スーパーフォーミュラテスト参加中のドゥーハン、F1復帰を諦めず。アルピーヌとは契約解除、狙うはハースのリザーブか
三重県の鈴鹿サーキットで行われている全日本スーパーフォーミュラ選手権の合同/ルーキーテストに参加しているジャック・ドゥーハンは、アルピーヌF1のシートをわずか6レースで失ったものの、将来のF1復帰を諦めていないようだ。
ドゥーハンの近い将来はスーパーフォーミュラにあり、F1第24戦アブダビGPの日曜の朝に同地を出発し、鈴鹿に向かった。スーパーフォーミュラのシーズン後の3日間のテストにKONDO RACINGから参加するためだ。

アルピーヌのドライバーだったドゥーハンは、F1への足がかりを維持したいと願っている。アルピーヌでの短いながらも非常にフラストレーションの多い経験を経た現在、グランプリに復帰することを目標としているのだ。KONDO RACINGでテストをするドゥーハンは、トヨタと密接な関係を築いており、この新たな関係が、同社の将来のグランプリプログラムにおける役割につながることを期待している。ドゥーハンが求めている最初のステップは、2026年にハースで役割を得ることだ。彼はようやくアルピーヌを離れ、現在交渉が進行中だ。
ドゥーハンと彼のマネジメント陣は、アルピーヌからの離脱交渉を試みてきた。これまでアルピーヌは、F1に彼を復帰させる見通しをまったく示さなかったた。今年の第6戦マイアミGP後に解任されたドゥーハンの後任にはフランコ・コラピントが就任し、コラピントが2026年までチームとの契約を延長したことで、ドゥーハンが2026年にアルピーヌからF1に復帰する可能性は閉ざされた。

ドゥーハンにとってさらに悪いことに、アルピーヌは、ポール・アーロンに広範なテストプログラムを受けさせることを決めた。以前オスカー・ピアストリ(現在はマクラーレンに所属)とドゥーハン自身に行ったのと同じようにだ。それと同時に、アルピーヌはキック・ザウバーでの2回を含めたFP1参加の機会を、アーロンに与えることを決定した。このことは、ブリアトーレによる序列において、アーロンがドゥーハンより上であることを明確に示していた。
ドゥーハンはアルピーヌとの契約から抜け出す道を探したが、ブリアトーレはいつものやり方を通した。ドゥーハンを二度と自チームのクルマに乗せるつもりがなかったにもかかわらず、彼のドライバーの状況を困難にすることを決めたのだ。ようやく夏の初めになって、ドゥーハンが日本を訪れるチャンスが実現したが、交渉の行き詰まりにより、ドゥーハンのスーパーフォーミュラへの転向が危ぶまれる事態となった。ドゥーハンは、将来について確信が持てない状態のまま、先週半ばにアブダビに到着した。
アーロンがヤス・マリーナ・サーキットにいて、アブダビGPのFP1でA525をドライブする予定だったことから、彼がその週末のチームのリザーブドライバーであることは明らかだったため、契約により現地にいなければならないこと、そして契約解除についてブリアトーレの同意をとりつける必要があること以外、ドゥーハンがアブダビで果たす特別な役割はなかった。ドゥーハンに近い情報筋によると、ドゥーハンが日本へ出発する予定時刻まで24時間を切った時点で、ブリアトーレは彼の契約解除条件に合意し、ようやくドゥーハンがKONDO RACINGとテストを行う道が開かれたのだという。

次のステップは、2026年からのハースでの役割についての交渉だ。チームはドゥーハンを数回FP1に起用する可能性があるし、 TOYOTA GAZOO Racing(TGR)がタイトルパートナーになることでチームの体制が拡大し、より多くのシミュレーターセッションとTPC(Testing of Previous Cars/旧型車を使用するテスト)を実施する余地も生まれるはずだ。ドゥーハンのような経験を持つドライバーは、チームにとって貴重な存在となるだろう。特に来年F1に出場できるスーパーライセンスを持つ起用可能なドライバーは、極めて少ない状況だからだ。