マルコの後任候補として名前の挙がるベッテル。レッドブル離脱の一報には「他の人と同じように驚いた」と明かす
モータースポーツコンサルタントを務めたヘルムート・マルコがレッドブルから去った後、レッドブルファミリーへの復帰に関連して、4度のF1世界チャンピオンであるセバスチャン・ベッテルの名前がふたたび取り沙汰されている。この2年間、マルコの立場が危うくなりそうになるたびに、F1界では彼の後任候補としてベッテルの名前が繰り返し挙がっていた。そのため、マルコがついに職を失った今、同じことが起きても不思議ではない。
ドイツのウェブサイトから、20年以上前にマルコが築き上げた組織から彼自身が去ったことについて尋ねられたベッテルは、「僕も他の人と同じように驚いた」と語った。
「ヘルムートの今後と彼にふさわしい引退について、幸運を願っている」
「彼はレッドブル・レーシングとトロロッソの成功の立役者だ。ドライバーの選抜だけでなく、チーム構成、人員、戦略に関する重要な決定も彼を通して行われた」

ベッテルに大きなチャンスを与えたのは間違いなくマルコだった。2007年末、ベッテルの将来の契約について最初に声をかけたのはドイツのマニュファクチャラーであるBMWで、同社はザウバーの名の下に設立されたチームを所有していた。ベッテルはこの年、アメリカGPでBMWザウバーのロバート・クビサの代役を務め、ハンガリーGP以降はスクーデリア・トロロッソのステアリングを握った。
翌2008年にイタリアGPでセンセーショナルな勝利をチームにもたらしたベッテルは、引退するデビッド・クルサードの後任として2009年にレッドブル・レーシングに昇格。彼はすぐにマーク・ウエーバーを上回るようになり、2010年から2013年にかけて4年連続でタイトルを獲得した。
2022年末にレースから引退したベッテルだが、F1から完全に背を向けたわけではなく、毎年数回のグランプリで持続可能性に関する取り組みの推進を続けている。彼の環境保護主義者としての新たなイメージは、若者をターゲット市場とするレッドブルに非常によく合致するはずであり、両者間の取引は双方にとって有益となる可能性がある。しかし、ベッテルはマルコほど多くの移動や仕事を進んで行う可能性は低い。たとえ彼がレッドブルに復帰したとしても、同社はベテランの穴を埋めるために少なくともあとふたりの人材を配置する必要があるだろう。

