッペンは選手権2位に終わり、5連覇はならなかった。それでも、シーズン中盤に100点以上あった選手権リーダーとの差を最後は2点差まで詰め、最終戦をポール・トゥ・ウインで締めくくるなど、4連覇王者としての存在感をいかんなく発揮したシーズンとなった。
「今シーズンに後悔はない。厳しい局面、過酷なレースもたくさんあった。それでも僕たちは決して諦めなかった。それを誇りに思う。これは将来に向けた教訓でもある。たとえ絶望的な状況に陥っても、決して諦めてはいけない。問題を理解しようと努力を続け、そうすれば何が起こるかわからないということを僕たちは経験した。もちろんもタイトルを獲れなかったことは残念だが、このシーズンを誇りに思っている。今日もポールポジションを獲得し、レースを制したしね」(フェルスタッペン)
フェルスタッペンが2点差で選手権2位に終わったことで、レッドブルは5年ぶりに無冠に終わった。シーズン中にクリスチャン・ホーナーが代表の座を追われ、最終戦後にはヘルムート・マルコ(モータースポーツコンサルタント)も離脱。チーム体制が大きく変わっていくなかで、トップチームとして君臨し続けられることができるのか。2026年はローラン・メキース代表の手腕が問われる。
